エディー・ジョーンズHCが約1300人の高校生を前に伝えたかったこと(前編) | ラグビージャパン365

エディー・ジョーンズHCが約1300人の高校生を前に伝えたかったこと(前編)

2015/07/15

文●斉藤健仁


6月24日、ラグビー日本代表を率いるエディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)が、日本代表のメイン合宿地・宮崎にある宮崎県立宮崎大宮高で講演した。これは、同校が今年から「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」に指定された記念に行われたものを2回に分けてお送りする。

プロのラグビーコーチになる前は10年間にわたり教師だったジョーンズHCが高校生(約1300人)に伝えたかったこととは――。

スポーツも勉強も同じだと思います。私は、プロのラグビーのコーチになる前には体育の先生でしたし、校長先生もやりました。今は大きな子どもたちの先生みたいなものですが、教えることとコーチングは似ています。正しいこと、間違っていること、そしてチームで戦うことをしっかり伝えています。人生はすべて、やることに対して強い意志を持ってやることが大事です。勉強でもスポーツでも、ただ惰性ではなく、一つ一つにしっかりと意志を持ってほしい。それは日本のラグビーでも同じです。

日本の高校ラグビーは人気があり、大学ラグビーも確固たるシステムが確立されています。国内のトップリーグは世界でも有名な企業に支えられています。けれども、そんな環境がありながら、ラグビーの日本代表は過去24年間、ワールドカップで勝利できていません。日本の高校ラグビーをしている子どもたちは、毎日3〜4時間、練習しています。日本代表のFB五郎丸(歩)は、高校(佐賀工)時代、2ヶ月間に2日しか休みがなかったと言っていました。しかしオーストラリアの高校は週2回、1時間半くらいしか練習をしません。

 

日本のチームは世界中のどのチームよりも練習して優れているはずなのに…どうして日本代表は弱いのか

日本の高校生は毎日3,4時間練習をしているので週21時間、一方のオーストラリアの高校生は最高でも1週間に6時間しか練習しません。どちらの方が優れた選手になると思いますか? 日本人だと思う人は手を挙げてください(生徒みんな手を挙げる)。

みなさん、正直ですね。トレーニングの時間が多ければ良い選手になると思いますが、日本代表のコーチとなったとき、練習時間が多いのに、なぜ、上手くならないのかを探りました。日本のチームは世界中のどのチームよりも練習しているので、優れているはずなのに、現実はそうではなかった。だから、いろんな人に聞きました。
そして日本代表が弱い理由は3つありました。

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