日本選手権開幕・早稲田がヤマハ相手に2トライを挙げるも敗退 | ラグビージャパン365

日本選手権開幕・早稲田がヤマハ相手に2トライを挙げるも敗退

2014/02/16

文●編集部


2月16日、秩父宮ラグビー場では第51回ラグビー日本選手権1回戦の2試合が開催された。2週連続となる大雪の影響で開催自体が危ぶまれたが、前日から行われた早大、帝京大、慶大、明大、立大のラグビー部員210名をはじめ、関東ラグビー協会、日本ラグビー協会の役員やボランティアなどラグビーファミリーの献身的な雪かきにより、予定通り行われる運びとなった。

11時40分にキックオフされた第1試合は、大学選手権準優勝の早稲田大学とトップリーグ5位のヤマハ発動機が対戦した。

試合はヤマハが試合開始から早稲田を圧倒。開始2分に右WTB田中渉太のトライで先制すると、12分にも田中、17分には左WTB徐吉嶺がトライを決める。前半28分にも田中のビッグゲインからHO日野剛志がトライ。ヤマハが前半30分までに24−3と大きくリードした。

早稲田・金のトライ!

早稲田・金のトライ!

一方早稲田は、トップリーグ上位チームのディフェンスを前に決め手を欠き、得点ができない時間帯が続く。32分、ようやく早稲田らしい早い展開が生まれる。相手キックを捕ったFB藤田慶和(2年)のカウンターアタックから、FL金正奎(4年)がスルスルと抜け出しトライ。さらに37分、SO小倉順平のPGで24−11として前半を折り返した。

マレ・サウのトライ

マレ・サウのトライ

後半に入ると、ヤマハが再び得点を重ねる。開始直後の1分、CTBマレ・サウのトライでヤマハが29−11と点差を広げ、14分にもラインアウトモールを押し切りLO大戸裕矢がインゴールでグラウンディング。36−11とし25点差となる。

時折、判断よいプレーでゲインを見せた布巻

時折、判断よいプレーでゲインを見せた布巻

大きく引き離された早稲田だが、「後半、よく戦えた」と後藤禎和・早稲田大学監督が振り返ったように、ここからボールを継続し、最後までアタックし続け、何度かヤマハ陣内に攻め込むシーンを見せる。

後半になると持ち味の早い球出しで攻撃のリズムを作ったSH岡田

後半になると持ち味の早い球出しで攻撃のリズムを作ったSH岡田

21分、自陣10m付近のスクラムからPR垣永真之介(4年)が突破、FL金がフォローに入りボールをキープすると、SH岡田一平(2年)がバックスに展開。最後はFB藤田がトライを決め36—16と一矢報いた。

FB藤田。

FB藤田。

さらに22分、FB五郎丸歩がシンビン(10分間の一時的退場)で早稲田が数的優位な状況となる。追加点をあげたかった早稲田だがヤマハの強烈なプレッシャーにハンドリングエラーなどのミスが続きトライを奪うことができないままノーサイド。

早稲田出身の曽我部は後輩である金に対して健闘を労った。

早稲田出身の曽我部は後輩である金に対して健闘を労った。

ヤマハが36-16で早稲田大を下し、2回戦に駒をすすめた。ヤマハ発動機は来週23日(日)、慶大を100-0で破った神戸製鋼と秩父宮で対戦する。

 

後輩たちを前に格の違いをみせた五郎丸

後輩たちを前に格の違いをみせた五郎丸

勝利したヤマハ発動機・清宮克幸監督は試合後の会見で「今日の早稲田はベストパフォーマンスに近いものを見せてくれた」と讃えた上で「彼らは早稲田のDNAを引き継いでいる。格上に対してどう戦うかというところを見せてくれた。前半、もう少しうまく戦っていれば、もっと苦しめられたかもしれない」と、対戦相手という立場を度外視して早大を称賛した。

FL三村勇飛丸主将は、「学生が相手ということでしたが、今年のヤマハは相手がどうこうというより自分たちがやってきた部分をやるということに注力してきたのであまり気になりませんでした」と語ったが、明大出身の三村は、「自分の学生最後の試合に、金(正奎)くんや、垣永(真之介)くんが1年生で出場していたので、自分とFL堀江(恭佑。同じく明大出身)は燃えていました(笑)」と本音を漏らした。

一方、早稲田大学・後藤禎和監督は、試合全体を振り返って「自分の思っている以上に奮闘してくれた。後半の40分はよく戦えた」と選手たちの戦いを讃えながら、大学時代の同期である清宮氏との『監督対決』には「楽しむことができました」と語った。

早稲田出身の矢富

早稲田出身の矢富

4年生として学生最後の試合となったPR垣永主将は「1ヶ月という準備期間で十分準備してきました。ここまでやれたのは自信につながります。後輩たちに託せたかなと思います。個人としては、当たる瞬間の強さは学生とトップリーグの違いを感じた」と語った。

また、SO小倉は、「ディフェンスは怖がらず前に出ようと思っていました」と語るも、「アタックについては、これ以上のものは現状では難しいかな」と、社会人との力の差を痛感していた。

 

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