ブルーズ戦レビュー・敗れたものの最も改善されたディフェンス。 ジャパンAの戦いに見られた「ハングリーさ」。 サンウルブズにはまだ可能性が残されている。 | ラグビージャパン365

ブルーズ戦レビュー・敗れたものの最も改善されたディフェンス。 ジャパンAの戦いに見られた「ハングリーさ」。 サンウルブズにはまだ可能性が残されている。

2018/04/16

文●大西将太郎 構成●大友信彦


こんにちは、将太郎です。
サンウルブズ、今季初勝利を目指したブルーズ戦でしたが、残念な結果に終わってしまいました。10−24。ボーナスポイントも取れない敗戦でした。

アンストラクチャーな状況を作って攻めるというゲームプランで臨むのであれば、1人1人のラグビー理解力、判断力はより重要だ


試合開始から前半の入りは今季一番良かったと思うけれど、後半は全然アタックが続かなくなってしまった。ラインアウトは良くなったけれど、そのあとのデリバリーが上手くいかなくて、結局ゲインライン突破につながるアタックはほとんどできなかった……ひとつひとつの要素では改善された部分もあったけれど、すると次の問題が出てくる。もちろん、スーパーラグビーというステージのレベルが高いゆえのことなのですが。

ブルーズ戦に関しては、サンウルブズはいい入りをしていました。ブルーズは、ニュージーランドカンファレンスでは最下位にいます。昨季の結果もあって、サンウルブズに対する苦手意識も、もしかしたらあったかもしれない。前半はサンウルブズがいいディフェンスをしていたこともあるけれど、ブルーズは前半、プレッシャーをかけられるとなおさら近場を攻めてきて、サンウルブズの策にはまっている感じだった。


もしかしたら、後半外側を攻めるために、前半はあえて近場にジャブを打っていたのかもしれませんが……後半最初の時間帯に、サンウルブズがディフェンスでガマンしきれなくなってしまった。内側をガマンして止めていても、外のディフェンスが薄くなってしまう。そこで外を破られると、FBの松島は1対2のような不利な状況に追い込まれてしまう。

しかも、ブルーズはニュージーランドの中でも個人で走りきれる能力の高い選手が揃っているチームです。敵陣でゲームを進めていても、決してチャンスとはいえない。ディフェンスをひとつ破られれば一気に100m切り返されるリスクもある。それは攻めていても同じです。

とはいえ、最も改善された部分もディフェンスでした。実際に前半はターンオーバーでボールを奪い取る場面も多かった。僕が疑問に感じたのはそのあとのボールの使い方です。せっかくボールを奪ったのに、簡単に蹴ってしまう場面が多かった。WTBマシレワが蹴って、相手に当たってチャンスを逃した場面もありました。蹴ること自体は全然悪くないのですが、「蹴るのか・走るのか」と相手に迷わせることができればキックはより効果的になる。相手が迷えば、攻めるスペースが空くこともあります。

ターンオーバーしたときのオプションは

1,ラン
2,裏へのキック

という優先順位であるべきではないのかな、と思いました。

マシレワはチームへの合流が遅かったので、まだ戦術理解が浅く、ジェイミーの言う「セイムページ」が見えていないのかもしれないけれど、アンストラクチャーな状況を作って攻めるというゲームプランで臨むのであれば、1人1人のラグビー理解力、判断力はより重要です。

そのための経験を、いまサンウルブズの選手たちは積んでいる段階なのかもしれませんが、ファンの方から見れば『それなら日本人の若い選手にその経験を積ませてよ』という思いがわいてくることも理解できます。

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