ラグビー王国の名コーチたち―vol5. ウォーレン・ガットランド | ラグビージャパン365

ラグビー王国の名コーチたち―vol5. ウォーレン・ガットランド

2020/06/11

文●宮浦成敏 構成●大友信彦


この4月にスタートしたRUGBYJAPAN365プレミアムページの新企画、日本きってのNZラグビー通・ワイカトラグビー協会デベロップメントオフィサーサポート(育成部門スタッフ)で福岡工大監督の宮浦成敏さんによる『ラグビー王国の名コーチたち』。第1回は日本代表をW杯8強に導いたジェイミー・ジョセフさん、第2回は神戸製鋼をトップリーグで15年ぶりの優勝に導いた名将ウェイン・スミスさん、第3回は、オールブラックスの新しいヘッドコーチに就任したイアン・フォスターさん、第4回はパナソニックワイルドナイツ監督のロビー・ディーンズさんの素顔を紹介。それぞれたくさんの方にご購読いただき、戦術や戦績だけではない、各コーチのキャラクターが見えてくるとご好評をいただいております。
今回は、コロナ感染拡大による長い中断期間を経てまもなく13日に開幕するスーパーラグビーのNZ大会「スーパーラグビー・アオテアロア」で最も注目されるコーチ、ウォーレン・ガットランドさんを紹介します。ウェールズ代表監督を12年もの長きにわたって務め、北半球勢では最も安定した成績を残した名将が、13年ぶりに母国NZに帰って指揮を執っています。ウエールズ監督になる前の2005年、NPCワイカト監督時代のガットランドさんと出会い、その後のコーチングを見つめてきた宮浦さんならではのガットランドさん物語を、どうぞお楽しみください!

スーパーラグビーが再開!ウェールズを3大会連続で率いた名将

みなさんこんにちは、宮浦です。
いよいよスーパーラグビーが再開します。3月末にロックダウンを決行してから2カ月半、世界に先駆けてコロナウィルスを封じ込め、社会生活の再開にこぎつけたNZの政府、国民のみなさんにリスペクトを捧げたいと思います。スーパーラグビーアオテアロアも、最初は無観客で実施すると発表されましたが、NZ政府の規制解除を受け、平常通りに観客を入れて開催することになりました。ワイカトユニオンの人と話したら、チケットもかなり売れているみたいです。やっぱり、みんな楽しみにしていたんですね。

今回は、スーパーラグビー・アオテアロア開幕にあわせて、今季のスーパーラグビーのNZチームの監督で最も注目されている、チーフスのウォーレン・ガットランド監督を紹介したいと思います。

ガットランドさんは、2007年11月から昨年のワールドカップ日本大会まで、ウエールズの監督を12年にわたって務めていました。その間、就任直後の2008年シックスネーションズでいきなりグランドスラム(5戦全勝優勝)を達成し、12年間に3度のグランドスラムを含む4度の優勝、ワールドカップでは3大会を率いて2度の4強入りと、北半球勢では最も安定した成績を残しました。

NZなど南半球からヨーロッパに渡ったコーチはたくさんいますが、同じチームでワールドカップ3大会を率いた監督は他にいません。「外国で」という条件を外しても世界中にほぼいないのではないでしょうか(複数チームであればイタリアと日本を率いたジョン・カーワンさん、ウェールズとNZを率いたグラハム・ヘンリーさんがいますが、ガットランドさんも複数チームなら1999年のアイルランドを加えて4大会で率いています)。つまり、それだけ人望のあるコーチだということでしょう。

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