リオ五輪メダル獲得なるか?セブンズの構造から見たジャパン勝利へのカギは−SHOTA'S CHECK VOL35 | ラグビージャパン365

リオ五輪メダル獲得なるか?セブンズの構造から見たジャパン勝利へのカギは−SHOTA'S CHECK VOL35

2016/08/01

解説●後藤翔太 文●大友信彦


翔太です。
週末は、菅平でコベルコカップ・全国高校女子合同大会に近畿選抜として出場していました。22人の内訳は追手門学院から8人、神戸甲北から5人、あとは神戸、伊丹、御影、関大一高……女子選手が1人しかいないような学校からもたくさんの選手が来てくれて、15人制の練習は集合して1回、菅平で1回やっただけでしたが、予選リーグではほぼ単独チームの石見智翠館に勝って決勝リーグ進出。決勝リーグでは関東に0−5、九州に0−10で敗れましたが、選手はよくやってくれたと思います。

寄せ集めのチームでもある程度できた理由は、ディフェンスをきっちりできたことだと思います。女子ラグビーは、男子に比べて筋力、瞬発力が強くない分、パスもキックも飛距離が長くない、ステップの幅、速さもやや劣る。ということは、一発で抜ききる可能性はあまり高くない。これはバレーボールやテニスと同じ構図です。男子はアタック一発で点が入るけれど、女子はラリーが続く。女子のスポーツはディフェンシブな、持続的な展開になるんです。

今回、僕が指示したのは、グラウンド幅70mに、15人が均等に立ちましょうということだけ。BKもFWも関係ない。フロントローが一番外側に立ってもいいから、とにかく並びましょうというディフェンスです。広く並べば、攻める側からは穴がないように見える。ブレイクダウンでも、無理にボールを奪いに行かず、出させて止めて、ガマンし続けるという考え方です。初心者が多いチームが短い準備期間でどう戦うかを考えた結果の作戦ですが、機能したと思います。

ではこれは、僕が普段教えているセブンズでも通用するでしょうか。

15人制とセブンズでは、戦術はある程度共通していて、ある程度異なります。15人制では必然的にコンタクトが多くなる。強い相手に、自分の体の芯をあてていく、そういう基本を身につけるには良い機会だと思います。ただ、実際のセブンズでは、タックルする相手がまっすぐぶつかってきてくれることはほとんどない。


セブンズではスペースが広いので、相手はまず間違いなく、ステップを切って抜きに来る、アタック側がステップを切り、ディフェンス側がそれを止めようと反応し、互いに間合いを計り合い、やや体勢が崩れた状態でコンタクトが発生するわけです。15人制のコンタクトには当然意味があるのですが、セブンズでのコンタクトにはまた違う要素が入ってくる。このことを理解しておけば、15人制の経験は間違いなくセブンズにも活用できると思います。

 

近畿選抜

近畿選抜


さて、前置きが長くなってしまいましたが、いよいよリオ五輪開幕が目前に迫りました。

日本は男女とも五輪に出場します。記念すべき最初の五輪に男女揃って出場できることは素晴らしい。特に、競技人口も少ない中で、日本の女子が五輪に出場するところまで漕ぎつけたことには、選手・指導者のみなさんに深く感謝したいと思います。

では、男女の日本代表は、目標とするメダル獲得に届くでしょうか?
まず、その前提となるセブンズの仕組み、構造を理解しておきましょう。


 

プレミアムコラム

この記事の続きを読む。

購読手続をすると全ての内容をお楽しみいただけます。
メールアドレス
パスワード

記事検索

バックナンバー

メールアドレス
パスワード
ページのトップへ