リーグワン第11節レビュー、芝も準備も雰囲気も素晴らしかったアイスタ。 ディフェンスを起点に組み立てたブルーレヴズの進化。HBの成長。 しかしワイルドナイツはそれ以上の充実ぶり | ラグビージャパン365

リーグワン第11節レビュー、芝も準備も雰囲気も素晴らしかったアイスタ。 ディフェンスを起点に組み立てたブルーレヴズの進化。HBの成長。 しかしワイルドナイツはそれ以上の充実ぶり

2022/04/01

解説●後藤翔太 構成●大友信彦


翔太です。
リーグワンも中盤戦の交流戦シリーズが終了しましたね。
交流戦最終節となった第11節は、静岡のアイスタことIAIスタジアム日本平で、静岡ブルーレヴズ対埼玉ワイルドナイツの試合を解説させていただきました。
素晴らしいスタジアム、素晴らしい時間でした。

僕はサッカーには詳しくないので、正直言うと、アイスタがどこにあるのか、どんなスタジアムなのかも全然知らなくて、解説の仕事が決まったときも『知らないところへ行くのは億劫だな』『サッカースタジアムだからインゴールは狭いのかな、芝は短いのかな』なんてことを漠然と考えていたのですが、本当に失礼いたしました。芝の長さ密度はもちろん、サッカーのラインも見えないくらいにキッチリ消して、完全なラグビー用のスタジアムに整えていただいていました。

Jリーグのスタジアムが、丁寧な準備をしてラグビーの試合を歓迎してくれていたことに、ラグビーの人間として本当に感動しました(付け加えると、このスタジアムはサッカー専用ではなくラグビーも想定した球技場として設計されたようで、インゴールの長さもしっかり確保されていました)。逆説的ですが、サッカーのプロリーグの底力を感じました。J1チームのメインスタジアムのクオリティの高さ、そしてサッカー以外の競技に対しても完璧な準備で迎えることのできる底力です。

同時に、アイスタは歴史を感じるスタジアムでしたね。サッカーどころである静岡県で、長くサッカーの聖地として愛されてきたスタジアムだけあって、エントランスのところには歴代の優勝チームのトロフィーや楯などの記念品がたくさん並んでいました。そんな場所で公式戦が行われたことに、リーグワンが誕生した意味、意義を感じました。トップリーグのまま、ヤマハ発動機ジュビロのままでは実現しなかった試合だと思います。


と、素晴らしいスタジアムだけに前置きが長くなってしまいましたが、そのスタジアムで実際に行われた試合も素晴らしかった。


埼玉ワイルドナイツは前節まで公式順位は3位ながら実際の試合では8戦全勝。対して静岡ブルーレヴズは公式順位は9位。不戦敗が4つあるためとはいえ、実際に戦った試合の成績も3勝4敗。順位表を見ると、両チームには大きな差がありました。

僕も正直、埼玉が有利だろうなと予想していました。ブルーレヴズは試合を重ねる毎によくなっているなと感じてはいましたが、ワイルドナイツという隙のないチームと対戦するにあたり、武器として上回れる部分が僕の事前調査では見つからなかったのです。総合力でいくら近づいても、明白に上回る部分がないと優位性は作れない。勝負には持ち込めないと予想しました。ところが、実際の試合は26-25という1点差の決着でした。


まず、この戦いを、ブルーレヴズの側から見てみます。



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