今季のトップリーグはサントリーの優勝で幕を閉じました。
僕は花園で近鉄対豊田自動織機を解説していたので、帰宅してからビデオで確認しましたが、今季のサントリーは本当に安定した戦いぶりを見せていたと思います。
サントリーのアタックに変化をつけたのは、SO小野晃征
今季のサントリーの良かったところは何かというと、僕はやはりSO小野晃征の存在だったと思います。
トップリーグ(TL)の優勝を争った2強のアタックパターンを見ると、ヤマハはシンプルなアタックをバリエーション豊富に見せていました。ムーブ自体はひとつかふたつ、シンプルなものしかないけれど、そのムーブでボールを持つ選手を変えることで目先を変えていた。マレ・サウからタヒトゥアだったり、ハビリから伊東力だったりするのですが、基本的なムーブは同じパターンということが多い。逆に言うと、ひとつのムーブでたくさんのパターンを使い分けているわけです。
一方のサントリーは、同じようなムーブから、いろいろなパターンに変化していきます。その バリエーションを着けているのが小野なのです。
サントリーのラグビーは、やや乱暴に言ってしまうと、同じようなハイペースでアタックをかけ続けるところに持ち味があります。エディーさんが監督だった頃は、そのハイペースで、相手がついてこれないところまで攻撃し続けて勝っていたわけですが、ラグビーではディフェンス理論が年々進んでいることもあり、ハイペースのアタックだけではなかなか勝てなくなってきた。時速140キロの速球も、ずっと一本調子で投げていたら目が慣れて打たれてしまうのと同じです。