入替戦回避をかけたサニックスvs豊田自動織機の最終節対決 熱戦に覗いた両チームの「雑さ」と 成功への「意志の弱さ」は低迷の理由か。 | ラグビージャパン365

入替戦回避をかけたサニックスvs豊田自動織機の最終節対決 熱戦に覗いた両チームの「雑さ」と 成功への「意志の弱さ」は低迷の理由か。

2017/12/25

解説●後藤翔太 構成●大友信彦


こんにちは、翔太です。
24日はトップリーグ最終節。各地で注目の試合が行われましたが、僕は小倉で、宗像サニックスと豊田自動織機の一戦を解説させていただきました。

緊張感が渦巻く会場。両チームがこの試合に懸ける思い

前節までホワイトカンファレンス6位と7位の対戦。勝てば6位となり、年明けの最終順位決定トーナメントでは9−12位決定戦に進出。自動降格あるいは入替戦に回ることになる13-16位決定戦を回避できます。つまり、負けると最低でも入替戦に回ることになる。両チームとも、その重みを十分に意識して臨んだ試合だなと思いました。

お客さんも一体になって、緊張感が渦巻いているというか、これは「入替戦回避をかけた一戦」のはずなのに、「入替戦そのもの」みたいな空気が漂っていました。
実際、試合が終わったとき、負けたサニックスの選手たちは、入替戦に負けて降格が決まったかのような落胆ぶりでした。見ていて「入替戦に回ってもそこで勝てばいいんだよ」と声をかけてあげたくなったくらいです。それだけ、この試合にかけていたのでしょう。

豊田自動織機、東芝戦は2点差の惜敗だった(SH木村)

豊田自動織機、東芝戦は2点差の惜敗だった(SH木村)


では、試合はどうだったでしょうか。

正直、表現が難しいのですが、下位チーム同士の試合だな、という印象がわいてくるのは否めないな……と感じる試合でした。

僕は豊田自動織機の試合は何度か解説させていただいたのですが、上位チーム相手にも良い試合をしてきました。僅差の試合が多いんです。東芝(2点差)、近鉄(1点差)からは7点差以内のボーナス勝ち点1を得ているし、NTTコムとクボタには8点差、トヨタ自動車には9点差でした。リーグ戦を通じて、良い試合をしているのに勝ちきれない惜しい試合が多かった。それはゲームの中でも見受けられることでした。つまり、相手ゴール前まで攻め込んでいくのに、トライを取りきれない場面が多いのです。この試合もそうでした。上位と戦うときも、下位と戦うときも、同じような展開になる。これは偶然ではないはずです。

一方のサニックスも、チャンスはたくさん作っていた。実はサニックスは、トップリーグのサイトに掲載されているスタッツを見ると、「オフロード」の数字がすごく多い。サントリーと同じくらいです。僕はこの項目を、「コンタクト局面では勝っている」と読むのですが(コンタクトで負けているチームはオフロードを通せるはずがないし、試みることもしないはず…なので)、実際にあげているトライは多くないんです。かといって、キックも多くない。つまり、自分たちでボールを使う過程でボールを失っている。厳しい言い方になりますが、ボールを放棄しているわけです。

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