日野レッドドルフィンズ・テクニカルコーチとして戦ったTL体感レポート 通用している部分、そして当事者として実感したTLのレベルの高さとは。 | ラグビージャパン365

日野レッドドルフィンズ・テクニカルコーチとして戦ったTL体感レポート 通用している部分、そして当事者として実感したTLのレベルの高さとは。

2018/09/29

解説●後藤翔太 構成●大友信彦


こんにちは、翔太です。
読者のみなさんには大変ご無沙汰してしまいました。
僕は今年から、日野レッドドルフィンズにテクニカルコーチとして加わり、初めてコーチとしてトップリーグのシーズンを過ごしています。

日野レッドドルフィンズのテクニカルコーチとして見たトップリーグとは…


当たり前のことですが、コーチとして戦うトップリーグは、選手として戦っていたトップリーグとは全然違いますね。しかも、僕が神戸製鋼を引退した7年前よりも、今のトップリーグは情報量も、求められる情報処理能力も、ずっと多い。分かってはいたけれど、トップリーグを戦うことは本当に大変なことなんだな、選手はもちろんですが、スタッフは想像以上に大変な労力をかけて試合に臨んでいるんだなということを実感しています。
という忙しさもあって「Shota’s Check」は久々の更新となりました。

今回は、僕が初めてテクニカルコーチという立場で戦ってみたトップリーグで実感したこと、実感し続けていることを、読者の皆さんにお伝えしようと思います。

日野レッドドルフィンズのトップリーグ昇格元年、前半4節の結果は以下の通りです。

8月31日(金) ○33-3 宗像サニックスブルーズ
9月8日(土) ×14-15 豊田自動織機シャトルズ
9月15日(土) ×14-36 トヨタ自動車ヴェルブリッツ
9月22日(土) ×28-45 NTTコミュニケーションズシャイニングアークス

開幕から4節を終えて勝ち点6。順位はホワイトカンファレンスの6位です。

ここまで4試合を終えた感想は、こんな言い方をしていいのかどうか分かりませんが、一口で言って「思ってた以上にやれるな、通用するな」という感覚です。

結果だけ見ると、初戦に勝って、2戦目に競り負けて、3戦目からは失点が増えて連敗していますが、僕の感覚では試合を重ねる毎に「通用するな」という思いが強くなっています。

逆に言うと、最初のサニックス戦は、あまり評価できる内容ではなかった。3トライ取って勝ったとはいっても、取ったトライはどれも、再現性の高いものではなかったからです。3トライのうちひとつは自陣ゴール前で相手のノックオンからカウンターに出て、相手のノーボールタックルもあった中で取りきったもの。あとの2つはラインアウトモールとスクラムを押し切ったトライでした。

FLパーカーがチームのTL初トライをスコア

FLパーカーがチームのTL初トライをスコア



ディフェンスからのカウンターアタックで取りきったもの、セットプレーから取りきったものと言う意味では会心のトライです。それ自体は素晴らしいのですが、アタックで相手ディフェンスを崩して取ったものではない。再現性の高いものではなかったということで、テクニカルコーチの立場では、喜んでばかりもいられない。正直な感覚は「今日は勝ったけど、このままじゃトップリーグを戦っていくのは厳しいな」というものでした。


次の豊田自動織機との試合は、14-15の1点差で負けました。スコアだけ見ると惜敗ですが。でも僕にはこの1点差がすごく重く思えた。正直、これが実力差そのもの。もうひとつスコアするイメージが思いつかない感じでした。

ところが、そのあとのトヨタ自動車、NTTコムとの2試合は、スコア的には差を付けられたけれど、自分たちとしてはむしろ手応えを感じました。自信をつけたといったら言い過ぎだけど、何というか、距離感を掴めた。過去の新昇格チームが、もしかしたら感じていたかもしれない絶望感のようなものは感じていません。

もちろん、そんなことを感覚的に言うだけでは説得力がありません。必要なのは事実であり、数字です。
ここで僕が紹介するのは「1度のコンタクトにおけるゲインメーター」という数値です。



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