相手との関係性の中でプレーをしていた田中史朗、「何をしてくるかわからない」と思わせるチームに−SHOTA'S CHECK−Vol3 | ラグビージャパン365

相手との関係性の中でプレーをしていた田中史朗、「何をしてくるかわからない」と思わせるチームに−SHOTA'S CHECK−Vol3

2015/08/24

解説●後藤翔太 構成●大友信彦


日本はウルグアイに勝ち、テストマッチの連敗を3で止めました。
30−8。スコアの上では快勝でした。しかし、コメントするのが難しい試合だったな、というのが正直な感想です。

ゲームとして正直、面白くなかった。相手との関係性でプレーを選択しているように思えたのは、フミアキと藤田。

2005年ウルグアイ戦の日本代表。後列左から2人目が後藤

2005年ウルグアイ戦の日本代表。後列左から2人目が後藤


ウルグアイは、僕にとっては初キャップの相手です。2005年の南米遠征で、僕は村田亙さんとの交代で後半の途中から試合に入りました。ただ、そのときの記憶はほとんどないんです。別に頭を打ったわけでもなんでもないんですが。あのときは、はじめてフランス人のコーチ(ジャンピエール・エリサルド、後の日本代表ヘッドコーチ)がチームについて、いろいろなアイデアをチームに与えてもらったけれど、チームとしてどう戦うということはあまり確立していなかったような、おぼろげな記憶があります。ただ、ウルグアイは単純に言って個々が強くて、正直、勝てる気はしなかった。そのときと比べたら、日本代表の力はめちゃめちゃ上がっているし、メディアもファンも要求が高くなっているな、ということは感じます。

気温28度、湿度78%の条件下でボールを動かした結果、日本代表のハンドリングエラーは80分を通して10におよんだ。

気温28度、湿度78%の条件下でボールを動かした結果、日本代表のハンドリングエラーは80分を通して10におよんだ。


今回の試合を見ていて、多くの人が思ったのは「ハンドリングエラーが多い」ということでしょう。もちろんそうなのですが、今回の日本代表は、ボールがあまりにも滑るという条件でありながら、それに応じたゲームプランで臨まなかったわけです。このコンディションで、これがワールドカップの試合なら、自陣からはもっとキックを使うとか、オプションは変わってくるはずですが、この日のジャパンはそうしなかった。ワールドカップに向けたセレクションという位置づけの中で、求められているプレーをどう遂行するかに専念していたのだと思います。

僕自身は、ラグビーは駆け引きのスポーツだと思っているので、そういう要素があまり見られなかった試合は、あえてやっていたことは理解するけれど、ゲームとして正直面白くなかった。

そんな中で感じたのは、フミアキ(SH田中史朗)はやっぱり違うな、ということです。

 

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