NZラグビーのレベルの高さを見せつけたインターアイランドマッチ 日本でもラグビーを再起動させた、釜石&ヤマハに感謝。 | ラグビージャパン365

NZラグビーのレベルの高さを見せつけたインターアイランドマッチ 日本でもラグビーを再起動させた、釜石&ヤマハに感謝。

2020/09/08

文●大西将太郎 構成●大友信彦


将太郎です。
この週末は、素晴らしい試合を解説させていただきました。
ニュージーランドの北島vs南島のインターアイランドマッチです。
昨年のワールドカップで、たくさんの方がラグビーに興味を持ってくださったときに、コロナによって世界中のスポーツがストップしてしまった。その中で、ニュージーランドではいちはやくラグビーを再開して、スーパーラグビー・アオテアロアでレベルの高い試合を世界に発信してくれて、その上でこの歴史あるインターアイランドマッチを実現してくれた。

北島のメンバーをみて「これ、まんまオールブラックスやん」と思って、南島のメンバーを見たら「これもオールブラックスやん」と思ったくらいの豪華メンバーで、実際の試合も本当に素晴らしい内容で、テレビで見た方にも十分楽しんでいただけたと思います。

この試合は当初は8月29日にオークランドのイーデンパークで行われる予定でした。それが、オークランドからコロナの感染再拡大が出た影響で1週間延期され、場所もウエリントンのスカイスタジアムで、それも無観客での開催へと変わったけれど、試合を開催できた。ニュージーランドでは、日本とは比べものにならないくらいの少ない感染者でもロックダウンして、感染者ゼロを目指していますが、その状況でもスポーツをやっていこう、ラグビーをやっていこうと世界に向けて発信してくれた。

これにはラグビーに携わるひとりとして本当に感謝しています。そして、日本はこれからどうしていくべきかという点でも参考になると思います。現状では、国境をまたいでラグビーの試合をすることは考えにくいけれど、それなら何ができるか。もちろんニュージーランドは国内に世界レベルのチームがたくさんあり、素晴らしい選手が揃っているという特別な環境ではありますが、自分たちからラグビーの価値を高めよう、社会に向けて発信して、国にとって必要な存在になっていこうという決意と実行力を強く感じました。

日本も、来年度には新リーグを発足させる予定です。現在はコロナ禍の中で、ほとんど情報が発信されていないのは残念な限りですが、今回のニュージーランドの取り組みからは学べることがたくさんあったと思います。
だからこそ、フランスTOP14のクレルモンに移籍した松島幸太朗が、開幕戦の先発メンバーに入って活躍したことは、本当に嬉しいです! フランス1部リーグの開幕戦に先発で出場して、最初のボールタッチで素晴らしいラインブレイク、ハーフウェーから敵陣22mラインまでゲインして、先制PGの起点を作りました。ラグビーのニュースがない日本に向けて、本当に良いニュースを届けてくれた。快挙だと思う。心からおめでとうございますと言いたいです。この試合では開始15分で足を痛めて退場してしまいましたが、早く治して、また活躍して、毎週月曜日のニュースでは松島の活躍が紹介される。そんな日常がきてほしいです。

話をニュージーランドに戻します。
戻しますが……このレベルになると、どの選手のどのプレーが素晴らしかったと言うのも難しいですね。素晴らしいプレーが本当に多い。多すぎる。それぞれの選手が、自分の持ち味、良さをしっかりとアピールしながら、チームプレーに徹してしっかりと周りの選手を活かしている。
「どのポジションは誰がいいか?」という議論にとどまらず、「どこと戦うには/どんな戦いをするには誰がいいか?」を考えたくもなりますが、ほとんどの選手は、このコンバインドチームであってもディフェンスもしっかりやってチームに貢献する。アタックだけ、ディフェンスだけ、自分の得意なプレーだけ、という選手はいない。みんな、レベルの高い対応力をみせつけていた。

 

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