日本代表のワールドカップが終了しました。南ア撃破に始まる日本代表の活躍で、日本におけるラグビーの位置は、ワールドカップ以前とはまったく違うものになりました。
「エディージャパンの4年間」でアメリカと戦った
すべてのラグビー選手、コーチは刺激を受けたし、あらゆる言い訳は成立しなくなりました。選手たちは日本中からあこがれられる存在になりました。追手門学院の女子選手たちの中にも、「五郎丸さんに会いたい」と言っている選手がいるほどです(もちろん動機はラグビーの指導、キックの指導を受けたい、聞きたい……のだと信じています)。
では、日本にとって今回のワールドカップで最後の試合となったアメリカ戦を振り返ってみます。
これまでのワールドカップの3試合、南アフリカ戦、スコットランド戦、サモア戦と、今回のアメリカ戦とでは、僕は違う印象を受けました。これまでの3試合は、エディージャパンが4年間積み上げてきたものの上に、相手に応じた戦術をエッセンスとして加えて戦いに臨んでいたという印象があったのですが、今回のアメリカ戦はちょっと違う。普通に戦ったというか、4年間積み上げてきたもの、喩えて言えば「エディージャパンの4年間」でアメリカと戦ったという印象を受けました。
アメリカのどんな強みを消すためにどんなディフェンスをしたとか、どの弱みを突くためにこんなアタックをしたとか、そういう対アメリカを想定した特別な要素を感じなかったんです。日本がこれまでやってきたベースの部分、つまりスクラムはかちっと組む。ラインアウトは相手が並ぶ前に投げ入れる。アタックではシェイプを整える。そういう、エディージャパンが一貫して取り組んできた戦い方のベースをひたむきに遂行している感じだった。