身体がはっきりと大きくなっていた。
9月13日、明大八幡山グラウンドで行われた明大と慶大の「試合形式の合同練習」。慶大のFBでプレーしたのが、世代最高の才能の一人と呼ばれる山田響(やまだ・ひびき)だ。
2018年10月、アルゼンチンのブエノスアイレスで行われ、銅メダルを獲得したユースオリンピックで、大学1年生を中心に編成された日本代表に最年少の高校2年で抜擢され、相手防御を切り裂くランに、走り込む味方の腕に正確に届けるキックに大活躍。
高2の花園では優勝を飾った大阪桐蔭戦との準々決勝で圧巻の70m独走トライ。高校日本代表にも選出。高3の花園では初戦の山形中央戦で前半のみの出場ながら2トライ10コンバージョンの30得点。大会新記録となる162-5の爆勝にチームを導いた。2回戦では國學院栃木に12-14で競り負けたがこの試合でも1トライ1コンバージョン。花園後の2月には、東京五輪に向けたセブンズ・デベロップメントスコッド合宿にもトレーニングメンバーとして招集され、シニアメンバーと身体をあてた。
それから約半年、山田響は大学1年の夏を迎えていた。コロナによる沈黙を経て、身体は見るからに大きくなっていた。それを問うと山田は笑った。