東京2020男女セブンズ日本代表総括会見レポート-男女両HCが退任。明確な方向性がないまま新体制へ託す | ラグビージャパン365

東京2020男女セブンズ日本代表総括会見レポート-男女両HCが退任。明確な方向性がないまま新体制へ託す

2021/08/11

文●編集部


8月11日(水)、16時からオンラインで東京五輪における男女セブンズ日本代表の総括会見が行われた。登壇者は男女セブンズナショナルチームディレクターの本城和彦氏、男子セブンズ日本代表ヘッドコーチの岩渕健輔氏、女子セブンズ日本代表ヘッドコーチのハレ・マキリ氏の3人。

なお会見前に3人退任が発表された。本城和彦男女セブンズナショナルチームディレクター(NTD)は強化体制刷新のため、岩渕ヘッドコーチ(HC)とマキリHCの2人は任期満了のためとのこと。

今後の新体制につきましては、会議体「次期ヘッドコーチ選考会議(議長:森重隆会長)」を設置し、HC(ヘッドコーチ)推薦候補者を選考、理事会審議を経て、決定次第公表するとのこと。男女セブンズ代表は9月意向に活動の再開を予定しており、新体制への移行期間には現行のスタッフの中からヘッドコーチ代行を立て、男女セブンズ日本代表の強化活動を継続するという。

「1年間の延期は厳しい結果に向いた」本城和彦男女セブンズナショナルチームディレクター

冒頭、本城NTDは東京五輪の男女のセブンズ日本代表の総括として下記のように述べた。


「男女セブンズ代表に期待を寄せてご声援、ご支援、ご協力をいただいたすべてのみなさんに感謝すると同時に、大変申し訳ない結果となり、みなさんをがっかりさせてしまい心からお詫びしたいと思います。この責任に関して強く重く受け止めています。

選手、スタッフはチームの目標達成に関してはもちろんのこと、セブンズの発展やラグビーという競技をさらに盛り上げていくために、日々ベストを尽くしてくれました。選手、スタッフのこれまでの身を削る努力や流した汗を否定するものは一つもなく、本当にいろんなことを犠牲にしてよく頑張ってくれました。心からお疲れさまと言いたいです。

協会内のレビューはまだ続いているが、この5年の取り組みを中心に総括したいと思います。まず男女共通して正直なところを申し上げると(東京五輪の)1年間の延期は厳しい結果に向いたと思います。男女ともに現場は知恵を絞り、工夫をして実戦経験の機会も作ったが、ただでさえ国際経験の厳しい私たちにとって本番に向けてベストなパフォーマンスをするコンディショニングは難しかった。男子が最後に戦った国際大会は2020年3月、女子は2020年2月。男女ともに、その後の昇格大会やいくつかのワールドシリーズ(WS)を経て、オリンピックに臨んでいたとしたら結果も少し違うものになっていたかなと素直に思います。

男子はメダル獲得を目標に岩渕HCが緻密に周到な準備をして大会に臨んでくれました。(男子の)大会総括としては初戦のフィジー戦、2戦目英国戦の最初のキックオフがすべてだったと私も思います。フィジー戦は最後に勝利を手にする流れを手にしましたが、自ら失ってしまった。英国戦はコンテストに競り勝ちながらも不運にもそのボールを手にすることができなかった。セブンズがセンシティブな競技ながら、日本チームはナイーブな面ばかり出て最後まで修正できなかった。そのナイーブ面を変えることも含めて、この5年間、地力を上げることに取り組んできたことは事実だが、そこに至らなかった。

地力を上げていくための取り組みの一つは極めてシンプルですが、代表チームの活動日数を増やすこと。この5年間の年間活動平均日数はリオ五輪前の平均を42日上回る164日で、2019年は231日を数えました。強化拠点の整備も進みました。そしてもう一つの取り組みはセブンズの専門性が高まっていく中で、セブンズ専任の選手を増やすことです。セレクションとの兼ね合いもあるので、より詳細に見ていく必要がありますが、2020年12月に発表した第3次オリンピックスコッド20名に照らし合わせてみると2017年7名、2018年11名、2019年13名がほぼ選任で、20年、21年は20名がほぼ専任でプレーし、(この5年間にわたり)7名がほぼ専任でプレーしてくれたことになります。

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