大学女子7人制ラグビーフットボール交流大会2018フォトレポート | Rugby Japan 365

大学女子7人制ラグビーフットボール交流大会2018フォトレポート

2018/07/05

文●大友信彦


6月30日(土)〜7月1日(日)の2日間、埼玉県熊谷市の立正大学グラウンドで「大学女子7人制ラグビーフットボール交流大会〜Women’s College Sevens 2018」が開催された。

この大会は「女子ラグビーの普及・発展を目指すとともに、2020年の東京五輪で活躍が期待される世代である大学生プレーヤーの競技力向上を目標とし、全国レベルでの交流・育成を推し進めることを目的に」(日本協会HPより)開催。

2014年に追手門学院大で第1回が開催され、昨年からは開催地を立正大に移して行われている。

国内では太陽生命ウィメンズセブンズシリーズの各チームにNZなどの外国人選手が大量に加入するなど年々レベルをあげている。高校生は選抜大会がなくなったものの、サニックスワールドユース、夏のコベルコ杯、冬の花園の15人制を含めて大会が数多く組まれているが、大学は上位チーム&トップ選手は太陽生命シリーズに参戦しているものの、それ以外の選手は試合の機会が多くなかった。この大会は「将来的には男子の大学選手権に相当する大会に育てていきたい」(関係者)という構想で創設された。

 

出場チーム(10チーム)

【プールA】

・日本体育大学ラグビー部女子
・九州選抜
・八戸学院大学女子ラグビー部・ブレイヴルーブ
・立正大学
・千葉県大学連合


【プールB】

・神戸RYUKA
・横河武蔵野アルテミスターズ
・四国大学女子7人制ラグビー部
・RKU龍ヶ崎グレース
・追手門学院大学女子ラグビー部VENUS

このうち、完全な単独チームは日体大と追手門学院大、四国大のみ。

立正大はアルカス熊谷に参加している、流経大(RKU)はグレースに参加している他校の選手も参加。サクラフィフティーンの小西想羅(青学大1年)、加藤幸子(早大1年)らが大量加入し注目される横河武蔵野アルテミスターズもメンバーが足りず、RKUグレースから選手2人を借りて参戦した。

八戸学院大はメンバーが7人しかいないため、ブレイヴルーヴの児玉沙葵(法大2年)ら大学生選手4人と合同チームを結成。神戸RYUKAも流通科学大だけではなく、近畿地区の複数大学の選手を含む布陣で参戦。千葉大学連合は麗澤大、国際武道大の選手たちと千葉ペガサス所属選手で、九州選抜も九州産業大に九大、九共大、東亜大などの選手が参加した。

初日のプール戦は5チームずつ2プールに分かれ、各チームはそれぞれプール内の2チームと対戦。対戦相手はイコールではないが、プール戦の勝敗と得失点差でプール順位を決め、翌日は上位6チーム(各組3位まで)がカップトーナメントへ、下位4チーム(各組4位以下)がチャレンジトーナメント(7〜10位決定戦)に進むというフォーマットで行われた。

第1日目の成績は以下の通り。

【プールA】
日体大 70-7 九州選抜

立正大 39-5 千葉連合

八戸学院大 24-14 九州選抜

日体大 45-7 千葉連合

 

立正大 50-0 八戸学院大

[順位]①日体大 ②立正大 ③八戸学院大 ④千葉連合 ⑤九州選抜

【プールB】
横河武蔵野 34-5 神戸RYUKA

追手門学院 33-7 RKUグレース

横河武蔵野 22-7 四国大

 

追手門学院 51-0 神戸RYUKA

RKUグレース 24-5 四国大

[順位]①追手門学院 ②横河武蔵野 ③RKUグレース ④四国大 ⑤神戸RYUKA

日体大は115得点、14失点 得失差+101、日体大は「このコンディションで、2日目に3試合やりたくない。得失点差勝負を見込んで、大量点を取りに行きました」と古賀HC。
2位立正大は89得点、5失点の+84、その差は17点、つまりワンチャンス強で勝負が入れ替わる接戦だった。

プールBは追手門が84得点7失点の+74、横河が56得点12失点の+44だった。

そして迎えた2日目。
カップ準々決勝では、横河が杉江朋香主将(法大3年)、幅野真子(流経大2年)が2トライずつをあげるなど、43−0で八戸学院大に圧勝。

もう1試合は立正大が、三枝千晃(文教大4年)と黒木理帆(立正大2年)が2トライをあげるなど32−0でRKUグレースを破った。

 

 

続いて行われた準決勝では、各組1位通過の2チームが登場。A組1位の日体大は横河武蔵野と対戦、前半3分に1年生WTB小島碧優のトライで先制。横河も杉江朋香(法大3年)がトライを返すが、日体大は名倉ひなの(4年)がトライを加え前半を14−5とリード。

後半も伊藤優希(4年)、さらに小島がこの試合2本目のトライを重ねて26−5とし、勝負を決めた。横河は終了直前、小西想羅が豪快なハンドオフで相手をなぎ倒して前進、最後は加藤幸子につなぎ、一矢報いるトライを返す。試合は26−12で日体大が制したが、横河も改めてポテンシャルを実証した。

準決勝もう1試合は追手門学院と立正大が対戦。
準々決勝からの連戦となった立正大は、前半3分に古田真菜(3年)、同6分に黒木理帆(2年)がトライ。黒川碧(3年)がコンバージョンをともに決め、前半を14−0とリードした。

後半は2分、追手門がエース高木愛実(2年)のゲインを起点に藤﨑春菜主将が1トライを返したものの、終了直前、立正大の藪内あゆみ(4年)がキックチェイスで突き放しのトライを奪い、立正大が21−7で勝利した。

決勝は日体大と立正大の関東対決

日体大と立正大、関東勢同士となった決勝は、気温35度、人工芝の上は40度を超えていそうな灼熱のコンディションでキックオフ。

前半2分、立正は古田真菜(3年)のトライで先制。黒川碧(3年)のコンバージョンも決まり7点をリードするが、日体大は5分、自陣ゴール前からカウンターに出た名倉ひなの(4年)が約70mを独走してトライ。

7分には独走しかけた立正・三枝(文教大4年)を日体大の高崎真那が捕まえ、タッチへ引きずり出す。三枝が苦し紛れにフィールドに戻したボールを掴んだのが、サポートに駆けつけた日体大の清水麻有(3年)だった。

清水はボールを奪うと反転してそのまま約50mを独走トライ。日体大が12−7とリードして折り返す。

日体大は後半も3分、清水が得意の細かいステップから相手ディフェンスをブレイクして約60mを走り抜ける鮮やかなトライ。後半から入った山本実主将(4年)のコンバージョンで19-7までリードを広げると、5分にはこちらも後半登場の柏木那月(2年)が猛然と突進。

相手タックルを受けながら前に出てボールを活かすと、そこから抜け出た永井彩乃(3年)が50mを豪快に走り抜けてトライ。山本のコンバージョンも決まり26-7までリードを広げる。

しかし立正も諦めない。6分、今大会主将を務める佐藤優(4年)が、周りに目を配り、指さししながら相手ディフェンスを幻惑して自らインゴールに走り込みトライ。灼熱のコンディションにどのチームも悲鳴を上げる中、さすがは熊谷を本拠とするホストチーム。日体大よりも1試合多いこの日3試合目ながら、終盤に猛反撃をみせ、ロスタイムのキックオフも古田真菜が捕りそのまま相手ディフェンスを振り払ってトライ。敗れたものの26-17まで追い上げ、意地をみせた。どの選手も「平気です」と平然と話していたのが印象的だった。

 

3位決定戦・追手門対横河

3位決定戦は、追手門学院大が、この大会最多の8トライをあげたエース高木愛実(2年)の2トライ、さらに堀毛咲良(1年)、藤﨑春菜主将(4年)がトライをあげ、26−0と横河を大きくリード。

横河はタイムアップのホーンが鳴った後のラストアタックで加藤幸子(早大1年)、小西想羅(青学大1年)のパワフルランナーが力強く前進しながらパスをつなぎ、抜けだした内野寛子(東京学芸大3年)が意地のトライを返し、零封を免れた。

 

5位決定戦・RKU龍ケ崎グレースが接戦を制し、八戸学院大とブレイヴルーブの混成チームに勝利

5位決定戦は、青森県から参戦した八戸学院大とブレイヴルーブの混成軍がRKU龍ヶ崎グレースを相手に健闘。前半、熊谷彩夏(八戸学院大2年)、鈴木佳寿音(同)、山田優希美(同1年)のトライで17-12とリード。

グレースも前半、須田澪奈(流経大2年)、高橋朝香主将(筑波大4年)がトライを重ね、後半1分川村雅未(流経大1年)のトライで同点に追いつき、大塚朱紗(同)のコンバージョンで勝ち越し。19-17で接戦を制した。

チャレンジトーナメント

千葉連合29−5神戸RYUKA

四国大33−0九州選抜

 

7位決定戦・四国大がサヨナラ勝ち!

決勝(7位決定戦)の千葉vs四国大は、前半6分、四国が井上藍主将(1年)のトライ、斉藤琴音(1年)のゴールで7点を先行。千葉も7分、ピート染谷瑛海(千葉ペガサス/東京理科大1年)のトライと内山由羅(国際武道大1年)のゴールで7−7の同点に。

後半は猛烈さを一気に増した熱気のもと、互いに集中さえ難しいコンディションとなり、互いにスコアレス、7−7の同点でタイムアップとなり、サドンデスの延長戦の末、四国大が大村瑠奈(1年)のトライでサヨナラ勝ちした。

四国大は今春設立したばかりの新興チームだが、昨季の石見智翠館主将として太陽生命シリーズを戦い、入替戦でNZ代表を並べたながとブルーエンジェルズを破り、花園U18では西軍主将を務めた井上藍主将のリーダーシップのもと、急激にチーム力をUP。今後注目チームとなりそうだ。

千葉は国際武道大と、こちらも新設されたばかりの麗澤大の選手たちに千葉ペガサス勢を加えた編成。太陽生命シリーズでも活躍し、SDS(セブンズ・デヴェロップメントスコッド)にも選ばれたピート染谷瑛海(東京理科大)は授業の関係で初日の第1試合には間に合わなかったが、合流するや再三ビッグゲインを披露。初日の日体大戦、自陣から蹴ったキックを自ら追い、ドリブルを重ね、倉持美知主将(麗澤大1年)のトライに繋げたビッグプレーはセンセーショナルだった。

 

9位決定戦九州選抜が神戸RYUKAに勝利

9位決定戦は、九州選抜と神戸RYUKAが対戦。
九州は伊礼門千紫(東亜大1年)のトライで先制。
神戸は木寺海空(京都女子大2年)、岡田恵梨香主将(流通科学大4年)の連続トライで12-7と逆転するが、九州は内野琴音(九州産大2年)がインゴールで相手DF2人をかわして中央に同点トライ。

友納菜々子(同1年)の逆転ゴールを呼ぶと、後半は迫田夢乃(同1年)が大爆発。1分に相手ノックオンを拾いカウンターアタックの独走で勝ち越しトライをあげると、直後にはトライ体勢に入った相手選手にタックルしてノックオンを誘い、そのスクラムから約80mを独走する豪快なトライ。九州は6分にも伊礼門がトライを加え、29-12の快勝で大会を終えた。



トライランク

1 高木愛実(追手門学院大)8T 
2 三枝千晃(立正大)  7T
3 小島碧優(日体大) 5T
  古田真菜(立正大) 5T
  黒木理帆(立正大) 5T
  安藤穂花(横河) 5T
7 清水麻有(日体大) 4T
  藪内あゆみ(立正大) 4T
  阿部 恵(立正大) 4T
  内野寛子(横河) 4T

得点ランク

1 藤﨑春菜 (追手門学院大) 42=4T11C
2 清水麻有 (日体大)  40=4T10C
  高木愛実 (追手門学院大) 40=8T
4 三枝千晃 (立正大) 35=7T
5 杉江朋香 (横河)  29=3T7C
6 小島碧優(日体大) 25=5T
  古田真菜(立正大) 25=5T
  黒木理帆(立正大) 25=5T
  安藤穂花(横河) 25=5T
10 黒川碧(立正大) 24=12C

 

大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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優勝:日体大

 

準優勝:立正大

 

3位:追手門

 

表彰を終えて、1-3位の全員集合

表彰を終えて、1-3位の全員集合

 

1-3位のキャプテン集合。左から2位立正大・佐藤優、1位日体大・山本実、3位追手門・藤﨑春菜

1-3位のキャプテン集合。左から2位立正大・佐藤優、1位日体大・山本実、3位追手門・藤﨑春菜

 

MVPを獲得した日体大の高崎真那

MVPを獲得した日体大の高崎真那

 

大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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