太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2017第4戦富士山裾野御殿場大会レビュー | Rugby Japan 365

太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2017第4戦富士山裾野御殿場大会レビュー

2017/11/14

文●大友信彦


太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2017最終戦となった第4戦、富士山裾野御殿場大会が11−12日、裾野市陸上競技場で行われた。

大会は、1次リーグ開幕戦で、シリーズポイント1位のアルカス熊谷がチャレンジチームに5−35で敗れたのを号令に、カラダファクトリーラガールセブンも初出場の三重パールズに15−17で、昨季の総合優勝チーム日体大女子も東京フェニックスに10−12で敗れるという大波乱の幕開け。

外国人選手を積極的に起用するディアナ、パールズ、ペガサスが躍進!

1次リーグでは3プールとも全勝チームがないという、4年間の大会史上例のない激戦となった。外国人選手を積極的に起用するディアナ、パールズ、ペガサスの躍進は、大会2日目のさらなる波乱を予想させた。

決勝トーナメント・カップ戦準々決勝 三重パールズ vs 横浜TKM

決勝トーナメント・カップ戦準々決勝 三重パールズ vs 横浜TKM

そして迎えた2日目の決勝トーナメント。
カップ戦準々決勝で熱戦になったのは三重パールズと横浜TKMの一戦だったが、パールズはサクラフィフティーン主将のFW齊藤聖奈がタッチ際を快走するなど力強いランを重ねて終始先行。TKMも、サクラフィフティーンの平野恵里子、司令塔の横山里菜子を軸にパールズの連携の穴をついて何度もビッグゲインを見せたが、無理な体勢でオフロードパスを試みてボールコントロールを失うなどチャンスを逃し、パールズが12−7で激戦を制した。

準々決勝 アルカス熊谷 vs 東京フェニックス 大黒田裕芽

準々決勝 アルカス熊谷 vs 東京フェニックス 大黒田裕芽

残る3試合は北海道ディアナと日体大女子、アルカス熊谷が4強進出。

三重パールズ-北海道ディアナ 相手DFを突破する三重のダールス

三重パールズ-北海道ディアナ 相手DFを突破する三重のダールス

続く準決勝は、まずパールズが伊藤絵美主将の2トライなど前半だけで4トライを奪って先行し、27−7で北海道ディアナに快勝。初出場での決勝進出は大会4年目で初めて。

準決勝もう1試合は、保土ヶ谷大会で決勝が中止となり、優勝をわけあった日体大とアルカスの対決。日体大が光月三智主将、鵜川志帆のトライで14点を先行すれば、アルカスは大黒田裕芽、山下果林のトライで14−14の同点に。

日体大-アルカス熊谷 トライを決め親指を立てる大黒田裕芽

日体大-アルカス熊谷 トライを決め親指を立てる大黒田裕芽

 

ロスタイムにサヨナラトライを決める日体大の立山由香里

ロスタイムにサヨナラトライを決める日体大の立山由香里

ホーンが鳴り、延長戦突入かと思われたが、日体大の立山由香里が相手ディフェンスをかわして抜けだしサヨナラトライ。21−14で死闘を制した。

決勝・パールズが初優勝をかけて日体大に挑戦

決勝 イーブンボールを奪い合う日体大の光月三智、パールズの伊藤絵美、両キャプテン

決勝 イーブンボールを奪い合う日体大の光月三智、パールズの伊藤絵美、両キャプテン

そして迎えた決勝はパールズが先行。

1分、ダールス・ジョージアが相手タックルをとびこえる豪快なトライで先制すると、次のキックオフをFW齊藤聖奈が捕ってそのまま敵陣侵入に成功し、ゴウルド・ラヴィニアがトライ。

相手タックルを飛び越えてトライを決めるパールズのダールス

相手タックルを飛び越えてトライを決めるパールズのダールス

12−0とリードしたパールズは、後半開始直後の日体大の猛攻をしのぐと相手ゴール前に攻め込み、ラインアウトからゴウルドがループしてDFを釣った内側に大島千佳が走り込みトライ。

日体大もそこから反撃し、5分に神田七海がトライを返すが、パールズは6分にキド・タレイが突き放しのトライ。日体大はロスタイムも攻め続け、松尾綺子がトライを返すが、スコアは22−12。

終了直前、日体大の松尾綺子がトライを返す

終了直前、日体大の松尾綺子がトライを返す

パールズが初出場初優勝を飾った。

優勝を決め、喜ぶパールズ

優勝を決め、喜ぶパールズ

保土ヶ谷大会から裾野大会までの2週間、サクラセブンズの中心選手として期待されるアルカスの中村知春、日体大の清水麻有、堤ほの花らは、JSCの次世代オリンピアン育成プログラムで渡米、米国でほぼ10日間休みなしのS&Cプログラムを消化。ハードワークを重ねた上で、長時間のフライトで裾野大会2日前に帰国していた。

MVPに選ばれたのはパールズ主将の伊藤絵美

MVPに選ばれたのはパールズ主将の伊藤絵美

中村知春や平野優芽ら数人はそのままチームに合流して出場したが、プレーには疲労感が覗いた。また、清水と堤は15人制も含めた1年間全体の負荷を考慮して欠場。1年間のシリーズの最終成績を決める大会に、日本の女子ラグビーを担う中心選手がいい状態で臨めなかったのは残念だった。

 

パールズは表彰式に続いて記虎敏和監督を胴上げ

パールズは表彰式に続いて記虎敏和監督を胴上げ

 

年間優勝は2年ぶりにアルカス熊谷

会場を移して行われた年間表彰式で、2年ぶり総合優勝の表彰を受けるアルカス熊谷

会場を移して行われた年間表彰式で、2年ぶり総合優勝の表彰を受けるアルカス熊谷

優勝 アルカス熊谷 (75)
準優勝 日本体育大学ラグビー部女子 (71)
3位 東京フェニックスRC (51)
4位 北海道バーバリアンズディアナ (43)
5位 追手門学院女子ラグビー部VENUS (39)
6位 YOKOHAMA TKM (38)
7位 カ・ラ・ダファクトリーRugirl-7 (32)
8位 千葉ペガサス (28)
9位 チャレンジチーム (27)
10位 RKU ラグビー龍ケ崎GRACE (20)
11位 三重パールズ(第4戦招待) (20)
12位 石見智翠館高等学校 (9)
13位 Rugirl-7 WEST(第3戦招待) (1)
14位 自衛隊体育学校(第1戦招待) (1)
15位 名古屋レディース(第2戦招待) (1)

トロフィーを掲げるゲーム主将のライチェル海遥(左)とチーム主将の山中美緒(右)

トロフィーを掲げるゲーム主将のライチェル海遥(左)とチーム主将の山中美緒(右)

 

年間MVPを受賞したのはアルカス熊谷の中村知春

年間MVPを受賞したのはアルカス熊谷の中村知春

 

ギャラリー

カラダラガールセブン vs 龍ヶ崎グレース 加藤あかり(カラダラガールセブン)

カラダラガールセブン vs 龍ヶ崎グレース 加藤あかり(カラダラガールセブン)

 

原仁以奈(ラガールセブン)をダブルタックルで止めるグレース

原仁以奈(ラガールセブン)をダブルタックルで止めるグレース

 

鈴木彩夏(グレース)が平野優芽(ラガール)を振り切りトライ

鈴木彩夏(グレース)が平野優芽(ラガール)を振り切りトライ

 

チャレンジ-石見智翠館、松田凜日(チャレンジ)の豪快な突破

チャレンジ-石見智翠館、松田凜日(チャレンジ)の豪快な突破

 

横浜TKM-追手門 TKM平野を4人がかりで止める追手門

横浜TKM-追手門 TKM平野を4人がかりで止める追手門

 

千葉ペガサスと東京フェニックスの姉妹対決、突破を計るペガサスのピート染谷瑛海

千葉ペガサスと東京フェニックスの姉妹対決、突破を計るペガサスのピート染谷瑛海

 

龍ヶ崎グレース-石見智翠館 トライを決めるグレースの鹿尾みなみ

龍ヶ崎グレース-石見智翠館 トライを決めるグレースの鹿尾みなみ

 

石見智翠館の原わか花はこの大会でも2トライ。4大会合計21トライ105得点、トライ王と得点王の2冠を達成した。

石見智翠館の原わか花はこの大会でも2トライ。4大会合計21トライ105得点、トライ王と得点王の2冠を達成した。

 

チャレンジ-ラガールセブン、チャレンジ小西想羅のパワフルな突進。実はラガールセブン所属でもある

チャレンジ-ラガールセブン、チャレンジ小西想羅のパワフルな突進。実はラガールセブン所属でもある

 

横浜TKMと東京フェニックスの5位決定戦は延長にもつれこむ熱戦となった

横浜TKMと東京フェニックスの5位決定戦は延長にもつれこむ熱戦となった

 

アルカス熊谷-北海道ディアナ 北海道ディアナ岡村を振り切り快走するアルカス長田いろは

アルカス熊谷-北海道ディアナ 北海道ディアナ岡村を振り切り快走するアルカス長田いろは

 

同 前大会まではチャレンジで出場、今大会はアルカスで出場した山下果林は2日間で5トライを決める活躍

同 前大会まではチャレンジで出場、今大会はアルカスで出場した山下果林は2日間で5トライを決める活躍

 

後半、アルカス大黒田裕芽のキックを中村知春が必死に追走。デッドボールラインぎりぎりまで追ったが、惜しくもトライならず

後半、アルカス大黒田裕芽のキックを中村知春が必死に追走。デッドボールラインぎりぎりまで追ったが、惜しくもトライならず

 

キャプテンズフォト

左から
三重パールズ 伊藤絵美
石見智翠館 吉田萌香
龍ヶ崎グレース 鈴木彩夏
追手門ヴィーナス 中美咲
東京フェニックス 鈴木実沙紀
日体大女子 光月三智
アルカス熊谷 ライチェル海遥
カラダラガールセブン 田中彩子
横浜TKM 平野恵里子
チャレンジチーム 田中笑伊
北海道ディアナ 山あずさ
千葉ペガサス 松永美穂

年間優勝  アルカス熊谷 (75)

年間優勝 アルカス熊谷 (75)

 

年間準優勝  日本体育大学ラグビー部女子 (71)

年間準優勝 日本体育大学ラグビー部女子 (71)

 

年間3位  東京フェニックスRC (51)

年間3位 東京フェニックスRC (51)

 

年間4位  北海道バーバリアンズディアナ (43)

年間4位 北海道バーバリアンズディアナ (43)

 

年間5位  追手門学院女子ラグビー部VENUS (39)

年間5位 追手門学院女子ラグビー部VENUS (39)

 

年間6位  YOKOHAMA TKM (38)

年間6位 YOKOHAMA TKM (38)

 

年間7位  カ・ラ・ダファクトリーRugirl-7 (32)

年間7位 カ・ラ・ダファクトリーRugirl-7 (32)

 

年間8位  千葉ペガサス (28)

年間8位 千葉ペガサス (28)

 

年間9位  チャレンジチーム (27)

年間9位 チャレンジチーム (27)

 

年間10位  RKU ラグビー龍ケ崎GRACE (20)

年間10位 RKU ラグビー龍ケ崎GRACE (20)

 

年間11位  三重パールズ(第4戦招待) (20)

年間11位 三重パールズ(第4戦招待) (20)

 

年間12位  石見智翠館高等学校 (9)

年間12位 石見智翠館高等学校 (9)

 

レフェリー

レフェリー

 

大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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