太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2019・富士山裾野御殿場大会メンバー発表、各プールの展望 | ラグビージャパン365

太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2019・富士山裾野御殿場大会メンバー発表、各プールの展望

2019/06/27

文●大友信彦


太陽生命ウィメンズセブンズ2019第4戦富士山裾野御殿場大会は、29-30日の2日間、静岡県の裾野市運動公園陸上競技場で行われる。
大会の見所、注目選手を紹介する。

シリーズチャンピオンに向け優位に立つ、ながと。アルカス、パールズはカップ戦優勝が必須条件。

鈴鹿大会優勝でシリーズチャンピオンが間近に見えた、ながとブルーエンジェルス。カップ戦進出し準決勝で勝利すれば総合優勝が決まる。

鈴鹿大会優勝でシリーズチャンピオンが間近に見えた、ながとブルーエンジェルス。カップ戦進出し準決勝で勝利すれば総合優勝が決まる。

まず、今季の太陽生命シリーズ3大会終了時点の総合順位をおさらいしておく。(丸数字は今季の大会数、次の数字が大会ごとの獲得ポイント)


1位 ながとブルーエンジェルス 56 ①20 ②16 ③20
2位 アルカス熊谷 50 ①16 ②18 ③16
3位 三重パールズ 48 ①14 ②20 ③14
4位 東京山九フェニックス 36 ①12 ②12 ③12
5位 YOKOHAMA TKM 34 ①18 ②8 ③8
5位 RKU龍ヶ崎グレース 34 ①10 ②14 ③10
7位 日本体育大 26 ①2 ②6 ③18
8位 北海道ディアナ 20 ①4 ②10 ③6
9位 追手門学院VENUS 14 ①8 ②3 ③3
9位 自衛隊体育学校PTS 14 ①6 ②4 ③4
11位 横河武蔵野アルテミスターズ 7 ①3 ②2 ③2
12位 チャレンジチーム 3 ①1 ②1 ③1

3大会を終え、総合ポイントで首位に立っているのはながとブルーエンジェルスだ。今季第1戦の秋田大会で初優勝を飾ってブレイクスルー。東京大会では準決勝で敗れたが3位決定戦にはしぶとく勝利。鈴鹿大会では昨季女王の日体大に競り勝ち2度目の優勝を飾った。

2位アルカスとの勝ち点差は6。アルカスが裾野で優勝した場合、勝ち点は20加えて70になる。ながとがこれを上回るには15点が必要なので、3位(16点)でOKだ。言い換えると、ながとはカップ戦に勝ち進んで準決勝に勝てば、その時点で総合優勝が決まる。

現在3位の三重パールズは、裾野大会で優勝して勝ち点を68に伸ばし、ながとが勝ち点10以下(6位以下)、アルカスが同16以下(3位以下)になることが必要だ(それ以外にも、各チームがもっと下位になった場合も条件を満たすことは可能性としてはありうるが、現実的ではないだろう…)。

と書くと、今季は3チームが他チームを引き離して独走しているという印象を持たれるかもしれないが、実態はそうでもない。各大会の決勝だけを見ても、秋田大会では横浜TKMがながとに、東京大会ではアルカスが三重に、鈴鹿大会では日体大がながとに、すべて終盤まで勝負の行方がわからない激戦を演じた。鈴鹿大会のプール戦では、優勝したながとと東京山九フェニックスが激戦の末、フェニックスがラストプレーで追いつきドローだった。3大会決勝3試合に複数回登場したのは2度優勝のながとだけで、あとはすべて違う顔ぶれということも、今季の実力伯仲ぶりを物語る。


富士山裾野御殿場大会の組み分けと登録選手、展望をお届けする。
【注】登録メンバーの◎は主将、★は前回鈴鹿大会では登録されなかった選手

プールA展望

ニア・トリバー(北海道ディアナ)

ニア・トリバー(北海道ディアナ)

[ながとブルーエンジェルス]

ヴァイネ・グレイグ
リナ・パラオネ
藤﨑春菜
タイシャ・イケナシオ
冨田真紀子★
坪井美月
小野ゆき
シャネイ・スィソルカ
辰巳裕有希
藤埜瑳紀
アリス・グレゴリー
◎ヘーゼル・トゥビック


[東京山九フェニックス]

◎カーステン・レベッカ
ポール・メレランギ
上運天あかり
鈴木実沙紀★
辰巳千亜希★
山田 怜
ポーリ・レン・ケイラマリタ
倉持美知
増田 結★
福島わさな
笠原きらら
ハーヴィー・マガリ


[北海道バーバリアンズディアナ]

リナ・ミチェル★
小笹知美
ニア・トリバー
押切麻李亜★
レネー・ホームズ
吉田ジェイド
佐藤 優
◎ヒューズシェアリィ
ケイリン・タキティムコック
木村あや
清水 茜
磯貝美加紗


[追手門学院VENUS]

木下由美
土井望愛
◎阪本結花
高木愛実
堀毛咲良
小林詩波
福岡花恋
増井茜
中島楓華★
金芳 歩
武田乙華


前回のプール戦で死闘ドローを演じたながととフェニックスが再び同組となり、初日の最終戦で対戦する。優勝を狙うには1位通過しておきたいところだ。
ながとは過去3大会でMVP級の働きをみせていた藪内あゆみが、フェニックスはエースの原わか花と岡田はるながユニバ遠征に参加して今大会を欠場するが、ながとは冨田真紀子、フェニックスは鈴木実沙紀という攻守の柱が、ともに秋田大会以来3大会ぶりで復帰するのが明るい材料だ。15人制男子の前回2015年ワールドカップで活躍したSO小野晃征の妹・小野ゆきは今季、サクラフィフティーンのスコッド入り。実戦的な能力をアピールしてくれそうだ。

北海道ディアナも3大会終了時点で25トライ125得点、トライ王と得点王の2冠でトップに立つニア・トリバーを中心に爆発力を持ちも侮れない。今季初登録の押切麻李亜はボブスレー日本代表で世界選手権に出場したパワフルガールだ。
追手門は新崎麻未と室越香南をユニバーで欠くが、トライゲッターの高木愛実にボールを集めて上位進出を狙いたい。

展望・プールB

鈴鹿大会では決勝に進出した日体大女子。キャプテンの鵜川が戻り、今シーズン初優勝を狙う。

鈴鹿大会では決勝に進出した日体大女子。キャプテンの鵜川が戻り、今シーズン初優勝を狙う。

[日体大女子]

◎鵜川志帆★
岡野知佳★
永井彩乃
柏木那月
小林花奈子
高崎真那
中山潮音★
秋山歩花★
古屋みず希
細川恭子
阿部純佳
吉田美結


[RKU龍ヶ崎グレース]

永岡 萌
幅野真子
森本里菜
大塚朱紗
内海春菜子
寺内美樹
鹿尾みなみ
一戸愛美★
須田澪奈
菅 萌絵
新井実來
大谷苑佳


[自衛隊体育学校PTS]

◎葛西杏奈
石井寿衣★
梶木真凛
平山 愛
宮守杏実
佐藤 都
伊藤 睦
岩渕彩花
沖野真妃
桑島彩花
古市 彩
星野 恵


[チャレンジ]

吉村乙華
吉本芽以
◎秋田若菜
内野琴音
笹田美海★
村田彩乃★
今釘小町
芳山彩未★
大内田夏月
岡田恵梨香
児玉沙葵
館林美帆★

昨季女王の日体大は、鈴鹿では今季3大会目で初めて4強入り、さらに決勝進出を果たした。前半の2大会では自信を失っているように見えたが、4年生が教育実習で軒並み欠場したことによる危機感で、チームは逆に結束。今季3大会目で初めて決勝まで勝ち進み優勝まであと一歩の戦いをみせた。今回は鈴鹿のメンバーから永田花菜が抜けたが、主将の鵜川志帆が戻り、戦術眼の光る秋山歩花が今季初めてメンバー入り。FW兼WTBで走り回る高崎真那、接点に強い柏木那月、鈴鹿大会で5トライの古屋みず希ら個々の能力は高く、今季初優勝は十分狙える。

そして同組には鈴鹿大会に続きRKU龍ヶ崎グレースが入った。グレースは、日体大には鈴鹿のプール初戦で当たり19-15で勝利。東京大会では準々決勝で対戦して20-14で勝っており、今季はグレースが2戦2勝だ。攻撃面では3大会得点ランク5位(89点)の内海春菜子、トライランク5位(15T)の鹿尾みなみが目立つが、光るのはチーム全員のディフェンス力だ。鈴鹿大会から3週間のインターバルで、どこまで進化しているかに注目だ。

自衛隊はケガで出遅れていた石井寿衣主将が今季初めてエントリー。昨年の裾野大会ではチャレンジチームの所属ながら大会トライ王に輝いたゲンのいい会場での復活。今季13トライの葛西杏奈、11トライの伊藤睦ら進境著しい若手との競演が楽しみだ。

チャレンジチームは過去3大会勝利なしで終わっているが、鈴鹿大会のプール戦ではアルカス、グレース、日体大という上位チームからすべてトライを奪うなどチームとして進化を続けている。3大会でチーム最多の4トライをあげている秋田若菜主将(佐野高2年)&岡田恵梨香(神戸RYUKA)、そしてオーストラリアに遠征するサクラフィフティーンに高校生から唯一選ばれた今釘小町(石見智翠館高3年)に注目だ。

展望・プールC

2017年大会で優勝した時のアルカス・山中美緒(右)。今季初登録となる。

2017年大会で優勝した時のアルカス・山中美緒(右)。今季初登録となる。

[アルカス熊谷]

ヘイブレム・コロリア・フェイス・ハコ★
ロコドゥナ・イヴァメレミッシェルデリリ
バティヴァカロロアテザ優海
山中美緒★
野田夢乃
本間美月
鈴木彩香
◎古田真菜
中澤佑衣★
阿部 恵
黒川 碧
公家明日香


[三重パールズ]

◎ジャンナ・ヴォーン
三輪里佳★
玉井希絵
庵奥里愛
山本 実
ジョージア・ダールズ
三谷咲月★
片嶋佑果
アビゲイル・ローチ
山中侑香★
末 結希
タレイ・キド


[YOKOHAMA TKM]

デイヴィッドソン・ベッキー
藤本麻依子
シャーロット・スキャラン
モロー・モーガン
松永美穂
鈴木育美
青柳双葉
新原 響
浜辺梨帆★
カーティス・サム
◎平野恵里子
シンプソン・アンエリザベス


[横河武蔵野アルテミスターズ]

加藤幸子★
小西想羅★
◎南 早紀★
杉江朋香
青木 蘭
津久井萌★
名倉ひなの
櫻井綾乃
小畑結依
増本京子
高木萌結★
齋藤亜里穂


2年ぶりの優勝と年間王座の奪回を狙うアルカスは、サクラセブンズ元主将の山中美緒が今季初めて登録された。絶好調のベテラン鈴木彩香、急成長のアテザ優海、攻守に高いワークレートを誇る古田真菜主将、エース本間美月とチームのバランスもいい。

アルカスに立ちはだかるのは、東京大会の決勝でアルカスに競り勝った三重パールズだ。裾野は2017年に大会初参加で初優勝、昨年は日体大を24-7の大差で破り2年連続優勝を飾ったゲンのいい会場だ。齋藤聖奈主将、東京大会MVPの保井沙予が負傷欠場するが、鈴鹿大会ではベテラン片嶋佑果が攻守に大活躍。今季初登場のSH山中侑香のゲームリードにも注目だ。

さらに第3バンドで入ってくるのが、秋田大会準優勝の横浜TKMだ。昨年オーストラリアに留学した平野恵里子主将は、時間をかけて経験を熟成させ、ワークレートの高さに加えて今季は1対1で抜くスキル、そこから走りきる力強さに進化をみせている。日体大から加入したSH兼WTB新原響の仕事量も光る。進化したシーズンに初優勝までたどり着く可能性も十分だ。


新昇格の横河武蔵野アルテミスターズは、3大会で10位-11位-11位となかなか壁を破れないが、今大会には頼もしい顔ぶれが帰ってくる。NZ留学でチームを離れていた小西想羅、加藤幸子、故障から復帰した津久井萌という19歳のサクラフィフティーントリオが、揃って今季初登場。さらに鈴鹿大会を欠場した18歳の司令塔・高木萌結も戻った。今季の決勝進出5チームのうち3チームが入った「死の組」で、どこまで順位をあげていけるか、若いチームのブレイクに期待だ。

3大会終了時 得点ランキング(本誌調べ)

今大会もトライを量産するか、ニア・トリバー(北海道バーバリアンズディアナ)

今大会もトライを量産するか、ニア・トリバー(北海道バーバリアンズディアナ)

1 ニア・トリバー (北海道ディアナ) 125
2 ヘーゼル・トゥビック(ながと) 118
3 タイシャ・イケナシオ(ながと) 117
4 ハーヴィー・マガリ (フェニックス)94
5 内海春菜子 (グレース)89
6 原わか花 (フェニックス)85
7 平野恵里子 (TKM) 80
8 鹿尾みなみ (グレース) 75
9 ジャンナ・ヴォーン (パールズ) 70
10 新原 響 (TKM)65
10 葛西杏奈 (自衛隊)65

3大会終了時 トライランキング(本誌調べ)

日本人選手ではトップの17トライを決めている原わか花(東京山九フェニックス)

日本人選手ではトップの17トライを決めている原わか花(東京山九フェニックス)

1 ニア・トリバー (北海道ディアナ) 25T
2 タイシャ・イケナシオ(ながと) 23T
3 原わか花 (フェニックス) 17T
4 平野恵里子 (TKM) 16T
5 鹿尾みなみ (グレース) 15T
6 ジャンナ・ヴォーン (パールズ) 14T
7 葛西杏奈 (自衛隊) 13T
8 藪内あゆみ (ながと) 12T
8 本間美月(アルカス熊谷) 12T
8 保井沙予(三重パールズ) 12T

大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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