昇格という目標に挑んだ1年――太陽生命ウィメンズシリーズ入替戦・横河武蔵野アルテミスターズ、南早紀・自衛隊体育学校PTS、石井寿依両キャプテンに訊く | Rugby Japan 365

昇格という目標に挑んだ1年――太陽生命ウィメンズシリーズ入替戦・横河武蔵野アルテミスターズ、南早紀・自衛隊体育学校PTS、石井寿依両キャプテンに訊く

2018/11/20

文●編集部


11月19日に行われた「太陽生命ウィメンズシリーズ2018入替戦」に勝利した、横河武蔵野アルテミスターズと自衛隊体育学校PTS。互いに「昇格」という共通の目標をもって挑んだ1年だった。チームを率いる、石井寿依(PTS)、南早紀(横河武蔵野)両キャプテンに試合後話を訊いた。

「やり続けたフィジカル、そして基礎的な練習。年間110試合を戦ってきたからこその自信が勝利につながった」自衛隊体育学校PTS・石井寿依キャプテン

――年間110試合を戦ってきたということですが、この1年積み上げてきたものは?


どこよりも走れるチームになろうと、プレー自体はまだまだ粗い部分が多くあるんですけど、諦めず最後まで走り切る、フィットネスの部分を重視してやってきていました。


――チャレンジチームでもプレーされていました。そういった経験は大きかったですか?

協会主催でそこからトップやSDSに上がる選手が多くいる中で、貪欲さや愚直さは学ぶことができました。チャレンジチームでは、ここが目標ではないということを言われていました。太陽生命で戦って、そこから選ばれて、世界に勝つ選手になることが目標にやってきていました。目先の勝利だけではなくて、日頃の練習から、そういう目標を掲げてやってきているのでやっぱり勉強になりました。


――プール戦は快勝で、決定戦を迎えました。チームにとって自信をもって挑むことができたのでは?


年間110試合というのもありますが、フィットネスをかなりやってきていたので、相手が疲れていれば、たとえ点差が開いても、私達、絶対追いつくよね、そういう前向きな気持ちで望むことはできていました。「負けていても、追いつくでしょ」という気持ち的に余裕をもって望むことができました。


愚直にタックルにいくPTSの選手たち

愚直にタックルにいくPTSの選手たち

――別宮監督が「この1年間、選手たちは『つまらない練習をしっかりとやってくれた』」と言われていました。


つまらないです(笑)。基礎、基本しかやってこなかったです。走る、ボールを取る、タックルする、そうことばかりやってきました。ですが、そういう基本的なことが出来なかったので私たちは勝てなかったんです。それができるようになってから、勝てるようになったなあと実感しました。

昇格さらに本大会優勝を決めた自衛隊体育学校PTS・別宮光一郎監督

昇格さらに本大会優勝を決めた自衛隊体育学校PTS・別宮光一郎監督

練習ばかりだと確かにつまらないですが、年間110試合だと毎週かならず1試合くらいづつ組んでもらっていたので、先週これが出来なかったら来週もっと走り込んだら勝てるんじゃない。とか順目にいって動こうよとか。試合が毎週あったことで、練習はフレッシュな気持ちで取り組むことができました。常に前向きにコアチームになる、という思いを持ち続けることができていたと思います。


突き刺さるタックルは本戦でも大きな武器になる

突き刺さるタックルは本戦でも大きな武器になる

――来年、本戦で戦うためにチームでどんな部分を強化していきたいと思われていますか


1対1で倒し切る、勝負する。外国人選手に対しても、必ず日本人選手は通用すると思います。勝ち切る強い思いをもって練習していきたい。

 

「ラグビーをやりたい」という共通の目標をもって集まったメンバーたち、一つになったことがこの1年の成長――横河武蔵野アルテミスターズ・南早紀

嬉しいです。応援していただいている方が多くいらっしゃいましたので、昇格というかたちで恩返しができたと思います。


(チームは)いろいろなところから来た選手が多いですが、その中で個々の良さだったり、ラグビーを純粋に楽しんで、もっとやりたいという思いをみんな共通の思いとしてもっていたので、この1年、個々の良さを引き出すようにチームとして準備していました。

――いろいろなクラブから入ってきた選手が多いという点でキャプテンとして難しさはなかったですか?


それはあまり感じなかったです。昇格という一つの目標に向かって取り組んでいましたし、ラグビーが好きという点でまとまっていましたので。


――チームとしてこの1年で成長した部分というのはどういう点ですか


チームとして一つになれたことですね。夏合宿をやってきた頃から、みんなで同じもの食べて、寝て、という経験をして、チームの感じが出てきたなと感じましたね。

ピッチでは的確な指示がメンバーに出されていた。

ピッチでは的確な指示がメンバーに出されていた。

――日体大でも経験されていると思いますが、南さんにとって「チームをつくる」という作業はどういうものですか?


楽しいです。何もない状態でしたし、みんな探り探りという部分もありました。自分がこれがやりたいということをやれる環境にいるので楽しいですし、逆に自分が知らなかったことを聞くと、チームをつくっていくにあたって、そういった意見を取り入れながらいいチームを作っていくことができるので、そこがチームづくりの楽しさかなと思います。

2017年はサクラフィフティーンとしてワールドカップも経験

2017年はサクラフィフティーンとしてワールドカップも経験した


――南さんのキャプテンシーは?


試合中はいろいろと声をかけますが、基本的にはみんな自主性を活かして、それを見守っているというか、俯瞰して見ている感じです。


――今日はプール戦含めて4試合やりましたが、想定していたものとそうでないものとありましたか?


相手との相性ということもあると思いますが、自分たちのやりたいように出来なかった時の立ち返り方が経験不足から苦手だなと思います。それが、チームとして経験を積んで対応できるように成長していかなければならない部分だと思います。

セットプレーでボールをキープ。スペースを作ってスピードのある杉江朋香がゲインする場面が多く見られた

セットプレーでボールをキープ。スペースを作ってスピードのある杉江朋香がゲインする場面が多く見られた

――これから太陽生命で戦っていくにあたってどういう部分で力をつけていきたいですか?


自分たちのかたち、これで得点がとれる、これで守れる、そういうものを作っていきたいです。ウチのチームは体が大きく、セットプレーが強いので、セットプレーからのトライは自分たちで意図してやってきた形のトライです。


――南さんにとっては(日体大時代から)シリーズに戻るという形になりますが、このチームとして太陽生命を戦うことについてどういう思いですか?


楽しみです。4大会あって、それぞれにドラマがあるというか。それぞれに違ったものがありますよね。チームも初戦より、その後の試合を重ねていくとどんどんよくなっていきます。この1年は他のチームの成長、チームが仕上がってきているなということをみてきているので、それを自分たちのチームがどういうふうに変わっていくのか楽しみです。

――大会は、外国人選手が所属するチームも増え、また大きく変わってきています


そうですね。かなりハイレベルな戦いになってきていると思います。その中で、後輩(日体大)が勝った時はかなり嬉しかったです。来年、日体大からウチのチームに入団する選手もいるので、そういった選手たちに戦う場を私達が作ることができたのは良かったです。

日体大時代には2016年にシリーズチャンピオンを経験している南。

日体大時代には2016年にシリーズチャンピオンを経験している。

――チームでは日体大のメンバーも多いですよね。今日の試合でも活躍されていました。


はい。高野眞希と松尾綺子。ラグビーでもプライベートでもいつも一緒にいます。信頼できますし、長年一緒にいるので「阿吽の呼吸」じゃないですけど、何も言わなくてもどんなプレーをしたいのかは感じてもらえています。松尾は中学生の頃から一緒なので8年目、9年目の付き合いになります。毎日いっしょにいます。飽きないですね。(笑)

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