石見智翠館女子、2連覇達成!第2回U18女子セブンズ大会レポート | ラグビージャパン365

石見智翠館女子、2連覇達成!第2回U18女子セブンズ大会レポート

2019/11/11

文●大友信彦


10月26-27日の2日間、熊谷ラグビー場Bグラウンドにて「第2回全国U18女子セブンズ」が開催された。
大会には全国の予選に基づき単独チーム・選抜チームあわせて12チームが出場。第1日は3チームずつ4組に分かれてプール戦を行い、第2日はプール戦順位に基づいてカップ、プレート、ボウルの各トーナメントが行われた。

プール戦の結果

●プールA
1位 福岡レディース
2位 国学院栃木
3位 北海道選抜


●プールB
1位 石見智翠館
2位 PEARLS
3位 開志国際


●プールC
1位 京都成章
2位 佐賀工
3位 東北選抜


●プールD
1位 関東学院六浦
2位 追手門学院
3位 鳴門渦潮



メイントーナメントのカップ戦は、準決勝が福岡レディースvs石見智翠館、京都成章vs関東学院六浦という組み合わせに。

注目されたのは昨年の第1回大会に続き、同じA組になった福岡レディースと国学院栃木の強豪対決だったが、昨年の41-7に続き福岡が41-12で圧勝した。

国栃はサクラセブンズの松田凜日が足首のケガを抱えベストにはほど遠い状態、昨年の大会でトライを量産し、ユースアカデミー入りしている中平あみも欠場。選手層の薄いチームで両エースを欠いての戦いは厳しかった。

B組ではディフェンディングチャンピオンの石見智翠館が2試合あわせて99-7という圧倒的な強さを披露。

C組では創部1年、2年生以下で固めた京都成章が2試合とも38-0という完勝。

D組は関東学院六浦と追手門学院の対決が注目されたが関東学院六浦が24-5で勝利した。

カップ戦|京都成章v関東学院六浦

第1試合の京都成章v関東学院六浦は、前半、京都成章が⑦小池玉紗のトライで先制。
関東学院六浦も6分、相手陣のスクラムから①向來桜子がトライを返す。

前半終了間際、京都成章は⑤須田のオフロードパスから⑥向井楓葉が独走。関東学院ゴールに迫るが、長駆戻った関東⑥野本葵がみごとなタックルでトライを防ぐ。しかし、直後のスクラムで京都成章がボールを奪い、④長瀬拓美が飛び込み京都成章が10-7とリードして折り返す。

後半も京都成章が⑤須田のトライ&ゴールで17-7とリードを広げる。10点差で残り2分、敗色濃厚に見えた関東学院六浦だったが、ここから怒濤の反撃。6分、⑩矢崎桜子が連続トライで19-14と劇的な逆転勝ちを飾った。

 

カップ戦|福岡レディーズv石見智翠館

準決勝第2試合は石見智翠館v福岡レディース。4月のサニックスワールドユースでは決勝で戦い、福岡が22-10で勝っている。昨年のこの大会でも初代女王をかけ決勝で戦ったライバル同士とあって、前半は互いにタックルを決め合い、得点を許さない緊迫した戦いとなった。

だが、6分に智翠館は8月のサクラフィフティーン入りしたエース今釘小町がトライ。8分には左右にボールを動かして福岡のディフェンスを崩し、⑦尾崎夏鈴がトライ。尾崎はハーフタイムをはさんだ後半2分にもトライを決め、智翠館が21-0と大きくリードする。

大きくリードされた福岡も5分、⑥吉野舞祐がトライして追いすがるが、7分に⑥今釘から絶妙のパスを受けた②長利奈々主将がトライで突き放す。福岡はロスタイムに入っても諦めずに反撃し③吉村乙華がトライを返したが、及ばず。26-14で石見智翠館が勝った。

 

カップ決勝|石見智翠館v関東学院六浦

石見智翠館v関東学院六浦の顔合わせとなった決勝は、2分に石見がスクラムから⑤笹田美海のトライで先行。

5分にはラインアウトからのムーブで今釘がトライ。8分には⑫芳山彩未がトライを重ね、前半だけで17-0と大きくリード。後半も2分、6分、8分と尾崎夏鈴が3連続トライ。

守っては関東学院六浦を零封し、36-0で完勝。2年連続優勝を飾った。

石見智翠館の戦いぶりには余裕があった。48人という高校女子ラグビー界で最大の部員数を擁する層の厚さだけでなく、今季は昨年までのディフェンスを全面に出した戦法から、攻撃的なオフロードパスを多用するチャレンジングな戦法にシフト。

もしかして、ワールドカップでの日本代表の影響か? 習熟するのが早すぎないか? と思いきや、磯谷竜也監督に聞くと「今季は春からオフロードのに取り組んできました」とのこと。そこには深い理由があった。


「女子のセブンズも強いチームが増えてきて、よりチャレンジしないと勝てない時代になってきたし、戦術を進化させていかないと。それに、女子ラグビーの進化を智翠館が先頭に立って進めていきたいという思いもありました」


昨年までは、春から秋にかけて国内トップチームと戦う太陽生命シリーズに参戦していた。トップチームと戦うために、ディフェンスで食い下がり、アタックではリスキーなプレーを控え、ロースコアの勝負に持ち込むのが智翠館のスタイル。2017年11月の入替戦で、ニュージーランド代表や日本代表をズラリと並べたながとブルーエンジェルズに12-10で競り勝った試合はその典型だった。

だが今季はパスを多用し、キャリアーが相手にタックルさせたところに複数のランナーが走り込み、デコイも交えてディフェンスを崩し、オフロードパスを使って一気にトライを取りきる。さらに、昨年までの太陽生命シリーズ挑戦で磨いたセットプレー、そしてセットプレーからのムーブもチームの強みとなった。

決勝の前半2分、ラインアウトからのボールをいったんオープンに出したところへエースのCTB今釘が走り込みタッチライン沿いを走り抜けたトライは鮮やかだった。


「ワールドカップでニュージーランドの試合をみていて『このサイン、チスイがやってるサインだよねー』なんて言ってましたよ」


長利奈々主将は「部員が48人いて、この大会のジャージーを着られる12人に入るために、全員がファーストジャージーを目指して練習してきた成果を出せました。決勝では攻め続けること、自分たちの強さを見せることができました」と声を弾ませた。

単独チームとしては初出場の関東学院六浦は、サニックスワールドユースでエース佐藤日向子が膝を負傷。この大会はエースを欠いての戦いとなったが、準決勝では京都成章に先行されながら終盤、1年生の矢崎桜子の連続トライで逆転勝ちするなど若い力が躍動。

決勝は石見智翠館に完敗したが、梅原監督は「プール戦の追手門、準決勝の京都成章と厳しい試合を勝ちきってくれたし、チームとして自信を持てたと思う。この経験をチームに持ち帰ってくれればいい。下級生が多いチームなので楽しみです」と話した。

サクラセブンズの松田凜日を擁し優勝候補の一角と目された国学院栃木だったが、松田の負傷も響き、プレート準優勝に終わった

サクラセブンズの松田凜日を擁し優勝候補の一角と目された国学院栃木だったが、松田の負傷も響き、プレート準優勝に終わった

プール2位によるプレート戦は、追手門学院と国学院栃木が決勝で対戦。エース村田彩乃が3トライをあげた追手門が31-14で勝った。国学院栃木も前半7分、オフロードパス4つをつないであげた小坂海歩のトライはみごとだった。

今釘小町選手

今釘小町選手

プール3位によるボウル戦は、鳴門渦潮(徳島)が31-5で開志国際(新潟)を破り初優勝を飾った。
大会MVPは石見智翠館の今釘小町が獲得した。

 

大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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