第2回東日本U18女子セブンズ・ルーパスルーヴカップレポート&ドリームセブン | ラグビージャパン365

第2回東日本U18女子セブンズ・ルーパスルーヴカップレポート&ドリームセブン

2019/03/27

文●大友信彦


3月23-24日の2日間、東京都府中市の東芝府中グラウンドにて「第2回ルーパスルーヴカップ東日本U18女子セブンズ」が開催された。この大会は、一昨年まで4月に行われていた全国高校選抜女子セブンズが秋に移行したのに伴い、ゴールデンウィークに福岡で開催されるサニックスワールドユースの関東協会推薦チームを決めるために昨年から始まった。

今年の大会には前年優勝のホストチーム、ブレイブルーヴ、昨季の全国U18女子セブンズでプレート優勝の国学院栃木など、9チームが出場した。

プール戦の結果は以下の通り。

●プールA
1位 BRAVE LOUVE 2勝0敗 +91
2位 群馬プライムス 1勝1敗 +19
3位 埼玉・東京・山梨合同 0勝2敗 -110


●プールB
1位 国学院栃木 2勝0敗 +82
2位 千葉ペガサス・神奈川シーガルズ合同 1勝1敗 -20
3位 長野県・新潟県合同 0勝2敗 -62


●プールC
1位 関東学院六浦 2勝0敗 +91
2位 栃木ストロベリーズ 1勝1敗 -3
3位 Rosageふくしま 0勝2敗 -88

初日はブレイブルーヴ、国学院栃木、関東学院六浦が強さを発揮。それぞれプール戦に圧勝を重ねて決勝に進んだ。

第2日、優勝をかけたカップ戦は、まずブレイブルーヴと関東学院六浦が対戦。

関東学院六浦はブレイクダウンの攻防で厳しいプレーをみせた

関東学院六浦はブレイクダウンの攻防で厳しいプレーをみせた

試合はブレイブルーヴが新井弥生のトライで先制したが、関東学院六浦は篠原憩のトライで追いつくと、さらに敵陣で野本葵がビッグタックルで相手ボールを奪取。PKからの速攻で中島涼香がトライをあげ、12-7と逆転して折り返す。

後半は個人技に優れるブレイブルーヴが反撃し、1分に近藤帆夏がトライし同点。関東学院六浦も佐藤日向子のトライで再び勝ち越すが、ブレイブルーヴは直後に関東ゴール前で猛攻。関東も必死のタックルでゴールラインを守るが、5分、堀之内萌がインゴールをこじあけ再び17-17の同点に追いつく。

5分、堀之内萌のトライ

5分、堀之内萌のトライ

手に汗握る熱戦が続き、17-17の同点で終わるかに思えたロスタイム、関東学院六浦は自陣22mライン付近に攻め込まれたラインアウトで相手ボールをターンオーバー。そこから逃げずにカウンターアタックでボールをつなぎ、最後は相手ゴール前右隅から左へワイドに展開。再び佐藤日向子がインゴールに飛び込む劇的なサヨナラトライで初戦を突破した。

1時間のインターバルで迎えた第2戦は関東学院六浦と国学院栃木が対戦。
先制したのは関東学院六浦だった。2分に大貫愛友、4分に篠原憩が連続トライで10-0とリードする。


4分、篠原の連続トライ

4分、篠原の連続トライ

だが、セブンズの3チームリーグでは往々にして、前半の途中からインタバルの差によるアドバンテージが効いてくる。前半ロスタイム、ハーフウェー付近のPKから国栃は左WTB中平あみへ。前日のプール戦2試合で8トライを量産した高校屈指のスプリンターは、ボールを持った瞬間にはトライラインへ猛加速。昨年10月の全国U18セブンズでもみせた、ギリギリで相手を振り切る鮮やかな走りで約50mを走りきり、そのまま回り込んで真ん中にトライ。田中杏奈のコンバージョンも決まり7-10と追い上げて折り返すと、後半3分にはその田中がトライを決め12-10と逆転する。

中平あみのトライ

中平あみのトライ

しかし、連戦で疲れているはずの関東学院六浦はここから勢いを取り戻す。個々の走力では国栃が上にも見えたが、重量感のあるコンタクト、球際の厳しさで、ブレイクダウンで相手にプレッシャーをかける。試合は国栃が自陣のスクラムを迎えたところでタイムアップのベル。蹴り出せば試合終了という場面だったが、関東はスクラムでプレッシャーをかけ、SHにプレッシャーをかけ、容易に蹴らせない。4フェイズを重ねた国栃が何とかキックを蹴ったが、ボールはタッチに届かずそこから関東がカウンターアタックをかけ、8分、前戦に続いて佐藤日向子が逆転サヨナラのインゴールへ。

佐藤日向子が逆転サヨナラのインゴールへ

佐藤日向子が逆転サヨナラのインゴールへ

中島涼香のコンバージョンも決まり、17-12の逆転勝ちを飾った。
関東学院六浦は、前年はメンバーが足りず、北海道選抜との合同チームで参戦しており、この大会には単独チームとしては初出場で初優勝となった。


国栃は、サクラセブンズ候補でもある松田凜日が負傷で欠場したのに加え、初日の初戦で小川花音、2日目の関東戦ではエース中平あみも後半早々に負傷退場するなど、得点源が次々にリタイア。ギリギリの人数での戦いになりながら奮闘したが、わずかに及ばず。ブレイブルーヴとの最終戦は負傷者続出により棄権した。

ブレイブルーヴは不戦勝で2位となったが、連覇はならず。前年の大会を席巻した司令塔の安尾琴乃主将はじめ武藤玲子、新井弥生らスピードランナーを擁し、素晴らしいトライをいくつもあげたが、この大会にかける執念では関東に及ばなかったか。

実は伏線があった。現在の高校2年生は、中3のとき全国中学生大会決勝で東京が神奈川を下して優勝。そのときの東京のメンバーの多くがブレイブルーヴへ、準優勝の神奈川メンバーの多くが関東学院六浦に進んでいたのだ。
関東の粂(くめ)日向子主将は「初めて東京に勝てた。うれしい」と声を弾ませた。

Rosageふくしま

Rosageふくしま

プール戦2位グループによるプレート戦(4-6位決定戦)は千葉ペガサス/神奈川シーガルズ合同が、3位グループによるボウル戦(7-9位決定戦)は福島県選抜Rosageふくしまが優勝した。


 

大会MVP・中島涼香(関東学院六浦)

大会MVP・中島涼香(関東学院六浦)

大会MVPは、関東学院六浦の中島涼香が受賞した。表彰式のプレゼンターはリオ五輪代表の豊島翔平選手!



以下に、恒例の本誌選出・ドリームセブンを紹介する。

 

佐藤日向子(さとう・ひなこ)関東学院六浦高2年 164/64

決勝トーナメントでは2試合連続で、終了直前のロスタイムにサヨナラトライを決めた決定力と強運の持ち主。
北海道・遠軽ラグビースクール出身。中学時代はバスケットボールで北海道大会4強、北見地区選抜。
フィジカルの強さと、試合の終盤でも走りきれるフィットネスの高さを証明した。


中平あみ(なかだいら・あみ)国学院栃木高1年 168/56

大きなストライドで加速していく走りで、大会初日は千葉・神奈川戦で6トライをあげるなど、3試合で9トライ。最終戦の棄権により他校より1試合少ない中で、秋田(栃木ストロベリーズ)とともに大会トライ王となった。100mのベストタイムは12秒81。ユースアカデミー参加。華麗なランニングフォームは、ちょっと古いが、バルセロナ/アトランタ五輪400mを連覇したマリージョゼ・ペレク(フランス)を連想させた。


秋田若菜(あきた・わかな)栃木ストロベリーズ 佐野高1年 165/60

2月の関東大会(15人制)ではラインアウトやブレイクダウンなどFWプレーで活躍してMVPを獲得したが、今大会ではアタック能力を爆発させた。群馬プライムス戦では5T5Cの大暴れ。連戦で迎えた千葉・神奈川戦は防戦一方となったが、大量リードされた後半ロスタイムのラストプレーでは強烈なハンドオフで相手タックラーを突き飛ばしてトライ。4試合で61得点(9T8C)をあげ大会得点王。9トライは中平と並ぶトライ王で、個人2冠に輝いた。

根本佳奈(ねもと・かな)Rosageふくしま 磐城高1年 159/57

ボウル戦で優勝を飾ったRosageふくしまで、1年生ながら主将を任され、司令塔として初戦の埼玉・東京・山梨合同、連戦となった2戦目の長野・新潟合同戦と2試合続けて2トライを決める(ともに決勝点に繋がるトライ!)決定力を披露。巧みなステップ、アングルチェンジでラインブレイクする能力で、リザーブは1人だけというギリギリのチームをボウル優勝に導いた。


土井美咲(どい・みさき)千葉ペガサス・神奈川シーガルズ合同 麗澤高1年 160/57

相手タックルを突き抜ける腰の強さ、加速の効いた走りで2日間で4トライ。最終戦となった群馬プライムス戦では、連戦の疲れもみせず前半に効果的な2トライをたたみかけ、千葉/神奈川のプレート優勝(全体4位)に大きく貢献した。


中島涼香(なかしま・すずか)関東学院六浦 1年 155/55

4試合で4T10C。キックに限れば最多得点をあげた大会ベストキッカーで、大会MVPを受賞した。

出身は大阪。小2から豊中ラグビースクールに通い、中1までは並行してサッカーも経験。そこで培ったキック力が初優勝に貢献した。現在は学校近くの寮で暮らす。キックの師匠は関東学院六浦高男子監督で元東芝府中の「高山国哲さんです!」


野本 葵(のもと・あおい)関東学院六浦1年 155/54

同点で迎えたブレイブルーヴ戦の前半6分、相手陣でブレイブルーヴの突破役・武藤玲子に突き刺さってターンオーバー→PKを勝ち取った一撃は本誌の選ぶベストタックル。ここから勝ち越しトライをあげ、関東学院六浦は優勝に向かって突っ走ったのだから、まさに優勝を呼び込むタックルだった。父・卓也さんは関東学院大では松田努さんと同期で活躍したLO/FL。「僕はあんなタックルはできなかった(笑)」攻めても4試合で3トライをあげた。


得点ランキング

1 秋田若菜 栃木ストロベリーズ 61(9T8C)
2 中平あみ 国学院栃木 45(9T)
3 中島涼香 関東学院六浦 40(4T10C)
4 大貫愛友 関東学院六浦 35(7T)
5 佐藤日向子 関東学院六浦 30(6T)
6 安尾琴乃 ブレイブルーヴ 28(2T9C)
7 松尾凛子 千葉ペガサス/神奈川シーガルズ合同 21(1T8C)
8 新井弥生 ブレイブルーヴ 20(4T)
8 土井美咲 千葉ペガサス/神奈川シーガルズ合同 20(4T)
8 根本佳奈 Rosageふくしま 20(4T)


トライランキング

1 中平あみ 国学院栃木 9T
1 秋田若菜 栃木ストロベリーズ 9T
3 大貫愛友 関東学院六浦 7T
4 佐藤日向子 関東学院六浦 6T
5 中島涼香 関東学院六浦 4T
5 新井弥生 ブレイブルーヴ 4T
5 土井美咲 千葉ペガサス/神奈川シーガルズ合同 4T
5 根本佳奈 Rosageふくしま 4T
9 野本 葵 関東学院六浦 3T
9 近藤帆夏 ブレイブルーヴ 3T
9 安藤菜緒 ブレイブルーヴ 3T
9 佐々木理子 国学院栃木 3T
9 木田まこ 千葉ペガサス/神奈川シーガルズ合同 3T
9 菊地真菜 栃木ストロベリーズ 3T
9 角川穂乃花 群馬プライムス 3T

 

大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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