いつもと違う初勝利の喜び――チームに新しい血を吹き込んだ二人・CTB林泰基、HO木津武士 | Rugby Japan 365

いつもと違う初勝利の喜び――チームに新しい血を吹き込んだ二人・CTB林泰基、HO木津武士

2018/09/04

文●編集部


トップリーグ初昇格の日野レッドドルフィンズが、宗像サニックスブルースに開幕節で快勝した。2015年ワールドカップに出場し、南アフリカ代表との死闘を制した時にHOを努めた木津武士。そして、常勝集団・パナソニックワイルドナイツで何度も日本一を経験しているCTB林泰基。これまでの「初勝利」とは違う、勝利の喜びを感じていた。

「特別なプレーはできないけど、そういうサポートの部分は誰にも負けないと思っています」CTB林泰基

自分たちがどのくらいの力を持っていて、どのくらいの試合ができるのか、という部分は練習試合でも見えていなかった。このメンバーで戦うというシチュエーションは今回が初めてで、自分自身もやりながら、コミュニケーションを取りながらやっていくしかなかったんで。その中で相手を分析して、本当はもっとアタックオプションをもっていたんですが、それが全然当てはまらなかったです。

そこは切り替えて、正直、面白くないラグビーだけど、相手はWTBがあがっていて、後ろに2枚しかいないし、キックも上手いという印象もなかったので、どんどん蹴って、ボールを持たせてプレッシャーをかけてマイボールスクラムを増やそうと。ハードワークを続けながら修正していきましたね。

後半の10分以降から、サニックスも(アタックが)大分手詰まりになっているようにも見てたし、足をつる選手が多かったです。それが見えだすと気持ちが楽になりました。それでも(日野は)まだまだ形が見えないチームだから、気を抜ける時間がなかったです。

――移籍選手が多く、これまでの経験や知識をチームに吹き込んでいる


林 そこはバランスを見ながら、注意を払いながらやっています。日野には日野のスタイルがありますから。強いチームの戦術を持ってきたところで、人も違えば、やってきたことも違うので、一概にハマるということはないと思います。それは、昨年、僕がすごく感じたことでした。

いいところはこうした方がいいんじゃないかとか、徐々にですね。でもそういったところが僕たちの強みになってくると思うので、本当にそれがどれだけまとまるか。選手がチームのためにまとまるかということはすごく大切ですね。それができれば、勝てる要素をもっているチームなので。

SOヘイデン・クリップス

SOヘイデン・クリップス

――今日はゲームプランがはまった?


いや、ゲームプランは全然変えました。正直出していないです。プレーしながら、サニックスの強み、弱みをしっかりと見極めることができた。それに尽きると思います。うちにはいいキッカーがいるので、染山(茂範・バイスキャプテン/SO)だったり、クリプシ(ヘイデン・クリップス/SO)だったり、カカ(ギリース・カカ/FB)だったり。その強みを出した方がいいと思ってプランを変えました。


テクニックをもっている選手はたくさんいるので、あとは経験値だったり、状況判断という部分をどれだけ加えていけるかということがチームにとって大切になってくると思うので、そこで僕のサポートはこのチームに必要になってくる。特別なプレーはできないけど、そういうサポートの部分は誰にも負けないと思っているんで。常にコミュニケーションとりながらやっていきたい。

ゲームを読みながら、相手の強いところ、弱いところを探しながらプレーするところは僕の強みだと思っているんで。

SH橋本

SH橋本

未来ある選手が多いです。1試合目にこんな素晴らしいプレーができた、1年目の橋本法史(SH・東海大卒)だったり。一流大学から王道の流れで来なくても、こうやって戦っていけるというところを見せれたと思いますし、僕のとなりにいた片岡(将/CTB・釜石SWから移籍)は僕と似た経歴なんです。僕がたまたま運が良くて、留学したあとにトントン拍子で(パナソニックに)入社できただけで、彼も留学して、トップリーグに行けない時間があって、やっとトップリーグの舞台に立てて。そんな彼の横に僕が立てることが嬉しい。日野にはそういう面白い経歴の選手がいっぱいいるんで、これからも取材してやってください(笑)。

 

「こんなに緊張したことなかった。うまくいけばこういう試合になる自信はあった」HO木津武士

いいかたちでいけばこういう形の試合になるというイメージはしていました。いいシナリオどおりでした。エリアもとって、セットプレーも安定していました。しっかりできれば、このくらいのゲームはできるチームだとは思っていました。

――一番良かった部分は?


試合に向けて、メンバー外の選手がサニックスを想定した練習で、ノーミスでアタックしてくれたので、チームが一つになって開幕にむけていい準備ができたと選手全員が感じていた。なおかつ、セットプレーも安定できたし、しっかりエリアをとって。良い展開でゲームを運べた。


――スクラムでペナルティーを獲得した場面について


僕が中心になって、スマートに考えようと話をしていました。どのエリアでも、押していたらもたないので。ここという時だけしっかりと決めて、プレッシャーをかけて、ペナルティーをもらおうと意識していました。エリアを考えながらうまくできたかなと思います。

いいかたちで当たれば、何も言わなくてもいくパターンもありますけど、そこは冷静に、押す時は押す。そうでなければすぐに出してBKに展開するとか、声に出して伝えて。うまく分けれたと思います。


――ほぼメンバーは移籍選手というメンバーでした。


色々なチームが集まってきているんで、それぞれのチームのいいところを出すことができていると思います。BKでいうと(林)泰基さんがパナでやっていたところ、ゲームメイクもうまいし、BKをコントロールしてくれているんで、いかにFWを省エネでいかしてあげるかということを常に考えてくれる人が後ろにいるので、僕ら(FW)もここ、という時に力出せるし、80分通して、うまく、ハマったゲームが今日のゲームだったと思います。

知識のある選手が数人いるので、そういう選手が知恵を絞って、ああしたらいい、こうしたらいい、と選手間で話をしてやっていけています。すごくいい仕上がりになっている、まだまだこれからですし、喜ぶのは今日だけで明日からはきりかえていかなければいけませんが。今日は良いセットプレーができて、ほっとしています。

キャプテンの村田もNECからの移籍組。これまでの経験値をチームに吹き込む。

キャプテンの村田もNECからの移籍組。これまでの経験値をチームに吹き込む。

――神戸(製鋼)での1勝と今日の1勝はやっぱり違う


正直、サニックスさんを相手にここまで緊張したのは初めてでした。(佐々木)隆道さんが「俺泣きそうだわ」って言ったんです。3年前に、隆道さんが日野に来て、そこからすごい進化していると。ホントに泣いてましたね。感動しました。


記事検索

バックナンバー

メールアドレス
パスワード
ページのトップへ