新型肺炎拡大防止のため、第7節・第8節が延期となったトップリーグ。歴代最高の盛り上がりを見せる中、首位パナソニックと同じく開幕から前節まで全勝で2位につけているのが昨年度王者の神戸製鋼コベルコスティーラーズだ。
神戸製鋼は、ここまで47トライ(パナソニックは40トライ)、失点75(パナソニックは88点)とリーグトップの数字を誇り、攻めてよし、守ってもよし、リーグ2連覇に向けチームは進化を続ける。
その強さを遺憾なく発揮した第6節の東芝ブレイブルーパス戦(57-0で勝利)で決めた9トライのうち、象徴的な前半の5つのトライをスポーツライターの斉藤健仁氏が解説した。
2020/03/02
解説●斉藤健仁
1つ目のトライは前半8分、神戸製鋼は自陣からのアタックでした。
東芝が神戸製鋼陣内10m手前付近でペナルティーをすると、神戸製鋼はクイックタップで仕掛けます。FL橋本大輝がハーフウェイまでゲイン。SH日和佐篤が大きく外に展開し、NO8ナエアタがビッグゲイン。最後は内をフォローした12番CTBバックマンにオフロードパスでつないでトライ(外側もWTB山下がフォロー)。
しっかりとポッドで、シェイプができていたので、内側のFW2枚のシェイプがデコイになって、左に大きく展開するのを可能にしました。東芝ディフェンスは、クイックリスタートだったことで対応が遅れゲインを許してしまい、内に寄りすぎて枚数が足らず左サイドにスペースを作ってしまいました。
ここまで東芝ディフェンスが前に出てよかったのですが、クイックタップから神戸製鋼が見事にトライを取り切り、流れを呼び込みました。
アタアタの個人技にチーム全員が反応した見事なトライ!
スクラムを起点にトライを挙げたあとの3つ目のトライです。前半20分、東芝FBベイトマンが裏のスペースへキック。自陣22m内側でWTB山下楽平がセービングしボールをキープ。WTBアタアタ・モエアキオラへパスしました。
アタアタは、一度はボールダウンした後、自ら拾い上げパスダミーから大きくゲインし、自陣10mライン手前でオフロードでつなぎます。9番SH日和佐、13番CTBラファエレ、5番レタリックとつなぎそのまま独走し、レタリックがトライを挙げました。
レタリックの後ろからナエアタらのフォローもありました。アタアタの個人技にチームが反応した素晴らしいトライでした。