トップリーグカップ決勝・神戸製鋼がクボタに圧勝で王座を掴む! | ラグビージャパン365

トップリーグカップ決勝・神戸製鋼がクボタに圧勝で王座を掴む!

2019/08/11

文●大友信彦


トップリーグカップ決勝が10日、大阪・花園ラグビー場で行われた。
対戦したのは昨季のトップリーグ王者・神戸製鋼と、初のタイトル奪取を目指すクボタ。7890人の観衆が見守る花園ラグビー場で、18時にキックオフされた。

前半立ち上がりのクボタのチャンス、クボタCTB立川と神戸PR山下がマッチアップ!

前半立ち上がりのクボタのチャンス、クボタCTB立川と神戸PR山下がマッチアップ!

先にチャンスを得たのはクボタ。開始早々に攻め込まれたピンチをしのぐと、大黒柱のCTB立川理道が2度にわたって力強いキャリーで前進。

ゴール前に攻め込んだクボタだが、FLトゥパが落球しチャンスを逃す

ゴール前に攻め込んだクボタだが、FLトゥパが落球しチャンスを逃す

PKを得るとSOハウェラがタッチキックでゴール前へ。このラインアウトからクボタは神戸ゴール前でフェイズを重ねて攻め立てるが、神戸のディフェンスは崩れない。結局、11次攻撃まで守り切った神戸がバンリーベンのタックルでノックオンを誘って守り勝つ。

11分、神戸WTB山下楽平が先制トライ

11分、神戸WTB山下楽平が先制トライ

そこから反転攻勢に出た神戸は10分、WTBアンダーソンフレイザーがキックでクボタゴール前へ。ここはクボタ立川が激戻りセービング。ピンチを逃れたかと思ったが、神戸はここへ殺到してターンオーバー。素早く左オープンにボールを動かし、WTB山下楽平が先制トライ。

神戸は点を取ってもすぐに自陣でハドルを作り、隙を見せなかった

神戸は点を取ってもすぐに自陣でハドルを作り、隙を見せなかった

 

16分、今度はPR山下裕史(背中③)がトライ

16分、今度はPR山下裕史(背中③)がトライ

さらに16分にはパーカーのタッチキックで再び相手ゴール前に攻め込むと、ラインアウトからのアタックで、ジャパンから一時合流中のヤンブーことPR山下裕史がトライ。

この日、ゴールキックは4/7と珍しく不調だった神戸SOヘイデン・パーカーだったが、ゼネラルプレーでのキックは相変わらず冴えた

この日、ゴールキックは4/7と珍しく不調だった神戸SOヘイデン・パーカーだったが、ゼネラルプレーでのキックは相変わらず冴えた

 

突進するクボタFL末永に神戸FL橋本がみごとなロータックルでノックオンを勝ち取る

突進するクボタFL末永に神戸FL橋本がみごとなロータックルでノックオンを勝ち取る

これで波に乗った神戸は、山下楽平が19分にパーカーのキックパスに反応して、33分にはラインアウトの逆サイドに走り込んでディフェンスを振り切り連続トライ。山下楽平は前半だけでハットトリック、ヤンブーもあわせれば「山下」の4トライで24-0とリード。

クボタCTBテアウパをダブルタックルで止める神戸FL橋本とCTBバイフ

クボタCTBテアウパをダブルタックルで止める神戸FL橋本とCTBバイフ

なかなか攻撃の糸口を掴めないクボタは前半終了直前、ターンオーバーからCTBテアウパが左サイドにキック。このカップ戦好調のWTB白井竜馬を走らせるが、ゴール前で惜しくもタッチ。神戸製鋼はこのラインアウトを冷静にキープし、ホーンを待ってエリス主将がタッチへ蹴り出しハーフタイム。

後半7分、クボタは自陣ゴール前からNo8マキシがアタック。一気に神戸ゴールに迫るが……神戸の厳しいディフェンスの前にトライを奪えず

後半7分、クボタは自陣ゴール前からNo8マキシがアタック。一気に神戸ゴールに迫るが……神戸の厳しいディフェンスの前にトライを奪えず

後半開始早々、クボタはハーフウェー付近のスクラムでFKを獲得。チョイスが注目された場面だったが、クボタはハイパントを選択。ファンデンヒーファーがハイパントを蹴るが、チェイスが甘く、コンテストなしに神戸WTBフレイザーがやすやすと捕球。

戻ってクボタWTB白井を止めたWTBアンダーソンフレイザーがキックを交えて走りきり勝負を決定づけるトライ

戻ってクボタWTB白井を止めたWTBアンダーソンフレイザーがキックを交えて走りきり勝負を決定づけるトライ

5分には自陣ゴール前からNo8マキシが大胆にアタック。ファンデンヒーファーにつないでハーフウェーまで戻すと、立川が大きくサイドチェンジして左のWTB白井にどんぴしゃのキックパス。白井がトライラインまで迫るが、神戸はフレイザーが激戻りでトライセービングタックル。

後半早々の2度のクボタのチャンスを摘んだ神戸は、そこから反転攻勢。ディフェンスで大活躍のフレイザーが右サイドでボールを持つと、チップキックを自ら捕ってディフェンスをかわしてインゴールへ。

パーカーのキック、ここはキッチリ決める

パーカーのキック、ここはキッチリ決める

31-0と試合を決めた神戸製鋼は、17分にもラインアウトモールからHO有田隆平、25分にはCTBアーウォンがトライを重ねて43-0。

17分、相手ゴール前ラインアウトモールから神戸HO有田がトライ

17分、相手ゴール前ラインアウトモールから神戸HO有田がトライ

 

クボタのタックラーを引きずって突進する神戸LOナエアタ

クボタのタックラーを引きずって突進する神戸LOナエアタ

 

この日は前半だけで3トライをあげた山下楽平

この日は前半だけで3トライをあげた山下楽平

 

後半25分、駄目押しの駄目押し、神戸CTBアーウォンがトライ

後半25分、駄目押しの駄目押し、神戸CTBアーウォンがトライ

 

クボタも意地の反撃をみせ、後半36分、途中出場のFB近藤英人が執念の1トライを返す

クボタも意地の反撃をみせ、後半36分、途中出場のFB近藤英人が執念の1トライを返す

零封負けは逃れたいクボタは残り10分を切ってから猛攻。神戸も必死に守るが、36分、スクラムから右にボールを動かし、途中出場でFBに入っていた近藤英人が意地のトライを返した。

しかし反撃もこれまで。ファイナルスコア43-7で神戸が勝ち、カップ戦のタイトルを獲得した。

「スチールワーカーとして暑い中での試合を楽しもうと話していた」アンドリュー・エリスキャプテン

ファイナルスコアは43-7。神戸製鋼が圧勝で優勝を飾った

ファイナルスコアは43-7。神戸製鋼が圧勝で優勝を飾った

神戸製鋼・アンディ・エリス主将

「今日の試合は、今シーズンやってきたハードワークをやりきることができた。シーズンを始めるに当たり、チームで高い目標を立てて、その価値を考えてチームで過ごしてきました。メンバー全員が毎日、成長しようと取り組んできた成果が出たと思う」


 ――暑いコンディション下での大会だったが


「自分たちは会社とどうつながっているかをいつも話し合っている。神戸製鋼は鉄を作る会社で、スチールワーカーが高炉の熱の中で働くことで鉄を作ってきた。今回は気温が35度~36度くらいある中で試合をしてきたけれど、自分たちはスチールワーカーとして、暑い中での試合を楽しもうと話していました」


バックスタンドの応援団に手を振る神戸フィフティーン

バックスタンドの応援団に手を振る神戸フィフティーン

 

スタンドに手を振る共同キャプテンの橋本

スタンドに手を振る共同キャプテンの橋本

――不在のウェイン・スミス総監督とSOのDC(ダン・カーター)からは何か?


「DCからは昨日、メールが来たけれど、自伝映画のプレミア上映会へのお誘いのメールだった。もしかしたら、今日が決勝だと言うことを忘れていたのかもしれないね(笑)。ウェインからは、今この会見場に来る前に見たらもうメールが届いていた。「チーム全員のハードワークの結晶だね」と書いてあった。このスピード感がまさにウェインだと思うね」


「神戸というチームは選手もマネジメントサイドも常に成長していこうというマインドセットを持っている」神戸製鋼 デーヴ・ディロンHC

優勝表彰を受ける神戸フィフティーン

優勝表彰を受ける神戸フィフティーン

「アンディが言ったことがほとんどすべてだ。付け加えるとしたら、神戸というチームは選手もマネジメントサイドも常に成長していこうというマインドセットを持っている。自分たちがやるべき仕事をやりきった選手たちとスタッフを誇りに思います」


「クボタはとても強いチーム。特にセットピースが武器だと認識していた。FWコーチのカンバーランドが多くの時間を費やして強化してくることは分かっていたし、自分たちもそこにフォーカスして臨んだ。このカップ戦出は、前の週よりも成長した姿を見せることと相手を尊重することをテーマにしてきた。今回のキャンペーンはチームの全員にとっって素晴らしい冒険だった。トレーナー、栄養士、マネージャーを含めて、暑い中での大会にどう対応して、どうやって買っていくかをたくさん話し合った」


「決勝まで来ることができたのは、チームにとってとても良い経験になった」クボタ フラン・ルディケHC

敗れたものの、初の決勝を経験したことは大きな収穫だった。準優勝のクボタ

敗れたものの、初の決勝を経験したことは大きな収穫だった。準優勝のクボタ

「結果は残念。神戸はショートパスをうまく使って攻めてきた。我々も神戸がやってくることはわかっていたけれど、止められなかった。とはいえ、決勝まで来ることができたのは、チームにとってとても良い経験になったと思う。この経験を次に活かしていきたい」

準優勝のプレートを受けるクボタの青木ゲームキャプテン

準優勝のプレートを受けるクボタの青木ゲームキャプテン

クボタ 青木祐樹ゲームキャプテン


「HCが言ったとおり、神戸のアタックを止められなかったのが敗因。良い準備はしてきたが、神戸はオフロードパスでつないでくるところ、ダブルタックルで止めたときでもプレッシャーを受けてしまって、クイックボールを出されてしまって、良いテンポでアタックされて後手後手に回ってしまった」

大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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