「昇格大会は、今まで出たことのないレベルの大会になるだろうし、緊張しています」
清水麻有は、全然緊張してなさそうな笑顔でそう言った。
昨年のリオ五輪代表こそ選ばれなかったが、その後の足取りは、あすの日本女子ラグビーを担う新世代エースの名にふさわしい。
リオの後、1カ月も経たずに始まったアジア女子セブンズシリーズには香港、韓国、スリランカと日本選抜でフル参戦し、総合優勝に貢献。続いて若手で挑んだオーストラリア・セントラルコーストセブンズにはキャプテンで参加。セブンズのシーズンを勤め上げると、15人制のワールドカップ・アジア太平洋予選の日本代表に加わり、負傷で欠場した田坂藍主将に代わって本来のCTBからFBへコンバート。ワールドカップ切符を決めた初戦のフィジー戦では圧巻のラインブレイク能力で2トライを決め、慣れないプレースキックも3C3PGを成功すると、続く香港戦でも2トライ。MVP級の大活躍を見せたのだ。
「前は、サクラセブンズに入っていても、年齢が下ということもあって、勝手に遠慮してたところがありました。『どんどん行っていいよ』と言われてはいたんですが、『自分が行って失敗したら……』と考えてしまうところがあったんです。でも、オリンピックが終わって、アジアシリーズになってからは、自分で行って見たら思ったより通用した(笑)。そこから、自分で行けるだけ行こうと思えるようになりました」