仙台、石巻へ移動しながら見たサンウルブズの劇的逆転勝利! パーカーの逆転DGを呼んだ我慢強いDFが進化を証明していた。 | ラグビージャパン365

仙台、石巻へ移動しながら見たサンウルブズの劇的逆転勝利! パーカーの逆転DGを呼んだ我慢強いDFが進化を証明していた。

2018/05/21

文●大西将太郎 構成●大友信彦


こんにちは、将太郎です。
19−20日の週末は、宮城県に行っていました。
20日に石巻で行われた明大と慶大の試合を、地元局の東日本放送で解説させていただき、それにあわせて試合前のフィールドで、観戦しながらできる簡単な体操を紹介させていただきました。

19日は午後に仙台に入って泊まり、早朝の仙石線で石巻へ向かったのですが、電車の窓からも、津波で大きな被害を受けたところが見えて、いろいろなことを考えました。復興の工事が進んでいるところもあれば、更地のままのところ、工事の途中のところもある。試合会場の石巻フットボール場の周りには、震災からもう7年が過ぎたというのに仮設住宅がまだまだたくさんあって、たくさんの方が暮らしている。

震災のあと、仙台とその周辺には何度か訪問させていただきました。震災1年後の2012年3月には仙台ユアテックスタジアムで行われたトップリーグオールスター・チャリティーマッチに参加しましたし、豊田自動織機時代にひとめぼれスタジアムでトップリーグの公式戦も行いました。でも、津波の被害を受けた沿岸部まではなかなか足を伸ばせなかった。石巻のように、本当に大きな被害を受けた場所を訪れたのは初めてです。

イシノマキという地名は僕の耳にはよくなじんだ地名です。

僕が小さい頃、花園に高校ラグビーを見に行くと、石巻工業がよく出ていて、場内アナウンスでよくその地名を聞きました。今は宮城と言えば仙台育英ですが、当時は宮城県の代表といえば石巻工、あるいは石巻高でした。

石巻はラグビー熱の高いところ、と聞いていましたが、実際に行ってみたら本当に熱かった。そしてラグビー文化の根付いた場所でしたね。お客さんもほぼ満員でした。発表では2,500人ということですが、スタジアムの外の、ストリートラグビーなどのイベントにもたくさんの方がいらっしゃっていたし、同じ東北のワールドカップ開催地である釜石からもワールドカップのアピールのブースが出ていた。東北のラグビー熱を感じることができました。


と同時に、やはり7年前のことも考えました。会場に行く途中には北上川が流れていて、前日に上流で大雨が降ったということで、かなり水量が多かった。震災のときは、この川が逆流して溢れたというのですが、想像するのも難しい。大勢の子供たちが犠牲になった大川小学校は、この北上川とは分流したところだそうですが、慶大の選手たちは試合前日に大川小跡地を訪ねたと聞きました。

明大の選手たちも石巻市内を見渡せる日和山へ登って、語り部の方から当時の話を聞いたそうですね。
僕自身、石巻を訪ねて当時のことを想像するのは貴重な経験になりました。大学生のような若い子がそこを訪ねて、震災当時のことを考え、現在の様子を知ることはすごく価値がある。石巻で慶明戦が行われたことは本当に意義深いと思いました。
スタジアムも芝がキレイで、スタジアムを囲む山も新緑がとてもキレイで、とてもいい天気で。あの日も同じようにキレイな朝を迎えていたんだろうな……。


来週27日には、仙台市陸上競技場(弘進ゴムアスリートパーク)で、釜石シーウェイブスとNTTコムの試合が行われるそうですし、9月22日にはトップリーグのNTTコムと日野レッドドルフィンズの試合も行われます。
これからも、東北の被災地を応援していきたいと、改めて思いました。

 


逆転するまでのアタックは、完璧なストーリーだった。




ということで、19日に香港で行われたサンウルブズ対ストーマーズは、移動しながらJスポーツのオンデマンドで観戦しました。実は、前半が終わったところで飛行機の搭乗時間が来てしまいました。前半、サンウルブズはリードされていたけれど、後半逆転してくれることを確信して飛行機に乗りました。前半にトライを取られたシーンも、自分たちのミスや出会い頭の事故みたいな取られ方で、ディフェンスを崩されたわけではなかったし、ストーマーズは暑さで足が止まってましたからね。

実際、仙台空港に着陸後に残りの部分を見たのですが、サンウルブズは素晴らしい戦いぶりでした。前節のレッズ戦の勝利が本当にチームに自信をもたらして、チームにいい流れを持ち込んでいたと思います。

この日の逆転勝利は、やはりロスタイムのラストプレーに集約されています。
特に、最後の80分の相手キックオフから、自陣でガマンしてディフェンスし続けていた場面ですね。極限の疲労が溜まった状態で、反則すればその時点でPGを決められて負けてしまうという緊張感の中にありながら、集中力が切れてもおかしくない暑さの中ながら、全員がレフェリーの発する声に反応してペナルティを犯さなかった。レフェリーの「ロールアウェイ!」「ハンズオフ!」という声があると速やかに従っていた。今までなら分かっていてもつい対応が遅れてしまったり、体が動かなかったりしたけれど、この場面では全員が完璧だった。ガマンしてガマンして、19フェイズ目でウヴェがジャッカルに入って、ジャバがターンオーバーしたわけです。

そこからのアタックにも一切無駄がなかった。ヘイデン・パーカーから福岡堅樹へのキックパスも絶妙な距離、絶妙な強さで、捕球した福岡がタッチに出ないように内に転がしたボールにもパーカーが先頭で追いついて次の攻撃につなげて、そこからDGまで持って行った。完璧なストーリーでした。最後の一連のプレーを見ただけで、今のサンウルブズが好調だという理由がよく分かると思います。

プレミアムコラム

この記事の続きを読む。

購読手続をすると全ての内容をお楽しみいただけます。
メールアドレス
パスワード

記事検索

バックナンバー

メールアドレス
パスワード
ページのトップへ