将太郎です。
トップリーグファイナルの日は、大阪の金鳥スタジアムで15-16位決定戦の豊田自動織機vsコカコーラ、13-14位決定戦の宗像サニックス対日野をJスポーツで解説していました。なので、決勝をライブで見ることはできませんでした。
ライブで見られなかったのは、もちろん僕だけではありません。同じ時間帯には三ツ沢でも、瑞穂でもトップリーグの順位戦が行われていた。トップリーグの、少なくとも6チームの選手と関係者、ファンは、決勝をライブで楽しめなかった。
僕が解説したキンチョウの2試合はともに引き締まった良い試合でした。今季は自動降格はありませんでしたが、入れ替え戦の組み合わせがかかったことで、緊張感のある試合になった。ただ、先週も書いたことですが、トップリーグの決勝は日本で最高の試合。みんながそこを目指している試合です。日本中のラグビーファンに、テレビでも良いからライブで、結果の分からない、ハラハラドキドキ感を持って見てほしかったと思うのです。

終始優位に試合を運んで優勝果たした神戸製鋼
しかし、実際の決勝は予想外の大差の試合になってしまいました。神戸製鋼には、今シーズンを通じてずっと勢いがあった。決勝ではその勢いが最初から出て、最後までそのまま行ききった。まさに神戸のシーズンを象徴する試合だったように思えます。

試合の流れを大きく変えたビッグプレー
試合の中で、一番のポイントになったプレーは前半35分の、神戸HO有田隆平のチャージでしょう。あれは本当に大きいプレーだった。有田は昨季までコカコーラにいた間はケガが多くて、なかなかシーズンを通して活躍できなかったけれど、新天地でチャレンジした今シーズンはケガもなく、一貫性のあるパフォーマンスをみせたと思う。日本代表を争う力はあるし、争ってほしい選手の一人です。
有田のプレーが象徴していたように、サントリーは常にプレッシャーを受けていました。攻めていても、守っていてもです。

そして、神戸で印象深かかったのは、ポジショニングの速さです。
神戸のアタックは、基本的に、パスの受け手のポジションに「ひし形」を作ることを目指しています。SHからのパスを受けられる選手が複数いて、そこから直進することも、内または外にショートパスを出してつなぐこともできる。フェイズ毎にパスの受け手のオプションを多くして相手を幻惑するのですが、この「ひし形」を作るのが本当に早かった。