欧州遠征へ白熱バトル! サクラフィフティーン候補菅平合宿レポート | ラグビージャパン365

欧州遠征へ白熱バトル! サクラフィフティーン候補菅平合宿レポート

2021/10/19

文●大友信彦


10月17日、長野県菅平で行われたサクラ15こと女子日本代表候補の強化合宿が終了した。
今回の合宿は、来年の10月にNZで開催されるワールドカップ(女子15人制)に向けた強化で、短期的には11月の欧州遠征に向けたもの。サクラ15は11月7日にカーディフでウェールズと、14日にエジンバラでスコットランド代表と対戦することが決まっていたが、さらに翌週の20日にアイルランドと対戦することも発表された。欧州に乗り込んでの3連続テストマッチは女子ラグビーでは初の壮挙となる。


今回の菅平合宿では10月15日の練習と16日にサニアパークで行われた紅白戦(20分✕3本)が公開された。

公式なメンバー表は発表されなかったが、当日確認したチーム分けは以下の通り(一部、確認し切れていない部分があります。また、両方のチームでプレーした選手もいることをおことわりします)


メンバー・赤

PR・ラベマイまこと(アルテミスターズ)

PR・ラベマイまこと(アルテミスターズ)

  • 1 南 早紀 横河武蔵野アルテミスターズ
  • 2 永田虹歩 国際武道大
  • 3 ラベマイまこと 横河武蔵野アルテミスターズ → 井草彩野 ブレイブルーヴ
  • 4 櫻井綾乃 横河武蔵野アルテミスターズ
  • 5 佐藤優奈 東京山九フェニックス
  • 6 鈴木実沙紀 東京山九フェニックス
  • 7 長田いろは アルカス熊谷
  • 8 齋藤聖奈 三重パールズ → 小西想羅 横河武蔵野アルテミスターズ
  • 9 阿部 恵 アルカス熊谷
  • 10 安尾琴乃 ブレイブルーヴ
  • 11 名倉ひなの 横河武蔵野アルテミスターズ
  • 12 中山潮音 横河武蔵野アルテミスターズ
  • 13 古田真菜 東京山九フェニックス
  • 14 谷口令子 アルカス熊谷
  • 15 庵奥里愛 三重パールズ
  • メンバー・黒

    PR・小牧日菜多(日体大)

    PR・小牧日菜多(日体大)

  • 1 小牧日菜多 日体大
  • 2 公家明日香 アルカス熊谷
  • 3 左高裕佳 名古屋レディース→牛嶋菜々子 日体大
  • 4 玉井希絵 三重パールズ
  • 5 北野和子 龍ケ崎グレース
  • 6 畑田桜子 福岡レディース → 永岡萌 龍ケ崎グレース
  • 7 伊藤優希 三重パールズ → 吉村乙華 アルカス熊谷
  • 8 永井彩乃 横浜TKM → マテイトンガ 三重パールズ
  • 9 津久井萌 横河武蔵野アルテミスターズ → 新原響 横浜TKM
  • 10 西村蒼空 アルカス熊谷
  • 11 本間美月 アルカス熊谷
  • 12 黒木理帆 アルカス熊谷
  • 13 平野恵里子 アザレアセブン
  • 14 磯貝美加紗 ながとブルーエンジェルス
  • 15 平山 愛 自衛隊体育学校
  • 前半1分、永田虹歩(国際武道大)の先制トライ

    前半1分、永田虹歩(国際武道大)の先制トライ

    試合は黒のキックオフで始まった。
    先制したのは赤だった。1分、6月の太陽生命ウィメンズセブンズ熊谷大会で腹部を負傷し、リハビリを経て9月の合宿から復帰した赤No8齋藤聖奈がタックルでボールを奪うとそのままカウンターアタックで前進、CTB古田真菜、FL鈴木実沙紀がつなぎ、HO永田虹歩が相手タックルを受けながら左中間に飛び込んだ。

    前半3分、黒PR小牧日菜多(日体大)がトライ

    前半3分、黒PR小牧日菜多(日体大)がトライ

    先制された黒もすぐに反撃する。キックオフからそのまま相手陣にステイ。キックを蹴らずにアタックを試みる赤にプレッシャーをかけ、ファンブルを誘うと、出足良く拾ったPR小牧日菜多が左中間にトライ。FB平山愛のコンバージョンも決まり黒が7-5と逆転する。

    SH津久井萌(アルテミスターズ)

    SH津久井萌(アルテミスターズ)

    その後は互いにディフェンスの圧力が相手アタックの精度を上回り、ハンドリングエラーで攻守が逆転する状況が続く。14分、黒はWTB磯貝美加紗の突破からFL伊藤優希が相手ゴールに迫るが、ディフェンスに阻まれノットリリースザボール。そこから赤は反転攻撃に移り、18分に再びHO永田虹歩がトライ。永田はメディアに公開された前日午後練習のアタック&ディフェンスでもアグレッシブな突破でフィジカルの強さ激しさをアピールしていて、この日の紅白戦でもその意欲を存分に発揮していた。

    谷口令子vs本間美月のアルカスWTB対決

    谷口令子vs本間美月のアルカスWTB対決

    最初の20分は赤が12-7とリードして終了。5分ほどのインターバルをはさみ、サイドの交替なしで2本目に突入すると、先にチャンスを掴んだのは赤。2分、FB庵奥里愛、WTB谷口令子の縦突破でチャンスを作ると、SO安尾琴乃-FB庵奥-大外に走り込んだFL鈴木実沙紀とつないで右隅にトライ。赤が17-7とリードを広げる。

    CTBで出場した平野恵里子、スペインから帰国後、アザレアセブンに加入した

    CTBで出場した平野恵里子、スペインから帰国後、アザレアセブンに加入した

    女子15人制日本代表キャップ23で齋藤聖奈と並び歴代最多記録を持つ鈴木は、グラウンド幅いっぱいを走り回るワークレートの高さと読みの的確さで、サクラフィフティーンに必要な存在であることを改めてアピールした。

    負傷から復帰したNo8齋藤聖奈(三重パールズ)

    負傷から復帰したNo8齋藤聖奈(三重パールズ)

     

    9月に三重パールズに移籍したマテイトンガ

    9月に三重パールズに移籍したマテイトンガ

    6分、今度は相手陣に攻め込んだ黒がPKを獲得。クイックスタートで攻めるが、パスが乱れ、赤がターンオーバーするとすぐにカウンターアタック。WTB名倉ひなのが左隅に押さえた。

    FB庵奥里愛(三重パールズ)

    FB庵奥里愛(三重パールズ)

    赤はさらに15分、クリーンブレイクしたFB庵奥里愛が約50mを独走、ポスト真下にトライし、SO安尾琴乃のコンバージョンも成功。赤は18分にもCTB中山潮音がトライを重ね、34-7まで点差を広げて2本目を終えた。

    SO安尾琴乃(ブレイブルーヴ)

    SO安尾琴乃(ブレイブルーヴ)

     

    NO8小西想羅(アルテミスターズ)

    NO8小西想羅(アルテミスターズ)

    インターバルをはさんで行われた3本目は、FBの庵奥と平山がチームを入れ替わるなど、メンバーをさらに入れ替えてキックオフ。2本目から入っていた赤のNo8小西想羅、黒のFL吉村乙華など期待の大型選手が力強いプレーを見せたのが印象的だった。特に小西は、タックルされても前進し、倒れてもいったん離したボールを起き上がりざまに拾って再び前進する、男子の姫野和樹の得意技「ダブルアクション」を2連続で見せる(トリプルアクション!)力強さを披露。
    昨年80㎏だった体重は現在「85㎏になりました」とフィジカルを強化。その小西に限らず、体が明らかに大きくなっている選手が多いのが印象的だった。

    小西想羅から中山潮音にオフロードパスが通り仕上げのトライ

    小西想羅から中山潮音にオフロードパスが通り仕上げのトライ

    結局、最後の3本目も赤が優勢に試合を進め、13分、SO安尾琴乃がチップキックを蹴って自ら捕り、右に走り込んだ鈴木実沙紀にパス、鈴木が再び走りきって右隅にトライ。19分にはまたターンオーバーからのカウンターアタックでゴール前まで持ち込んだ赤No8小西想羅からオフロードパスを受けたCTB中山潮音がトライ。最終スコアは44-7で赤が「勝利」した。

    戦い終えた選手たち、互いを称え合う

    戦い終えた選手たち、互いを称え合う

    20分✕3本の試合を終えたあとは、2人1組になって体をぶつけあい、四つに組みあって互いの体勢を崩し合うコンバットセッション。フィジカルの負荷の高いメニューを消化して公開練習は終了した。

    佐藤優奈(東京山九フェニックス)

    佐藤優奈(東京山九フェニックス)

    この日、印象的な活躍をみせた選手の名前をあげると、赤のHO永田虹歩、FB庵奥里愛、FL鈴木実沙紀。そのアタックを支えていたのは、PR南早紀とラベマイまこと、LO櫻井綾乃と佐藤優奈を中心としたFWのセットプレー、ブレイクダウンの強さだったろう。

    高校生で唯一参加したFL畑田桜子(福岡レディース)

    高校生で唯一参加したFL畑田桜子(福岡レディース)

    黒も接点の激しさでは互角以上に戦えていたが、ボールを奪ってもパスの精度に欠け、ボールがつながらない場面が目立ったが、そんな中でもWTB磯貝美加紗の攻守両面でのアグレッシブなプレーと走力は光った。高校生で唯一選ばれたFL畑田桜子も、年長の選手たちに混じっても物怖じせずにプレーしていたのが印象的だった。

    レスリーHCが講評

    レスリーHCが講評

     

    …と思ったら、そこからまたコンバットセッション。タフな1日だった。

    …と思ったら、そこからまたコンバットセッション。タフな1日だった。

     

    菅平合宿は17日で終了。27日から再び菅平に集合して応手遠征直前合宿を行い、31日に出発。7日にウェールズ、14日にスコットランド、20日にアイルランドと対戦する。なお、現在英国でプレーしているPR加藤幸子とCTB小林花奈子(ともにエクセター、横河武蔵野アルテミスターズ)、SO山本実(ウースター、三重パールズ)の3人については、現地でチームに合流する方向で調整が進んでいるそうだ。

    鈴木実沙紀(東京山九フェニックス)

    鈴木実沙紀(東京山九フェニックス)

    気になるのは来年のワールドカップ出場権をかけたアジア予選日程のその後だ。アジア予選には日本と香港、カザフスタンが出場。当初は昨年3月に香港で行われる予定だったがコロナ禍で延期。その後、いったんこの10月2日からドバイで行われるカレンダーがアジアラグビーのHPにUPされたが、諸情勢を受けさらに延期。10月18日の時点ではまだ何も明記されていない。世界ランキング(日本12位、カザフスタン15位、香港18位)で最上位かつ上位国との対戦実績がある(2019年にイタリアと引き分け、スコットランドに勝利)日本に推薦で出場権を与える案も検討されているようだ。

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