YOKOHAMA TKMが創部11年目で初優勝!太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ・熊谷大会 | ラグビージャパン365

YOKOHAMA TKMが創部11年目で初優勝!太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ・熊谷大会

2022/04/26

文●大友信彦


2014年に始まった女子7人制ラグビーの国内サーキット「太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ」2022が4/23-24の熊谷大会で開幕した。

大会には昨年と同じコアチーム12チームが出場したが、DAY1のプール初戦で自衛隊体育学校PTSに負傷者が出てメンバーを組めなくなってしまい、以後の試合を棄権。以後は11チームによる大会となった。


DAY1の各組順位は以下の通り


DAY1の各組順位は以下の通り
【プールA】①ながとブルーエンジェルス ②RKUグレース ③追手門VENUS ④北海道ディアナ
【プールB】①東京山九フェニックス ②YOKOHAMA TKM ③四国大 ④アルカス熊谷
【プールC】①三重パールズ ②日体大 ③チャレンジ ④自衛隊体育学校PTS

波乱が続いたのはプールBだ。過去最多の大会優勝回数10回を誇り、今回は地元開催で久々の優勝を狙ったアルカスが、プール3試合全敗。四国大戦は10-0とリードしてから追い上げられ、最後は17-17で迎えたラストプレーでサヨナラトライ&コンバージョンを決められてしまった。昨年の熊谷大会のアルカスといい、過去2度の鈴鹿大会のパールズといい、地元開催での特別な意識は、女子の場合は男子以上に難しい要素を含むのかもしれない。

そして迎えたDAY2。
1-8位決定トーナメントで決勝に勝ち上がったのは、昨年最後の大会、鈴鹿大会を制した東京山九フェニックスと、初優勝を目指すYOKOHAMA TKMだ。

抜群の攻撃力でトライを量産したニア・トリバー

抜群の攻撃力でトライを量産したニア・トリバー

フェニックスは準々決勝で追手門学院を31-7で下すと、準決勝は三重パールズを17-5で撃破。2019年には北海道ディアナ所属でシリーズ年間最多トライ記録となる30Tを記録したアメリカ代表ニア・トリバーが、準々と準決の2試合で7トライを量産するなど抜群の攻撃力を披露していた。

アテカ・レイヤモ

アテカ・レイヤモ

対するYOKOHAMA TKMは、前日のプール戦ではフェニックスに0-31で完敗したが、準々決勝では日体大を39-0で圧倒し、準決勝では昨年のシリーズ女王ながとブルーエンジェルスと対戦。19-19の同点から後半ロスタイム、フィジー出身アテカ・レイヤモが劇的サヨナラトライを決め24-19。2019年秋田大会以来2度目の決勝進出を果たしていた。

そして迎えた決勝。前日は0-31と完敗していたTKMが、激しいディフェンスでフェニックスに襲いかかる。準決勝まで豪快な走りでトライを量産してきたフェニックスのアメリカ代表WTBニア・トリバーにも2人、3人がかりでタックルに入り、それでいて他の選手もフリーにさせない。

松永美穂

松永美穂

「昨日は外国人選手を止めることにフォーカスして、その次のプレーへの意識が低かった。きょうは、外国人選手を止めた後、『次のプレーでボールを取り返すまでがディフェンスだよ』と声をかけあってディフェンスしました」(TKM松永美穂キャプテン)

前半6分、アシナテ・サヴが敵陣ゴール前までボールをキャリー。オフロードパスを放るが・・・

前半6分、アシナテ・サヴが敵陣ゴール前までボールをキャリー。オフロードパスを放るが・・・

0-0で進んだ試合は前半7分、フェニックスの自陣ゴール前のパスが乱れたところへTKMがプレスをかけ、フェニックスのニア・トリバーが拾おうとしたところにTKMの角川穂乃花が一瞬早く仕掛けてボールを奪取。トリバーがホールディングの反則を犯したところで内海春菜子(はなこ)がクイックスタート。そのままゴールポスト真下に飛び込み先制トライ。新原響のコンバージョンも決まり、一瞬のチャンスを活かしたTKMが7点をリードして折り返す。

ボールキープできずフェニックスボールに

ボールキープできずフェニックスボールに

 

フェニックスのパスが乱れ、ボール争奪戦でTKM角川がボールに絡み、ニアがホールディングのペナルティ

フェニックスのパスが乱れ、ボール争奪戦でTKM角川がボールに絡み、ニアがホールディングのペナルティ

 

内海春菜子がクイックスタートでトライ

内海春菜子がクイックスタートでトライ

 

新原響のコンバージョンも決まって7-0とリードして前半を終えた

新原響のコンバージョンも決まって7-0とリードして前半を終えた

後半も一進一退の攻防が続いたが、TKMは4分、フェニックス陣22mラインで得たスクラムからボールをつなぎ、レイヤモがポスト左にトライ。12-0とリードを広げると、次のキックオフからのこぼれ球を拾ったTKMグレイス・ククタイが電光石火、今大会7本目のトライを決める。

フェニックス・倉持美知

フェニックス・倉持美知

 

グレイス・ククタイ キックオフのこぼれ球を拾いそのままトライ

グレイス・ククタイ キックオフのこぼれ球を拾いそのままトライ

 

TKMはラストプレーでもディフェンスで相手にプレッシャーをかけてボールを奪い、新原響と角川穂乃花の突進でフェニックスゴールに迫り、タイムアップのホーンが鳴ったところで内海がタッチへ蹴り出し、歓喜のホイッスルを聞いた。

優勝決定!抱き合って喜ぶ内海と阪本(背番号8)

優勝決定!抱き合って喜ぶ内海と阪本(背番号8)

TKMは2011年8月、医療法人戸塚共立メディカルグループにより、女子ラグビー日本初の企業チームとして誕生(当時のチーム名は「TKM7」。故・上田昭夫さんが初代GM兼監督として強化をスタートし、2017年ワールドカップ日本代表に藤本麻依子、三村亜生、平野恵里子を送り込むなど日本代表も輩出した。

今季流経大からTKMに加入した永岡萌

今季流経大からTKMに加入した永岡萌

近年は大学生や他の一般企業に勤務する選手、外国人プロ選手も増えてきたが、選手の約半分は病院など医療機関に勤務しながらプレーしている。
今季は、熊谷大会に出場した内海、永岡萌がRKUグレースから加入したのをはじめ、大量12人の新人が加入。

松永美穂主将はかつてフェニックスに在籍。元チームメイトの岡田はるなと健闘をたたえあう

松永美穂主将はかつてフェニックスに在籍。元チームメイトの岡田はるなと健闘をたたえあう

 

「去年は、ケガしていなければ全員が出られるような状態だったけど、今年はメンバーが増えて、大会で出られない選手もいる。メンバーに選ばれた人は今まで以上に責任感を持って戦えるようになりました」と松永キャプテンは話した。

左から阪本結花・新原響・角川穂乃花

左から阪本結花・新原響・角川穂乃花

 

 

 

大友信彦
(おおとものぶひこ)

1962年宮城県気仙沼市生まれ。気仙沼高校から早稲田大学第二文学部卒業。1985年からフリーランスのスポーツライターとして『Sports Graphic Number』(文藝春秋)で活動。’87年からは東京中日スポーツのラグビー記事も担当し、ラグビーマガジンなどにも執筆。

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