サクラフィフティーン帰国・有水剛志ヘッドコーチが大会を総括「2021年に向けてベスト8入りは現実的な目標になる」 | Rugby Japan 365

サクラフィフティーン帰国・有水剛志ヘッドコーチが大会を総括「2021年に向けてベスト8入りは現実的な目標になる」

2017/08/29

文●斉藤健仁


8月28日、ラグビーワールドカップ2017・アイルランド大会に出場したサクラフィフティーンこと、女子ラグビー日本代表が帰国。チームを率いた有水剛志ヘッドコーチが大会を振り返った。

通用したのは、スクラム。しなかったのは、フィジカル、ブレイクダウンそして1on1のタックル

――本大会についてどう評価するか。


ありきたりですが、W杯本番の戦いを経験できたというのが素晴らしい成果だと思います。それだけで終わらず、それを乗り越えてベスト8をターゲットにしていたが、そこまでブレイクスルーできなかった。香港戦が終わって、最終日総括のMTGをしました。ターゲットとしていたレベルで通用したのがスクラムとクイックフェイズアタック。通用しなかったのがフィジカル、ブレイクダウン、1on1のタックルという話はしました。

ラグビー協会としてと、個人としてと2つ視点がある。選手には体感したものを2021年への4年間、個人で向き合っていってほしいと話をしました。個人でできるもの、フィジカル。BD、1on1タックル、プレースキックとジェネラルキック、これについては個人でやっていこうと。

――スクラムに関しては大会を通じてよかった場面もありました。


アイルランド遠征から自信はもっていました。遠征ではコントロールするスクラムを組めていた。W杯本番はフランス戦では駆け引きの部分で未熟さが出ましたが、真っ向勝負で組めたときはコントロールしたボールを出せていたので、それからのセットアタックでいいアタックできていました。


――今後の課題にあげていた「フィジカル、タックル」の部分。全体ではまだW杯レベルではないかもしれないが、PR江渕、FL末選手などは通用していました。


相対的にはスタンダード上げていこうという話になりますが、個人でみると、末は1試合30本以上タックルしているという驚異的な数字。櫻井、齊藤も30本以上しています。一発一発の精度を上げていきたい。フランス戦では1対1で止められる場面でも2人、3人かかっていた。そこですね。

――キックチェイスについてはあまりうまくいかなかった


エリアマネジメントは機能したと思う。初戦のフランス戦は地に足が付いていなかったので、スキルというよりW杯の場慣れとか最初の20分で出てしまった。アイルランド戦以降は自分たちの形を出せる時間がどんどん出てきた。香港戦の後半、相手の方がポゼッション高かったが、アタックでもディフェンスでもウチがゲームコントロールできたので危なげなく戦えた。

ベスト15に選ばれた、津久井萌選手

ベスト15に選ばれた、津久井萌選手

――SH津久井選手がベスト15に選ばれました。


間違いない。どんどんレベルアップしていると思うし賢い選手ですね。さすがに一年前W杯ベスト15はイメージしていないですけど、手前味噌ですが サクラフィフティーンでどんどん上手くなった。合宿に呼ばれていなかったときもボックスキックの練習を自分でやったきていたんですよ。一年前はまったく蹴られなかった。自分で学んで成長している選手です。

 

15人制の強化フォーマットを作るべき。定期的なテストマッチが行えるといい

――JRFU(日本ラグビーフットボール協会)への提言や要望はありますか


前向きな提言をしたいですが、予算の問題もありますけれどもどこかの国との定期戦、テストマッチをやりたい。シックスネーションズは現実的ではないので、オーストラリア、アメリカ、カナダとできればありがたい。それをやれば強くなるとはわけではないですが大きな要素になると思います。強豪との定期戦と国内のスケジュール、その2つを改善しないといけない。

――女子の場合、セブンズがオリンピック種目ということもあって興味も高く、15人制この先簡単に強化が出来る環境ではないかもしれません。


強化するフォーマットを作らないといけない。一方で、選手達の本音ですが、ベスト8に届かないところではないと今回の大会を通じて本当に思っているんです。その差は大きいということもわかっている。ただ夢物語ではないとういうことは感じているので、今後、15人制でW杯ベスト8が現実的な目標になると思います。今回、高校生の選手は、津久井は別として、15人制の女子ラグビーががどうなのかよくわからない子が多かったみたい。15人制からんでいなかった選手たち、そういう子たちが15人制を現実的に考えられるようになったと思います。

――15人制の経験者と新人ではプレーパフォーマンスはあまり変わらなかったように見えましたが。


私もそう思いました。チームとして110、120%にしようと話していましたが、20歳前後の若い選手が、セブンズアカデミーとかアカデミーをしっかりやってきたことも影響していると思います。

――任期については


わからないですね。間違いなくこれで一区切りだと思います。自分もここまでと考えていました。結果が出ても出なくても1人の体制が8年はよくないと考えていた。

チームをまとめた齊藤聖奈キャプテン(中央)

チームをまとめた齊藤聖奈キャプテン(中央)

――齊藤キャプテンの評価を。


素晴らしいキャプテンです。しゃべってうまくまとめるのではなく、プレーで見せて引っ張っていく、それを体現してくれました。

 

斉藤健仁
スポーツライター。1975年4月27日生まれ、千葉県柏市育ち。印刷会社の営業を経て独立。サッカーやラグビー等フットボールを中心に執筆する。現在はタグラグビーを少しプレー。過去にトップリーグ2チームのWEBサイトの執筆を担当するなどトップリーグ、日本代表を中心に取材。

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