早稲田佐賀高が来春ラグビー部を創部・早大OB山下昂大氏が就任 | ラグビージャパン365

早稲田佐賀高が来春ラグビー部を創部・早大OB山下昂大氏が就任

2020/06/25

文●編集部


25日、早稲田佐賀高校(佐賀県)が来春、ラグビーを創部することを発表。指導者には、昨年現役引退をした早大OBの山下昂大(東福岡―早稲田―コカコーラ)氏が就任する。記者発表での山下氏のコメントを余すことなくお届けする。

ゼロからのラグビー部、イチからのラグビー部を創る

左から、渡邉義浩理事長、山下昂大氏、吉江修校長

左から、渡邉義浩理事長、山下昂大氏、吉江修校長

山下氏「昨年の12月にアキレス腱を断裂し小学校1年生から続けていた24年間という現役生活を引退しました。引退後今年の4月から早稲田佐賀中学校高校の事務職として広報活動を行っています。この度採用していただくにあたりラグビー部の創設及びラグビー部の指導というお誘いをいただき喜んでお受けしました。

元々現役生活終了後は指導者になりたいという思いがありました。今回、ラグビー部を創設するにあたり、多くの方々のご協力やお力添えがありました。自分として、どんなチーム、どんな組織ににしていきたいかということを考え、その上でチーム理念というものを制定しましたので発表させていただきたいと思います。

早稲田佐賀高校ラグビー部チーム理念
「姿勢と行動で目の前の人に勇気と喜びを与える」


早稲田佐賀ラグビー部で過ごした3年間がその生徒の人生にどれだけ寄与できるかを考えました。生徒にとってこの3年間によって人間的な成長ができるクラブにしたいと思います。

15歳から18歳という多感な生徒に対して、漠然と人間的な成長であったり、人間力の成長といってもなかなか伝わりにくいと思います。もう少し具体的にいうと、人に勇気や喜びを与えることができる人間になってほしい。勇気や喜びというものは、結果だけによって与えられるものではありません。姿勢や行動を見たり知った人が感動し、心が動いた結果起こるものだと思っています。また、理念の中に「目の前の人」という言葉を使ったのは、不特定多数の人ではなく、目の前にいる、自分の大切な人にそうしたことを届けることができる人間になってほしいという思いが理念の根底にあります。


理念を追求し続けるための4要素

1.意思と意図 しっかりと自分の意思を持った上で、大人になってほしい。
2.自主自律 自発的に動き、自分のことは自分で行う。自分の規範に基づいた大人になってほしい。
3.Better than Before 常に良くなり続ける。今日の自分より、明日の自分。常に成長した自分になるために努力し続ける
4.Tough Choice ラグビーでも人生でもきついことたくさんあると思います。その中でもきつい選択をして、その壁を乗り越えられる大人になってぽしい。


もちろんラグビーを通してではありますが、クラブの文化として、こういうような人間育成や指導に挑戦していきたい。


――中学校の方はやらないのですか?


はい。中学校の方は唐津のラグビースクールがあり、地域ぐるみで指導体制を作っていこうと思っております。 僕も週末練習がない時にそちらの方に行って中学生の指導にあたりたいと思っています。


――昨年12月の怪我はどちらの足を怪我したのですか


右足です。


――その怪我が理由で引退を決めたのですか


もともと今シーズンで引退かなとは思っておりました それは決定的でした。


――今回のコーチ就任はどういったきっかけでしたか


学校の方からお誘いいただきました。引退後のことは当時監督だったコカコーラの向井(昭吾)さんと話をしていました。指導者の道に行きたい、高校生を教えたいという気持ちがありましたのでそう相談をしていました。そういうものはタイミングということもあるので、もしそういう話があれば快く送り出すよ、とは言っていただいておりました。

――教職はもともと持っていたのですか


教職は持ってます。体育です。(教師ではなく)事務職というのは、(ラグビーの)指導ができる時間を確保できるということもありますし 学校運営もしていってほしいというお話も頂いたので。



――ラグビー部としての活動は4月からですか

いや、今日こういう風に発表ができましたので、まず今週末、クラブに回って挨拶したいと思います。うちの学校は試験に合格しないと入学できないということもありますので主に福岡の子供達に声をかけていきたいと思います。(ラグビー部は)21年の4月から創部となります。それまでは準備をしたいと思います。

――(母校でもある)東福岡の藤田雄一郎先生には?


東福岡の方からも、コーチというお話も頂いていましたが、ゼロからのラグビー部、イチからのラグビー部というものに魅力を感じたので、(藤田先生には)チャレンジをしたいと伝えお断りしました。藤田先生は「俺ができることがあれば何でもするから」という快い返事もいただきました。


――全国のトップ校だと、10人ぐらいのコーチがいるというのが今は当たり前の状況ですがこれからのコーチ陣についてはどういった予定がありますか


当然必要になってくるとは思っています。ですが基本的には1年生の募集になると思いますので 人数もそこまで多くなるとは思いません。(クラブの)いいカルチャーを作っていくためにも、僕の目が全員に行き届く範囲で基本的なことを教えていきたいと思っています。そしてその子たちが2年生、3年生になった時に僕と同じような目線で後輩に指導できるような体制が作れれば、良い循環になるんではないかなと思っています。

最初は僕と教員の方でも顧問という形でついてくれると思うので そういう体制でやっていきたいと思っています。

早稲田らしさ、を根底に持ちながら、早稲田佐賀らしさ、オリジナリティーを作っていきたい。

―― 練習場所はグラウンドですか

校庭です。野球部とサッカー部があるので、グランドはなかなか広くは取れないと思います。学校の施設であったり、公共のグラウンド使ったり、浜辺だったり(笑)。最初は基本的なスキルということでまずは走らせるということであれば100 M を走ることあると思いますが今のところはそういう状況です。


―― 佐賀といえば佐賀工ですがいつぐらいに勝負ができるようになりたいですか

花園常連校38年連続で出ている高校に対していつまでに、なんて話をすること自体がおこがましいかもしれませんが、うちの学校にも花園を夢見て入学してくる生徒がいると思います。そういう子どもたちに対して失礼のないように、早稲田という看板を背負っていくわけですから一戦一戦、勝ちにこだわってやっていきたいと思います。


――ご自身が早稲田で学んだこと どういう風に生徒たちに落とし込んでいきたいと思っていますか

早稲田らしさ、といいますかスピーディーなラグビーであったり。言い方ちょっと悪いかもしれませんが力に頼らない、でかいやつ勝つ、重いやつが勝つというのではなく、もうちょっと頭を使ったラグビーを作っていけたらなと思っています

そういったものが根底にある中でプラスして早稲田佐賀らしさというオリジナルなものを出していければいいかなと思っています。


――高校の指導者を選ばれた理由というのは何かありますか


花園に行きたいというのもありますし、僕が東福岡で受けた影響というものも大きかったと思います。



ヒガシは本当に「楽しんで勝った」選手たちが意欲的になれる環境をつくりたい

――藤田(雄一郎)先生(東福岡高校監督)からの影響はどういうところに出てくると思いますか


藤田先生は熱さもあるんですけれど、僕ら当時のラグビー部スキル的なところは、僕がFWだったこともあって藤田先生から多くのことを教えてもらいました。そういう、しっかりとしたラグビー技術の指導と熱い想い両方を持ち合わせていけたらなと思います。


――東福岡での経験をどう生かしていきたいか?


ヒガシは本当に「楽しんで勝った」という感じでした。毎日ラグビーがしたくてたまらない環境だった。意図的に指導者の方々がそういう環境を作ってくれていたんだろうなと思います。一戦一戦楽しんで一生懸命取り組んだ結果が優勝につながったと思いますので、そういう経験を生かして、選手たちが意欲的になれる環境をつくっていきたい。



――21年の春に創部ということですが、今年は主にどういった活用をしていくんでしょうか


中学校周りに行ったり、まだ認知されてない学校だと思いますので、そういう普及活動をしていきたい。事務職として広報も兼ねていますのでそういう活動が中心になると思います。
あとは僕もラグビーを離れて半年くらい立つのでしっかりブラッシュアップしていきたい。


――(早稲田佐賀高は)全国から受験することができますね。そういう意味では選手集めは全国の中学から?


ここには1000人強ほどの生徒がいますそのうち650人が寮で生活をしています。さらに彼らの4割ぐらいが関東から来ています。そういう特色を活かしながらですね。(リクルートは)福岡が中心になります。福岡市内、ラグビーやっている生徒も多いです。なかなか、福岡の進学校に入れなかった子供たちが第2候補として早稲田佐賀を選んでくれればいいかなと思います。




――ジャージは早稲田大学と同じに?


はい。OB会会長、相良(南海夫・早稲田大ラグビー部監督)さんの許可をいただきました。


――指導者としての目標は


辻高志(当時早稲田大学監督)さんからも影響を受けていて。本当に根っこの部分。この歳になって、人を育てる、人に教えるということを考えると腑に落ちる部分が多いです。

ヒガシ、早稲田、強いチームでやってきた中の経験もありますし、負けることがなれてしまった状況で、チームをどういう方向にもっていくのかという経験は勉強になりました。できることならないほうがいいですが、かならずそういう状況も絶対あると思いますので。



――どんな生徒に来てほしいですか?



(ラグビー部の)「理念」のところに寄り添える人間、ということが一番だと思います。そういう姿勢の子が来て、ラグビーのスキルを教えるのが僕の仕事なので。結果ではなく過程にフォーカスしています。



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