桐蔭学園が東福岡に花園初勝利で決勝進出 | ラグビージャパン365

桐蔭学園が東福岡に花園初勝利で決勝進出

2019/01/06

文●編集部


準決勝第2試合は、桐蔭学園(神奈川)と東福岡(福岡)が対戦。これまで花園で東福岡に勝利したことがない桐蔭学園だったが、今年は、選抜大会でも勝利。「花園単独優勝」を目標として桐蔭学園にとっては何が何でも勝ちたい相手だった。

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第98回全国高校ラグビー準決勝 1.5

0-17とされた東福岡は前半13分、右WTB志氣陸王が右サイドを豪快に走り抜け反撃開始

0-17とされた東福岡は前半13分、右WTB志氣陸王が右サイドを豪快に走り抜け反撃開始

桐蔭学園は序盤から猛攻で得点を重ねる。「今大会一番の入りだった」(桐蔭学園・藤原秀之監督)と振り返るように2トライ2ゴール1PGで前半10分を迎え17−0と桐蔭学園が大きくリードした。

「展開力は東福岡さんの方が上だった」(桐蔭学園・FL西山周作)というように東福岡も、13分、自陣からのカウンターアタックでボールを広く展開してWTB志氣陸王がトライ。

劣勢の展開から冷静にゲームを立て直した東福岡SH友池瞭汰

劣勢の展開から冷静にゲームを立て直した東福岡SH友池瞭汰

18分、SO吉村紘のPGで10−17と東福岡が追い上げると、25分、桐蔭学園FL西山周作がビッグタックルで相手ノックオンを誘うと、LO今野勇久がすぐにチャンスボールを拾いあげる。

 

LO紀伊雄介のゲイン

LO紀伊雄介のゲイン

パスを受けたLO紀伊雄介が右サイドをアグレッシブにゲインし敵陣22mまで前進。さらにボールを継続し、HO紀伊遼平が豪快に走り抜けてトライ。

最後はハンドオフでディフェンスをなぎ倒しトライを決めるPR紀伊

最後はハンドオフでディフェンスをなぎ倒しトライを決めるPR紀伊

再びリードを広げられた東福岡だったが、前半終了間際、敵陣でボールをキープ、26フェイズ目、連続攻撃で桐蔭学園のディフェンスをくずしNO8西濱悠太がゴール中央にトライを決め17−24として前半を終えた。

ハーフタイムの桐蔭学園。藤原監督は円陣から少し離れて選手たちの話を聞いていた。

ハーフタイムの桐蔭学園。藤原監督は円陣から少し離れて選手たちの話を聞いていた。

 

前半追い上げ、後半に向かう東福岡

前半追い上げ、後半に向かう東福岡

 

後半キャプテン福井翔のトライで東福岡が猛追

後半キャプテン福井翔のトライで東福岡が猛追

後半スコアしたのは東福岡。4分、敵陣22m手前のラインアウトからドライビングモールで一気にゴール前まで押し込むとキャプテンのHO福井翔がゴール横にトライ。東福岡に勢いがつきはじめる。

強みとするモールで東福岡がゴールに迫る!

強みとするモールで東福岡がゴールに迫る!

6分、敵陣10m手前のラインアウト。HO福井はさきほどと同じように奥へスローイングすると東福岡はモール。22m手前まで前進し、再び福井がボールをキャリーしてゴール前へ。左へポイントをずらしてラックを組むと桐蔭学園ディフェンスにスペースができる。そのスペースを見逃さずPR木原優作がピックアンドゴーでそのままゴール中央へトライ。前半ビハインドだった東福岡が31−24と逆転に成功。

後半6分、PR木原(右)のトライで東福岡がついに逆転成功。

後半6分、PR木原(右)のトライで東福岡がついに逆転成功。

3回戦の石見智翠館、準々決勝の天理と強豪校との接戦を勝ちきっていた桐蔭学園は逆転を許したあとも冷静に反撃を開始。8分、ハーフウェイ付近の接点で、ボールへの集積が遅れた東福岡に対し、桐蔭学園がカウンターラックでターンオーバー。東福岡はたまらずオフサイドのペナルティーを犯し、桐蔭学園が敵陣へ前進。

後半10分、桐蔭学園FL渡邉誠人がトライ

後半10分、桐蔭学園FL渡邉誠人がトライ

ラインアウトでしっかりとボールをキープするとフェイズを重ねるたびに確実に前進。9フェイズ目、もともとはCTBのプレーヤーでありながらFLとして出場した渡邉誠人がディフェンダー2人をかわしてトライ。さらに難しい角度からのコンバージョンをSO津田貫汰が落ち着いて決めて再び同点31−31。

後半10分の時点でスコアは、伝説の死闘の末にドロー、両校優勝となった90回大会決勝と同じ「31-31」に

後半10分の時点でスコアは、伝説の死闘の末にドロー、両校優勝となった90回大会決勝と同じ「31-31」に

 

後半15分、桐蔭学園は渡邉のタックルによるターンオーバーから素早く展開、右WTB西川賢哉が勝ち越しトライ

後半15分、桐蔭学園は渡邉のタックルによるターンオーバーから素早く展開、右WTB西川賢哉が勝ち越しトライ

15分、東福岡SO宝田悠介が自陣10m付近で孤立。さきほどトライを決めた渡邉がファーストタックルで倒すと、一気に桐蔭学園ディフェンダーがプレッシャーをかけてターンオーバー。間髪おかず右サイドへ展開。SH小西泰聖がボールをもった時点で3対2の優位な状況。小西からパスを受けたCTB江川剛人、そして江川からパスをうけたWTB西川賢哉がタッチライン際を走り抜けトライ。36−31と桐蔭学園がリード。

後半18分、桐蔭学園SO津田貫汰がPGを成功、39-31と8点差をつける

後半18分、桐蔭学園SO津田貫汰がPGを成功、39-31と8点差をつける

直後のキックオフ、FB伊藤大祐が自陣から敵陣10mまでビッグゲインすると、さらにWTB佐々木隼が22m内側まで切れ込む。東福岡はオフサイドのペナルティーを犯してしまう。桐蔭学園はショットを選択。ゴール正面のPG、津田が難なく決め39−31とし8点差とした。

22分、再び追いかける立場となった東福岡は、敵陣の攻防で強みのモールで押し込み、福井がトライ。38−39と1点差として残り時間は7分弱。「ヒガシはモールだったりカウンターでトライを取るという分析通りに取られたという感じだった」(桐蔭学園・HO紀伊遼平)。モールで取られた3トライは予め想定していた桐蔭学園の選手たちは、ディフェンスより次のアタックに集中していた。

38-39と追い上げられた後半25分、桐蔭学園はFL西山周作が突き放しのトライを決め44-38に。

38-39と追い上げられた後半25分、桐蔭学園はFL西山周作が突き放しのトライを決め44-38に。

直後のキックオフ、高く蹴り上げたボールに対して桐蔭学園はプレッシャーをかけると東福岡はキャッチをミスし、桐蔭学園ボールのラインアウト。そこからボールをキープし、6フェイズ目、HO紀伊がゴールラインまで押し込むとSH小西がすばやく展開。東福岡ディフェンスが手薄になった状態でパスを受けたFL西山周作が右中間にトライ。コンバージョンを狙う津田。

SO津田貫汰がコンバージョンを決め、46-38。ワンチャンスでは追いつけない8点差をつける

SO津田貫汰がコンバージョンを決め、46-38。ワンチャンスでは追いつけない8点差をつける

これが決まれば再び8点差。残り時間を考えるとほぼ勝利を手中に収める。「あれが入ったら1トライされても逆転されないという点差になるということで、あの時は緊張しました。その中でも思い通り蹴ることができた」(津田)。津田が蹴ったボールはゴールに吸い込まれ成功。桐蔭学園にとっては大きな2点が追加され、46−38と再び8点差として残り時間はわずか。

残りロスタイムがないなか、自陣10m付近で東福岡はマイボールラインアウト。HO福井のスローしたボールはノットストレートで万事休す。その後のスクラムで桐蔭学園がボールをキープし津田貫汰がボールをサイドに蹴り出しノーサイド。桐蔭学園が46−38で東福岡に勝利し決勝進出を決めた。

最終スコアは46-38。桐蔭学園は花園では5戦目で初の東福岡撃破を果たした

最終スコアは46-38。桐蔭学園は花園では5戦目で初の東福岡撃破を果たした

 

「歴史的な勝利。東福岡さんに春も、冬も勝てたということは今の3年生、2年生、1年生に大きな自信」桐蔭学園 藤原秀之監督

――東福岡に花園で初勝利です。


歴史的な勝利をしてくれましたね。チームとしてもカルチャーになりますし、東福岡さんに春も、冬も勝てたということは今の3年生、2年生、1年生に大きな自信を与えてくれたと思います。

ここまでくるとお互い強いチームなので、天理さんも強いチームでしたし、石見智翠館さんもシード級のチームでしたから、幸いうちのチームはそういう強い相手と戦うことができたのでチームとしての成長段階にあると思っています。


――苦しい状況の中でも、冷静に戦うことができていたように思われますが。


年間通してやってきていますから。こういうシチュエーション――先攻する、逆転される、また逆転するといった展開は。ただ、自分たちの強みは何なのか、途中でボール離してしまったのであそこから2本取られて、「やっぱり駄目だね」という話を後半に向けてしたので、また後半最初に2本取られて、キックオフボールを競らせていったらまた流れが来ましたね。

今日の試合は、ボールを持っている時間が長い方が勝つというのが戦前からわかっていました。


――後半、いいところでカウンターラックが2本ありました。


あれは予定外でしたけれど、見事に中央のところからターンオーバーできたので、向こうも攻めづらくなったかなという印象がありますね。モールにこだわってくれて、(トライの)取り方が時間かかっていたのでそこは逆に助かったかもしれませんね。

(カウンターラックは)そこまでとれるとは思っていませんでした。ただ、うちのメンバーの方が足動いていたように見えました。上から見ていて。攻めればボールは継続できるし、(ラックへの)到着時間がうちの方が早くなっていたので、もしかすると取れるかなという予想はしていました。

差し込みが良かったですね。ファーストタックルが。西山のいいタックルがありましたし、あれでだいぶ流れが変わってきましたね。


――選手起用について。戦術的に先発とリザーブ、どういう意図がありましたか?


渡邉はもともとBKのプレーヤーなので、縦に入れるし、CTBもできる選手なので。そういうプレーヤーがFLにいるとリンクプレーもできますし、そこそこ前進もできると思いましたし、左で一本トライを取りましたし。本来はあそこにいないはずですが(笑)


――西山選手について

ケガがひどかったんで、もう復帰さえもできないかと思っていました。懸命なリハビリでここまでピックアップ連発していますから、次もやってくれるかなと思います。


――31−31(東福岡と両校優勝となった決勝戦のスコア)になった時、なにかよぎる思いはありましたか?


あの時にあと3つだなという話をしていました。うちは50(点)ないと足りないとスタッフには伝えていました。ショットが入って、あとトライ2つとってくれたのでよかったなあと思います。


――「花園は攻め勝たないと」と言われていらっしゃいましたが。


社会人になるとアタックは、スペースがなくなってきて難しくなってくると思いますので、スキルとかジャッジとはこの時期に身につけないと、大人になってからでは身につけることが出来ない部分もあるので、最終的には自分たちで決断するということをやらせてあげることが我々の役目なのかなと思います。


SH小西泰聖

SH小西泰聖

――そういう意味ではハーフ団のプレー選択は良かったですね。


良かったですね。(SH)小西はもう少し走ってもよかったかなと思いますけど。スペースはありましたけど、パスしてしまいましたね。天理さんはうちよりも早かったので、東福岡さんも早いですけれどそこまで前には出てこないので、天理さんでの経験はよかったですね。


――東福岡があれだけモールで来るという予想は?


ありました。もう、完全モールだろうなと思っていました。(モールからのトライ)は、あれは練習してきているのが見えたのでしょうがないと思っていました。


――SO津田選手のキックも試合を左右するものでした


1本だけ外しましたが、右の難しい角度からのキックを決めて8点差となったところで比較的楽になりましたね。


――ディフェンスの対応について


(天理の)フラットラインから、(東福岡の)ワイドのラインに対してよく対応してくれたと思います。ゲインはされていましたけど、そのあとの到達していたのはうちの方が早かったので。


――決勝について


(大阪桐蔭は)めちゃくちゃ強い相手ですね。(選手)みんなその強い相手とやりたがっていますから、楽しみなんじゃないですか。(キーは)うちがボールをしっかりと動かせるかどうかじゃないでしょうか。相手のフィジカルを1対1でしっかりと止められるか。最後まで走れる体力が残っているか…。最後はそこでしょうね。


昨年準決勝・60次を超える攻防。桐蔭学園はトライをすることができず敗退。

昨年準決勝・60次を超える攻防。桐蔭学園はゴールラインをトライをすることができず敗退。さて今年は…。

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