桐蔭学園連覇を果たした60分を振り返る | ラグビージャパン365

桐蔭学園連覇を果たした60分を振り返る

2021/01/10

文●編集部


1月9日、第100回全国高校ラグビー大会決勝が花園ラグビー場で開催された。参加63校の頂点をかけて戦うのは、桐蔭学園(神奈川)と京都成章(京都)の2校。桐蔭学園は勝利すると初の連覇。京都成章は初優勝となる。

両校のここまでの戦いは以下のとおり。

桐蔭学園

県予選決勝:19−17 東海大相模
1回戦:36−7 茗渓学園
2回戦:35−0 日本航空石川
3回戦:53−3 仙台育英
準々決勝:50−7 御所実業
準決勝:40−12 大阪朝鮮

京都成章

府予選決勝:28−0 京都工学院
1回戦:129−0 米子工業
2回戦:33−0 早稲田実業
3回戦:28−7 尾道
準々決勝:14−3 中部大春日丘
準決勝:24−21 東福岡

1年生から3度目の花園決勝に挑む、桐蔭学園・佐藤

1年生から3度目の花園決勝に挑む、桐蔭学園・佐藤

前日会見で桐蔭学園キャプテン・佐藤健次選手は京都成章の印象について「京都成章さんはFWに大きくて強い選手が多くいますし、BKにも速い選手も多いと思います。その選手たちをマークしながら、速いアタッキングラグビーが(成章の)強みだと思うのでそれに対して自分たちがどのようにラグビーしていくかが大事だと思います。」と話す。

京都成章・辻野

京都成章・辻野

一方、京都成章キャプテン・辻野隼大選手は、「ミスが少ないチーム。京都成章のディフェンスで相手のミスを誘い、そこからどれだけ得点をあげることができるかで試合展開が分かれてくる。」と話した。

藤原秀之・桐蔭学園監督は「確かに連覇のかかる試合ですが、私自身そういう風に今年はあまり考えていなかったですし、ここまで来られているということで選手たちはよくやってくれている。明日、チャンスをいただけるので、明日の1試合に懸けて準備を3日間やってきましたので、明日見ていて楽しい、やっていても楽しい。みんなが面白い、そんな試合をしたい。」と意気込みを話した。

湯浅秦正・京都成章監督は「思い切って1時間やってくれたらな。それだけです。」とシンプルに話した。

コロナ禍で春の選抜、夏合宿が実施できず、どの高校もチームづくりという点では例年のような強化ができない状況の中で勝ち進んだ両校。100回大会という記念すべき大会で頂点を掴むのはどちらか。14:05京都成章のキックオフで試合が開始された。

試合前のトス。風はほぼ横風だったが、桐蔭学園の佐藤主将は「あえて風下をとりました」

試合前のトス。風はほぼ横風だったが、桐蔭学園の佐藤主将は「あえて風下をとりました」

前半1分、桐蔭が自陣10m手前でサイドエントリーのペナルティー。成章はショットを選択しFB辻野隼大(3年)が落ち着いてきめ先制。

 

カウンターラックでボールを奪う桐蔭。

カウンターラックでボールを奪う桐蔭。

3分、桐蔭は敵陣22m手前でカウンターラック。ボールを奪い、10m付近ラックからアタックを繰り返す。桐蔭は15フェイズ継続するも、成章の前に出るディフェンスでなかなかゲインができずノックオン。

成章ディフェンスを前に桐蔭もさすがに簡単にはゲインができない。

成章ディフェンスを前に桐蔭もさすがに簡単にはゲインができない。

5分、成章陣内10m付近のスクラム。桐蔭が押し込みボールを奪いアタックを開始。しかし、成章ディフェンスをこじ開けることができず10フェイズ目にノックオン。成章にアドバンテージが出されたまま成章がアタックを開始。FL四宮勇斗が敵陣10m付近までボールをキャリーし、アドバンテージ解消。SH宮尾昌典がすぐさま右オープンサイドへ展開。外のスペースをついて22m内側までボールを運ぶ成章。

ラックからLO本橋拓馬へパスされるが、桐蔭LO小椋健介の低いタックルが本橋に突き刺さりノックオン。今度は桐蔭にアドバンテージが出された状態で展開。インプレーの時間が続き苦しい状況でもすぐさまボールをタッチに蹴り出すことなく、アタックを継続。1つポイントを作ったところでタッチキックでゲームを切った。

12分、桐蔭は自陣22m付近のスクラム。キックを蹴ることなく自陣からアタックを継続。成章の強固なディフェンスに挑むが、ゲインをきれないままキック。
13分、成章は10m付近のラインアウトからモールで押し込みアドバンテージを獲得。15分、ゴール前のラインアウト、成章はフェイズを重ねるも桐蔭LO青木恵斗がジャッカル。チャンスを活かすことができない。

粟飯原からボールを受けた中山がゴールに迫る

粟飯原からボールを受けた中山がゴールに迫る

桐蔭は自陣10m付近のラインアウトから、SH伊藤光希のオフロードパスがFL粟飯原謙につながりゲイン、粟飯原からPR中山大暉にわたって残り5m。FL大竹がトップスピードで入ってきてボールをもらい残り数m。成章はたまらずオフサイド。桐蔭はスクラムを選択。

桐蔭・佐藤はスクラムを選択

桐蔭・佐藤はスクラムを選択

 

19分、桐蔭は直後のスクラムで、NO8佐藤健次がポイントを作ると、LO青木がピックアンドゴーで相手ディフェンス3人を押し倒しトライ。WTB今野涼平のコンバージョンも決まって7-3と逆転。

 

青木がフィジカルの強さを活かしトライ。

青木がフィジカルの強さを活かしトライ。

21分、成章もチャンスを迎える。敵陣10m付近のラインアウトからPR中野裕翔のゲインで22m付近までボールをゲインするも、桐蔭HO中山がボールに絡み成章はノットリリース。トライにはつながらなかった。

24分、桐蔭は自陣15m付近のラックから1年生ながらここまで7トライを決めているFB矢崎由高が相手のタックルをくぐり抜けると一瞬の加速で2人のディフェンスの間を抜け、敵陣22m付近までキャリー。

さらに左右にステップをきってディフェンスを翻弄、5mまでボールを運ぶ。成章はオフフィートのペナルティー。桐蔭はショットを選択。今野が決めて10-3と桐蔭がリードを広げた。

成章はようやく28分、敵陣22m手前のラインアウトからFL四宮とLO本橋がゲインしゴール前までボールを運ぶとSH宮尾がパスダミーから自らボールをグラウディングしてトライ。辻野のコンバージョンも決まって10-10の同点とし前半を終えた。

ハーフタイム直前に京都成章が追いつき前半は10-10の同点

ハーフタイム直前に京都成章が追いつき前半は10-10の同点

 

勝負の後半、桐蔭学園のキックオフで試合開始。成章がフェイズを重ねハーフウェイ付近まで押し戻すも、桐蔭がカウンターラックでボールを奪いアタックを開始。PR中山が敵陣10mまでボールをキャリーしポイントを作ると左オープンサイドへ展開。

ハーフタイムを終えて桐蔭学園の猛攻にスイッチが入る。後半2分、青木が突進

ハーフタイムを終えて桐蔭学園の猛攻にスイッチが入る。後半2分、青木が突進

桐蔭NO8佐藤がハーフウェイからゲインラインをきる推進力でポイントを作る。粟飯原、青木、矢崎と同じく推進力が強いランナーで22m内側までボールを運ぶ。

成章のパスが乱れたところ、FL粟飯原がボールを奪いトライ

成章のパスが乱れたところ、FL粟飯原がボールを奪いトライ

それでも成章もSHにプレッシャーをかけ、ボールを奪いアタックを開始。しかし、成章のパスが乱れたところ、粟飯原がボールを奪うとそのままゴール中央へトライ。17-10と後半先にスコアをとった。

WTB今野がコンバージョンを蹴り込む

WTB今野がコンバージョンを蹴り込む

 

直後のキックオフ、桐蔭は信条である継続ラグビーで自陣からアタックを仕掛ける。深めにラインをひいて、CTB秋濱が自陣10m付近からハーフウェイまでボールを運ぶ。CTB榎本がゲインし、青木へパス。

榎本がゲイン

榎本がゲイン

 

青木がビッグゲイン

青木がビッグゲイン

すると、青木がビックゲインで一気に22m内側まで前進。タックルを受けながらもボールをキープ。

青木はタックルされながらボールを生かし

青木はタックルされながらボールを生かし

 

オフロードパスを受けたFB矢崎が前進

オフロードパスを受けたFB矢崎が前進

 

さらにサポートした佐藤が前に出て

さらにサポートした佐藤が前に出て

 

再びボールを持った青木が左に余ったWTB今野へ

再びボールを持った青木が左に余ったWTB今野へ

もう一度、サポートに入ってきた青木が相手ディフェンスを弾き飛ばし、今野へパス。今野が走りきりトライ。見事なノーホイッスルトライが決まり、桐蔭に流れが大きく傾く。

オフロードパスを受けた今野が左隅へ飛び込む。成章11小林のタックルを擦り抜けて左隅にトライ

オフロードパスを受けた今野が左隅へ飛び込む。成章11小林のタックルを擦り抜けて左隅にトライ

 

ここから桐蔭が引き離しにかかる。成章のキックがやや甘くなったところ、桐蔭はすかさず裏のスペースへボールを蹴り返すとボールチェイスのメンバーが成章を上回りプレッシャーをかける。桐蔭がカウンターラックでボールを奪いゴール前へ攻め込む。

フェイズを重ねる桐蔭。15フェイズ重ね、成章が我慢しきれずオフサイド。桐蔭はショットを選択。今野が決めて25-10とリードを広げた。


12分、成章は敵陣10m手前のスクラムからアタック。接点でプレッシャーを受けて攻撃のテンポがあがらずノックオン。桐蔭は敵陣へ蹴り返しエリアを挽回。成章は自陣10m付近から再びアタック。FB辻野が裏スペースにキック。反応したWTB小林修市がボールをキャッチし敵陣10mまでキャリー。

桐蔭ディフェンスがまだ整備されていない状況で右オープンサイドへ展開。順目に展開し22m手前までボールを運ぶが桐蔭の厳しいディフェンスでボールキープするのがやっとという状況。その後もフェイズを重ねるも後ろに押し戻されてしまい最後はパスが乱れスコアにはつながらなかった。

桐蔭ディフェンスがまだ整備されていない状況で右オープンサイドへ展開。順目に展開し22m手前までボールを運ぶが桐蔭の厳しいディフェンスでボールキープするのがやっとという状況。その後もフェイズを重ねるも後ろに押し戻されてしまい最後はパスが乱れスコアにはつながらなかった。

伊藤のトライで22点差とし、桐蔭はセーフティーリードとした。

伊藤のトライで22点差とし、桐蔭はセーフティーリードとした。

17分、桐蔭は自陣10mから相手パスが乱れたところをマイボールとするとCTB榎本拓真が15m付近までボールを運ぶとSH伊藤がためてディフェンスをひきつけながら、青木へパス。青木から矢崎にパス。矢崎から再び青木に。青木からWTB松田怜大に、松田から伊藤につなぎ勝利を引き寄せるトライ。スコアを32-10とした。

成章、山田がパワフルなランで前進

成章、山田がパワフルなランで前進

残り10分となってこれ以上引き離されたくない成章は21分、CTB山田歩季が相手に絡まれながらも力強いランで敵陣22mまでボールをキャリーすると、本橋がキープ。ただ桐蔭がカウンターラックでボールを奪うとSO中優人が裏スペースへショートパント。矢崎がハーフウェイ付近までボールを運び、放ったパスはタッチラインを割って成章ボールのラインアウトとなる。

25分、成章は相手ペナルティーからゴール前付近のラインアウト。絶好のチャンスを迎える。粟飯原がスチール。青木がゲインで自陣10mまで挽回するも成章がボールに絡みノットリリースザボール。成章がクイックでアタックを再開。桐蔭がオフサイド。

桐蔭・佐藤が相手からボールをもぎ取る

桐蔭・佐藤が相手からボールをもぎ取る

今度は成章がラインアウトをキープ。モールを組んで残り5m。成章はプレッシャーを受けながらなんとかボールをキープ。モールでペナルティーを獲得し、再びゴール前ラインアウト。意地を見せたい成章。29分、桐蔭・佐藤が相手からボールをもぎ取り万事休すかと思われたが、30分、成章が再びボールを奪いアタック。LO本橋が右隅へトライ。

成章は31分、ようやくLO本橋のダイナミックなトライで意地を見せた。

成章は31分、ようやくLO本橋のダイナミックなトライで意地を見せた。

 

SO中がボールを蹴り出し試合終了

SO中がボールを蹴り出し試合終了

残り時間はラストワンプレー。成章は自陣からフェイズを重ねハーフウェイ付近まで戻すも、最後は粟飯原がボールを奪い、SO中がボールを蹴り出し試合終了。32-15で桐蔭学園が京都成章に勝利し優勝。昨年に引き続き連覇を果たした。

 

 

見事2連覇を果たした桐蔭学園

見事2連覇を果たした桐蔭学園

 

初の決勝進出、勝利はできなかったものの準優勝という成績で新たな歴史を作った京都成章

初の決勝進出、勝利はできなかったものの準優勝という成績で新たな歴史を作った京都成章

 

SCOREBOARD

表彰式後のスコアボードにはバーチャル応援のみなさんの姿が映し出されていた

表彰式後のスコアボードにはバーチャル応援のみなさんの姿が映し出されていた

第100回全国高校ラグビー決勝 2021.1.9

  • TRY(3)
  • G(2)
  • PG(0)
  •  
  • 前半2分 PG 15.辻野隼大
  • 前半31分 T 9.宮尾昌典
  • 前半31分 G 15.辻野隼大
  • 後半30分 T 4.本橋拓馬
  • 後半30分 Gx 15.辻野隼大
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  •  
  • PENALTY
  • PK(12)
  • FK(0)
  • TRY(2)
  • G(2)
  • PG(1)
  •  
  • 前半19分 T 5.青木恵斗
  • 前半19分 G 14.今野椋平
  • 前半26分 PG 14.今野椋平
  • 後半2分 T 6.粟飯原謙
  • 後半2分 G 14.今野椋平
  • 後半5分 T 14.今野椋平
  • 後半5分 Gx 14.今野椋平
  • 後半11分 PG 14.今野椋平
  • 後半18分 T 9.伊藤光希
  • 後半18分 G 14.今野椋平
  •  
  • PENALTY
  • PK(3)
  • FK(0)
  • MEMBER_京都成章

    京都成章・辻野キャプテン

    京都成章・辻野キャプテン

  • 1 中野裕翔(3年)
  • 2 長島幸汰(2年)前半18分 OUT → IN 16 松本直明
  • 3 森山飛翔(1年)後半16分 OUT → IN 18 清水嵩輔
  • 4 本橋拓馬(3年)
  • 5 堤保澄(3年)後半7分 OUT → IN 20 中野喜介
  • 6 四宮勇斗(3年)後半12分 OUT → IN 21 コーエン モーガン一稀
  • 7 小山虎汰朗(2年)
  • 8 森達喜(3年)
  • 9 宮尾昌典(3年)後半11分 OUT → IN 22 西村建哉
  • 10 大島泰真(2年)
  • 11 小林修市(2年)後半24分 OUT → IN 23 徳永司也
  • 12 松澤駿平(3年)後半16分 OUT → IN 25 倉田渉
  • 13 山田歩季(3年)
  • 14 中川湧眞(3年)
  • 15 辻野隼大(3年)
  • 16 松本直明(3年)後半30分 OUT → IN 17 小池勇斗
  • 17 小池勇斗(3年)
  • 18 清水嵩輔(3年)
  • 19 堀田凌永(3年)
  • 20 中野喜介(3年)
  • 21 コーエン モーガン一稀(2年)
  • 22 西村建哉(3年)
  • 23 徳永司也(3年)
  • 24 福井真仁(3年)
  • 25 倉田渉(2年)
  • MEMBER_桐蔭学園

  • 1 倉島昴大(3年)後半6分 OUT → IN 16 山口湧太郎
  • 2 中山大暉(3年)
  • 3 田中諒汰(3年)後半3分 OUT → IN 18 麻生尚宏
  • 4 小椋健介(2年)
  • 5 青木恵斗(3年)
  • 6 粟飯原謙(3年)
  • 7 大竹智也(3年)後半16分 OUT → IN 25 小池隆仁
  • 8 佐藤健次(3年)
  • 9 伊藤光希(3年)
  • 10 中優人(3年)
  • 11 松田怜大(1年)
  • 12 榎本拓真(3年)
  • 13 秋濱悠太(3年)
  • 14 今野椋平(2年)
  • 15 矢崎由高(1年)
  • 16 山口湧太郎(3年)
  • 17 門脇浩志(3年)
  • 18 麻生尚宏(3年)
  • 19 菅澤克磨(2年)
  • 20 中島潤一郎(2年)
  • 21 小山田裕悟(2年)
  • 22 北川直宏(3年)
  • 23 真田隼翔(2年)
  • 24 原小太郎(2年)
  • 25 小池隆仁(3年)
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