FWで圧倒・東福岡が5年ぶりのタイトル獲得―選抜大会決勝レポート | ラグビージャパン365

FWで圧倒・東福岡が5年ぶりのタイトル獲得―選抜大会決勝レポート

2021/04/01

文●編集部


3月31日、埼玉県・熊谷ラグビー場Aグランドでは第22回全国高校選抜ラグビー大会決勝、桐蔭学園(神奈川)対東福岡(福岡)の試合が行われた。

優勝すれば史上初の大会4連覇となる桐蔭学園。2016年大会以来5年ぶりの優勝を目指す東福岡。試合は序盤から、東福岡が桐蔭学園の真骨頂でもあるカウンターラックでFWが相手ボールをターンオーバーし、トライを積み重ねた。

前半だけで5トライ。31-7で大きく桐蔭学園を引き離した東福岡。「疲れの部分はあった」(藤田雄一郎監督・東福岡)というように、前半から全開で攻めた分、後半、プレーの精度は下がった。桐蔭学園は前半途中からメンバー交代、さらに後半も早めの交代から息を吹き返す。

前半8分、PR西野のトライ

前半8分、PR西野のトライ

 

前半11分WTB遠藤のトライ。遠藤はさらに31分にもトライ

前半11分WTB遠藤のトライ。遠藤はさらに31分にもトライ

 

  

コンバージョンキックを蹴るのは、CTB平。

コンバージョンキックを蹴るのは、CTB平。

 

前半、桐蔭学園は17分、CTB森の1トライに終わった。

前半、桐蔭学園は17分、CTB森の1トライに終わった。

 

後半3分、桐蔭学園LO小椋がトライ

後半3分、桐蔭学園LO小椋がトライ

14-31とした桐蔭学園。ここで1本でもトライが取れていたら、後半の残り時間を考えてもまだまだ逆転ができる状況を作れた。しかし、ここは東福岡が一段ギアをあげて引き離す。

11分、FB井上春輝、14分、PR西野帆平の連続トライで43-14と29点差としセーフティーリードとなる。

後半16分、原小太郎のトライ

後半16分、原小太郎のトライ

王者・桐蔭学園はプライドを見せる。トライゲッターFB矢崎由高が見事な自陣からの70mを走り抜けるトライを含む4つのトライをあげ31-43まで追い上げるも序盤の失点があまりにも大きすぎた。後半終了間際、東福岡は敵陣22m付近でPKを獲得すると、ショットを選択。SO楢本幹志朗が落ち着いて決め試合終了。

FB矢崎由高の個人技で2トライ。最後までチームを鼓舞した。

FB矢崎由高の個人技で2トライ。最後までチームを鼓舞した。

 

「強いヒガシが戻ってきた」。まさに2016年、箸本龍雅(明治・サントリー)や福井翔大(パナソニック)、森勇登(明治・東芝)、丸山凛太朗(東海)、古賀由教(早稲田・リコー)らを擁した世代から遠ざかっていたタイトルを獲得。夏のセブンズ、そして冬の花園、追う立場から追われる立場になったヒガシに目が離せない。

追われる立場に。「引き離していきたい」東福岡・藤田雄一郎監督

東福岡・藤田雄一郎監督は「正直うれしい。桐蔭学園さんまで辿り着きたいと思っていた。内容がどうであれポイントが飢えになったことは評価したい。前半の最初にかけていました。FWがボールをよく取り返してくれた。選抜大会まで(そういった練習を)徹底的にやってきました。(後半の追い上げは)この天気で桐蔭学園さんとの試合ですから、そうなると思っていました。簡単には取らせてくれないです。」と試合を振り返った。

久しぶりのタイトル獲得について「まだ実感がわかないです。選手たちが頑張った結果なので、今シーズンいいスタートが切れる。『勝って帰る』ということがいい経験値になります。中学時代、福岡県選抜で優勝している世代で、『負けない』というものを持っている。(何かこれまでのチームとの違いは?)よく話をしますね。ミーティングもやるし、スタッフに対してもリクエストも多い。強いヒガシの頃はそういうものありましたね。」

さらに冬にむけて「フィジカルはまだまだ伸びるし、BKももっともっと精度があがってくる。強いラグビーを再構築したい。選手たちの自信になっていますし、昨年までの追う立場から追われる立場になったので、引き離していきたい。」と話した。


FWが率先して体を張るラグビーをしようとした 東福岡・八尋祥吾キャプテン

2回戦の松山聖陵戦で右太ももをケガし、準決勝の東海大大阪仰星戦から復帰した八尋祥吾キャプテンは「こだわってきたFWで戦って、BKでスコアとって優勝できて嬉しい。(決勝でも)これまでやってきたことと変わらず、FWが縦にゲインして、BKが取れるところでトライを取るという試合にしようと話していました。(決勝は)僕ら2チームしか味わえない舞台なので『楽しもう』と臨みました。

フィジカルや接点でFWが前に出れば、BKも自ずと勝っていける。FWが率先して前にいって体を張るラグビーをしようとしました。前半は思い通りでしたが、後半はうまく行かない部分がありましたが、最後、立て直すことができました。まだまだ反省すべき点もあるし、慢心しちゃいけないと思いますが、勝てたことは一つ良かった。」と喜びを語った。


チームのテーマは『覚悟』全てのプレーに覚悟をもって戦った 東福岡 楢本幹志朗ゲームキャプテン

負傷した八尋キャプテンにかわり、準々決勝、準決勝とゲームキャプテンを務めた楢本幹志朗選手は「前半はFWがフィジカルで勝ってくれて、そこでゲインできてBKも思うようにトライを取ることができた。(今日のテーマは)チームでは『覚悟』。一つのブレイクダウン、一つのタックル、一つのキャリー、全部に覚悟を持って、球を出す、相手を倒すという覚悟。前半からエンジン全開でいきました。後半に体力を残しておいても勝てる相手ではないので前半から飛ばしていこうと話していました。」と話した。

今後について「このままでは桐蔭さんも上げてきて優勝できないと思うので、夏、秋でしっかり上げていって、花園では圧倒して優勝するようなチームを作っていきたい」と意気込みを語った。

「今年は普通のチーム。チーム一体となってどこまでできるか。」桐蔭学園・藤原秀之監督

敗れた桐蔭学園も、新型コロナの影響で新チームになってから公式戦はこの大会がはじめて。4試合しか経験のない中でも京都成章、天理、大阪桐蔭といった関西の強豪チームに勝利しファイナルまで登りつめたのはチームの潜在能力の高さを表したもの。

これからチームを作り上げていく段階。桐蔭学園・藤原秀之監督は「今年は普通のチーム。みっちり練習しないといけない。チーム一体となってどこまでできるか。自分たちは何ができて何ができなかったのか。何を伸ばさないといけないのか、まだわからないけどヒントにはなった」と話す。

「5試合できたことは唯一、評価できるラッキーだった。特徴ある天理、FWが強い京都成章、大阪桐蔭、最後は全部が強い東福岡と対戦できた。FWが上がってこないとラグビーにならない。」とFWの成長を課題としてあげた。

「しんどい時に走ることが出来なかった」桐蔭学園・LO小椋健介ゲームキャプテン

またLO小椋健介ゲームキャプテンは、「東福岡さんは一人ひとりの接点でのプレッシャーが強くて何もやらせてもらえなかった。(自身のトライについて)たまたま空いたスペースに自分が走りこんだだけ、トライをとって自分のプレーで流れを変えたいと思っていましたが、しんどいなと思ったときに走ることが出来なかった。」と話した。

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