5日、熊谷ラグビー場では、関東大学対抗戦Aグループ、明治大学(4勝・勝点20)が慶應義塾大学(3勝1敗・勝点14)と対戦。試合開始早々にWTB海老原琥珀とCTB平翔大の連続ノーホイッスルトライを含む7トライで勝負を決め、後半、慶應に追い上げられるも10トライをあげ66-40で開幕から5連勝。勝点5を獲得し、25点とし首位をキープした。
「1年間春から積み上げてきたモメンタムのところをしっかり出せてトライを取ることができた」(明治・廣瀬雄也キャプテン)というように、序盤から明治がトライを量産。海老原・平の連続ノーホイッスルトライで明治が試合の主導権を握った。

明治WTB海老原琥珀のノーホイッスルトライ

平翔大のノーホイッスルトライ
前半8分にFL最上大尊がノーバインドタックルでイエローカードが出され明治が一人少なくなるも、16分、敵陣ゴール前からラインアウトモールを押し込みPR為房慶次朗がトライを決め19-0とリードを広げた。

先発デビューしたFL最上大尊(1年)

慶應がラインアウトボールをスチール

萩原周

慶應SO山田響がPGを狙うも失敗
対する慶應は21分にようやくLOシュモックオライオンがトライを返すも23分にはCTB廣瀬、26分にはFL福田大晟とBK、FWが交互にトライを決めリードをさらに広げた。28分、慶應はSO山田響が個人技で敵陣10mからスペースを抜けてトライを決めるも、47-14と名大が大きくリードして前半を折り返した。

山田響がタッチライン際を抜けてキック、50-22が決まる

21分、慶應LOオライオンがトライ

慶應・SO山田が敵陣10m付近から仕掛ける

左にステップを切ってさらに前進

今度は右にステップを切ってさらに前進

あとはインゴールへ

山田が非凡なランニングスキルでトライ
後半最初にチャンスを迎えたのは明治、48分、素早いパスで中盤をゲインしHO松下潤一郎が抜け出すとPR中山律希へのオフロードも決まりインゴールに迫るが、ここは慶應NO8冨永万作がグラウディングさせない。それでも明治は直後のアタックでボールを継続し、CTB平がこの試合2本目のトライを決め52-14とした。

自陣から仕掛ける海老原

廣瀬雄也

伊藤耕太郎

ハイボールをキャッチする大野嵩明

佐藤大地のキックチャージ

平翔大のタックル

FB秋濱悠太

WTB安田昂平

HO松下潤一郎が突破

中山律希がゴールに迫るも

慶應NO8冨永万作がグラウディングさせない

SO伊藤からのパスを受けたCTB平が体勢を崩しかけるも

体勢を戻して

平がトライ
慶應は59分、LOオライオンがトライを返し息を吹き返すと、直後の62分、明治がドライビングモールで敵陣中盤まで押し込み、CTB廣瀬が逆サイドのスペースへキックパスを試みるもこのボールが慶應FB今野椋平に入りそのままトライを許し、慶應を勢いづかせてしまう。

廣瀬雄也のキックパスは・・・

今野椋平に入りそのままトライ
その後、明治がSH萩原周、CTB平のハットトリックで再び突き放すも、伝統の明慶戦で慶應が最後まで諦めず食らいつき、75分、LO中矢健太、82分、NO8冨永万作が連続トライを決め、試合終了。最終的なスコアは66-40と両チーム合わせて100点を超える乱打戦となったが、後半だけのスコアを見ると慶應が26-19と明治を上回り、次戦につなげた。

海老原琥珀が敵陣にボールをキャリーしチャンスをつくると

伊藤利江人がゴール前に迫る。報徳学園コンビが前進させた

萩原周が仕上げのトライ
勝利した明治は次戦、大学王者・帝京大学との全勝対決に挑む。敗れた慶應は今年度は国立競技場で開催される「早慶戦」を迎える。

MIPは慶應CTB三木海芽

POMは明治・SO伊藤耕太郎
明治大学 神鳥裕之監督監督
素晴らしい環境で試合をできたこと、関係者の皆様に感謝申し上げたいと思います。今日の試合は「ん~」という感じですね。最初入りは本当に良くて、しっかり最初の20分で相手の勢いをとめて自分たちのラグビーをしようという形で入ったんですけど、慶應さんもそう簡単にはいかないということはわかっていましたが、不用意なトライがあったり、ちょっと簡単に取られるところがありました。
相手に勢いを取り戻させてしまう時間帯をたくさんつくってしまったということは反省点かなと思っています。勝って反省できるようことは、本当に我々にとってもいれば一番大事にしているところなので、次の帝京戦にむけてしっかりとまたレベルアップして挑みたい。
――帝京戦に向けて。帝京は早稲田戦でスクラム圧倒していましたがどう対抗しますか
まだ映像を見てみないとわからないんですけど、我々はそこのセットプレーのところでしっかりと戦いたいというのはシーズン当初から準備しているところなので、まずは相手どうこうというよりかは明治のスタイルというか、明治のラグビーをしっかり帝京大学さんにもぶつけることができれば当然チャンスはあるというふうに感じています。
明治大学 廣瀬雄也主将

廣瀬雄也主将
まず伝統のある明慶戦に勝利できたことをすごく嬉しく思っています。前半、監督の言われたとおり、自分たちのやりたいラグビーができて、いい形で前半を終えることができたんですけれども、後半は自分たちの交代とかそういう一つひとつの流れで自分たちの波に乗れなかった。慶應さんもプライドを持って戦ってきて、自分たちがそのプライドに対して、明治のプライドを出せずに後半を終わってしまった。

後半だけのスコアでみれば慶應さんにまけているんで、本当に自分以外の選手も本当に納得いかない試合だったと思います。勝って反省できたということは、今日すごくいいことだと思いますので、次の帝京戦にむけて今日出た反省をしっかり活かして挑みたいです。
――2本連続でノーホイッスルトライを取れたということでチームの状況はどうだったか
僕はプレースキックをしていたので、ハドルでチームがどういう会話をしているかわからなかったんですけども、本当に慶應さんに対してしっかりと自分たちが用意したもの、1年間春から積み上げてきたモメンタムのところをしっかり出せてトライをとることができたのはすごく良かったので、チームの雰囲気としてもすごくいい感じで入れたと思います。満足せずにもう1回ゼロという気持ちで、自分たちがやってきたことをもう一度出していこうと話していたと思います。

――一人少なくなった状況でも落ち着いてプレーができていましたが
シンビンがでて一人すくなかったんですけども、そこでパニックになっちゃうと慶應さんんい波に乗られちゃうので、全然一人少ないからといって別に自分たちのがやることかわらないんで、しっかりみんなで同じ画をみてやれたことが、前半の点数差になったんじゃないかと思います。
慶應義塾大学 青貫浩之監督

青貫浩之監督
今日の試合は、今年の目標として掲げている早慶戦に向けて非常に大事な試合だということで挑みました。今日の試合を100%挑戦して、よいものにできなければ、次に全く繋がらない、そういう話をしていました。前半はご覧のとおり大差の結果をとなってしまいました。あればやはり前半1本、2本と明治さんにトラ荒れた後、受けに回ってしまったというのが一番大きいと思います。
ハーフタイムに今日のプランを徹底しようという話をして、後半それが少し改善できてスコア的にも明治さんを上回れたというのは、非常に大きな収穫だと思っています。今日の試合、良い点も悪い点も含めて、次に繋がるように成長していきたいと思っています。
――早慶戦にむけて強化したいところ
タックルです。

――ハーフタイムには
明治さんはフィジカルが強くて、FWもBKも前にゲインをとってくる。それに対して自分たちが引かずに前で止める。ということをまず一番大事にするポイントとして話をしました。後は前半少し明治さんに流れを持っていかれてしまったのは自分たちの規律の部分もあるかなという話もありましたので、後半その部分も改善していこうと話しました。
慶應義塾 PR岡広将キャプテン

岡広将主将
明治戦は個人的にもすごく気持ちをかけて臨んだつもりだったんですけど、やっぱり前半の部分で前半の部分で大量得点をとられてしまうというのは準備不足の部分が否めないのかなというふうに感じております。後半スコアを重ねることができたんですけど、自分たちが何を大事にしたいのかというのをもう1回考え直して、早稲田戦に向かっていければなというふうに思っています。
慶應義塾 SO山田響バイスキャプテン

山田響副将
今日の試合はスコアを見てわかる通り、前半は受けに回ってしまって、後半自分たちのプランを遂行することができたため、このように得点を重ねることができ、(ディフェンスでも)得点を抑えることができたのかなと思っています。次戦、目標にしている早慶戦があるのでそこに向けては、良い収穫ができたと思うので、それを活かして勝利につなげていきたいなと思っております。