シックス・ネーションズ2019ラウンド2直前SP|カーン・ヘスケス(宗像サニックスブルース)インタビュー | Rugby Japan 365

シックス・ネーションズ2019ラウンド2直前SP|カーン・ヘスケス(宗像サニックスブルース)インタビュー

2019/02/09

文●WOWOW


日本が大躍進した2015年のラグビーワールドカップ。ゴールキックを次々と決めた五郎丸歩やキャプテンのリーチ マイケルとともに、象徴的な存在となったのがカーン・ヘスケスだ。スポーツ史上最大の番狂わせと言われた初戦の南アフリカ戦で、後半ロスタイムの劇的逆転サヨナラトライを決めたのがこのヘスケス。
ニュージーランドで生まれ、日本に来てからインターナショナルな存在になったフィニッシャーに迫った。

僕はニュージーランド人だけど日本は祖国だと思っている

――ニュージーランドで生まれ育ったヘスケスさんは、何歳頃からラグビーを観たり、プレーし始めたのでしょう?


そうだね……。いつラグビーを見始めたかは覚えていないけど、最初にプレーしたのは5歳頃だったね。
ニュージーランドではいつもテレビでラグビーをやっているから、みんな、2歳くらいからかな。テレビを観始めたときにはラグビーを観始めているんだ。家族みんなと一緒にね。プレーは、5歳くらいから始める子が多いよ。


――ニュージーランドでは身近にラグビーがあったんですね。ヘスケスさんの子供の頃の憧れの選手は?


最初に大好きになったのはジョナ・ロムーさ。それまで見たことがないようなプレーをして大活躍して、ニュージーランド中の子供たちに大人気だった。


――ヘスケスさんもロムーさんのプレーをまねた?


うん。でもロムーみたいにプレーするのはとても難しかったよ(笑)。


――ロムーさんのプレーで特に忘れられないのは?


全てさ。彼が走ると誰もタックルできなかった。人を吹っ飛ばしながら(笑)走っていくんだからね。

伝説的WTB ジョナ・ロムー氏

伝説的WTB ジョナ・ロムー氏

――ヘスケスさんはニュージーランドではNPC(NZ選手権=いまのマイター10カップ)でプレーしました。NPCでのプレーはどんなものでしたか?


NPCは競争が激しいリーグで、僕にとってはラグビーキャリアを伸ばす足掛かりになった。NPCでは若手が多くプレーしていて、みんなスーパーラグビーを目指していた。来日前の僕はそこで揉まれながらプレーしていたんだ。


――日本に来ることを決めた理由と日本のラグビーの印象は?


そもそもは、日本でプレーするチャンスがあったから来たというだけのことだった。日本のラグビーについては全く知らなかったんだ。でも日本に来てみたら、日本の選手は動きがすごく速くて、いつまでも走り回れる。すごいなあと感じたよ。


――トップリーグでプレーすることはヘスケスさんにとってどんな感覚ですか? ニュージーランドでのプレーとどっちが自分に合う?


そうだね、どっちでもプレーできるよ。ただ、日本に来たばかりの頃の僕は、日本のプレーに適応する必要があった。僕はトップリーグの日本人選手ほど走れなかったし、トップリーグで戦えるよう努力して改善したよ。


――もう日本に8〜9年いますが最初からこんなに長くいると思った?


全然(笑)。来る前は日本のラグビーも生活様式も全く知らなかったしね。でも、日本に来た最初のときから皆親切で楽しかったからね。1年たった時「もっと日本にいたい」と真剣に思って、ニュージーランドでの夢を諦めて、かわりに日本で頑張ることに決めたんだ。そのときの決断はよかったと今は思ってるよ。


――ヘスケスさんは日本代表になって2015年のワールドカップに出場しましたが、ニュージーランド人のあなたが日本代表としてテストマッチを戦うのはどんな気分なのですか?


そうだね……。僕はニュージーランド人だけど、もう成人後の時間の半分以上は日本で過ごしているし、日本はもう故郷だと感じている。だから母国のために戦っている感じだね。僕は日本人ではないけれど、日本のために戦っているっていう気持ちが強いんだ。


――日本のファンにとっては嬉しい言葉です。そして、多くの日本のファンが覚えているのがワールドカップ、南アフリカ戦でのあなたの逆転トライです。


あの場面だね(笑)。ものすごくプレッシャーがあったけれど、あの瞬間やるべきことはシンプルだったんだ。低い姿勢を取って、ボールを落とさず、全力でラインに突進することさ。僕より大きくてパワーもある南アのJP・ピーターセン(元パナソニックワイルドナイツ)がタックルに来て、立ちはだかった…。僕がコーナーに突っ込むか、彼が僕をタッチに押し出すか、さあどっちだ?っていう状況になったけど、何とかトライできた。
トライしたときは、信じられない気分だった。ラストプレーということは分かっていたからね。歓喜の嵐と大歓声で、何も聞こえなかった。


――あの試合にあなたが投入されたのは最後の5分くらいですがベンチで見ていて「勝てる」と思っていましたか?


ベンチにいる間は応援に専念していた。「行け」と言われた時は72分くらいだった。でもそこからプレーが長引いてしまって、実際に僕が入ったのは試合終了直前だったと思う。自分では、勝ち負けを考えすぎないようにして、自分にできることをしようと、それだけを思っていた。


――ヘスケスさんのトライの伏線として、皆が覚えているのはリーチ マイケル主将が相手ゴール前のPKで同点PGじゃなく、逆転を狙ってスクラムを選択したことです。多くの人に「ブレイブ・チョイス」と称賛されたあの選択をどう思いましたか?


ブレイブ・ブロッサムズ(日本代表チーム)のためのブレイブ・チョイスだね(笑)。いま振り返ると正しい選択だったと言えるけど、あの時はキャプテンのリーチが難しい中で決断したし、残りの選手は主将の指示に100%従ったんだ。とても勇敢な選択だったと思う。


2015年ワールドカップ・決勝の逆転トライ

2015年ワールドカップ・決勝の逆転トライ

――あの試合にあなたが投入されたのは最後の5分くらいですがベンチで見ていて「勝てる」と思っていましたか?


ベンチにいる間は応援に専念していた。「行け」と言われた時は72分くらいだった。でもそこからプレーが長引いてしまって、実際に僕が入ったのは試合終了直前だったと思う。自分では、勝ち負けを考えすぎないようにして、自分にできることをしようと、それだけを思っていた。


――ヘスケスさんのトライの伏線として、皆が覚えているのはリーチ マイケル主将が相手ゴール前のPKで同点PGじゃなく、逆転を狙ってスクラムを選択したことです。多くの人に「ブレイブ・チョイス」と称賛されたあの選択をどう思いましたか?


ブレイブ・ブロッサムズ(日本代表チーム)のためのブレイブ・チョイスだね(笑)。いま振り返ると正しい選択だったと言えるけど、あの時はキャプテンのリーチが難しい中で決断したし、残りの選手は主将の指示に100%従ったんだ。とても勇敢な選択だったと思う。


――あの南ア戦の勝利であなたの人生はどう変わりましたか?


多くのスポーツファンがあの瞬間を話題にし、僕も写真やサインを求められるようになった。メディアに出てラグビーを知ってもらう機会も増えたし、キッズラグビーの参加者も増え日本代表や地元チームの選手のことを知っている子供たちも増えた。日本社会にラグビーが、より浸透して良かったよ。


――いまは日本に住んでいますが、外国のラグビーをテレビで観ますか?


主にスーパーラグビーを観ているね。できるだけ多くのスーパーラグビーの試合を観ようとしているよ。シックス・ネーションズは時差があるから生で観るのは難しいけど、ハイライトは見ている。


――外国のラグビーを観るときは、何に注目していますか?


各チームの試合へのアプローチの違いが面白いね。たとえば、大型のチームと小型のチームでは戦術が違う。
どのチームも勝つために、チームの特色に合った独自の戦術を立てる必要があるよね。だから、各チームの作戦を見て、どんなアプローチをしてるかに注目しているよ。


――海外で注目しているチームやコーチはいますか? その理由は?


今、一番注目しているのはスーパーラグビーのチーフスだね。マイター10カップ(旧NPC)もワイカトだね。やっぱり(笑)。
理由はね…何年前だったかな。チーフスでは大勢の負傷者が出て、若手を大量に投入して戦わなければならなかった。それでも彼らは勝ち続けたんだ。負傷者がたくさん出ても、力を合わせて、チームの誇りとラグビーへの情熱を見せてね。チーフスのそういうところが好きなんだ。


――奥さんのカーラさんもニュージーランド代表チームで活躍していますが、お互いにどのように影響しあっていますか?


彼女は賢明な選手だからね。僕が彼女を助けることよりも、彼女が僕を助けてくれることの方が多いね。彼女が僕にアドバイスしてくれるんだ。


――どんなアドバイスを?


そうだね…。「アタックのとき、あなたはなぜ横に行くの? まっすぐ突っ込んだ方がいいパスもできるわよ」とかね。勉強になるよ(笑)。


――ヘスケスさんは、これからどんなキャリアを重ねていきたいですか?


今は1年1年ラグビーに取り組むことだけ考えている。サニックスのためにプレーすることが、今見えている一番のゴールだ。そして、サニックスのラグビーが今後どうなっていくか見てみようと思うんだ。



カーン・ヘスケス(Karne HESKETH)
1985年8月1日、ニュージーランド、ホークスベイ地区ヘイスティングス生まれ。178㎝/105㎏。5歳でラグビーを始める。ネーピア・ボーイズ高校-オタゴ大を経てNPC(現マイター10カップ)オタゴでのプレーを経て2010年、25歳のとき来日してサニックス入り。2014年に初めて日本代表に選ばれ、11月の欧州遠征ルーマニア戦で初キャップ。2015年ワールドカップでは初戦の南アフリカ戦で後半38分に交替出場、ロスタイムに劇的な逆転サヨナラトライを決めた。妻カーラさんは女子ニュージーランド代表。2010年女子ワールドカップで優勝、MVP、トライ王に輝いた。


WOWOW番組情報

★「生中継!ラグビー欧州6カ国対抗戦 シックス・ネーションズ」
130年以上の歴史と伝統を誇る「シックス・ネーションズ」。ヨーロッパのラグビー強豪6カ国が参加して行なわれる大会の模様を全15試合生中継でお届けする!
【放送日】2/2(土)〜3/16(土)※開幕戦無料放送

(第2節)
スコットランドvsアイルランド 2/9(土)夜11:00〜[WOWOWライブ]
ゲスト:畠山健介選手
イタリアvsウェールズ 2/9(土)深夜1:30〜[WOWOWライブ]
イングランドvsフランス 2/10(日)夜11:50〜[WOWOWプライム]

(第3節)
フランスvsスコットランド 2/23(土)夜11:00〜[WOWOWライブ]
ウェールズvsイングランド 2/23(土)深夜1:30〜[WOWOWライブ]
イタリアvsアイルランド 2/24(日)夜11:50〜[WOWOWプライム]

■その他の放送予定は、WOWOWラグビーオフィシャルサイトをチェック!

http://www.wowow.co.jp/sports/rugby/

シックス・ネーションズ2019ラウンド1ハイライト





記事検索

バックナンバー

メールアドレス
パスワード
ページのトップへ