ラグビージャパン365創刊からご寄稿いただいている、スポーツライターの斉藤健仁さんが2016年に発表した「ラグビーワールドカップ2015観戦記」を特別に公開します。
エディー・ジョーンズHC(現・イングランド代表HC)率いる日本代表の戦い57試合全て現地で取材し迎えたワールドカップ2015・イングランド大会で何が起きたのか--全4回に渡ってたっぷりと観戦記をお楽しみください。
(文章は当時のままを掲載しております。※初掲「ゆるすぼ」2016年4月)
イングランドへの旅立ち
大学を卒業した後、サラリーマンで営業職を経て、スポーツライターになって20年ほどになります。ラグビーと主に欧州サッカーといった「フットボール」を中心に取材、執筆する日々です。
ラグビーに関しては2003年のワールドカップ(以下W杯)から取材し、4大会目の2015年のW杯で、やっと日本代表の勝利を目にすることができました! まさかその相手が南アフリカになるとは夢にも思っていなかったのですが……。
実は、名将・エディー・ジョーンズが日本代表の指揮官に就任した2012年から、ホームも含め、アウェーもすべて現地で57試合を敢行しました。「世界的名将の、あのエディーが率いるチームだから何かやってくれるはず!」という期待感が大きなモチベーションとなっていました。
2015年W杯で何が起きたかを中心に記事(日記?)を書いていこうと思います。第1回目は「準備編」です。
W杯のような大きな大会になると、まず取材許可(アクレディテーション)を得ることがフリーランスとしての重要な仕事になります。2015年大会は2月から登録がはじまり(4月末が締め切り)、5月くらいにはその返答が来るはずだったのですが、全然来ない……。
返信が来たのは7月に入ってからでしたが、「日本代表戦4試合取材OK」を見て、ホッとしたことを覚えています。
その後は飛行機、電車や宿を予約する作業に入ります。当時は1ポンド=190円くらい(現在は130円ほど)でした。「仕事とはいえ海外にたくさん行けてうらやましい!」と何度もなく言われたことがありますが、「全部自費ですよ!」と答えるとほとんどの人は驚かれます……。
W杯本番前に、まず9月5日にW杯直前の最後のテストマッチである日本代表対ジョージア代表(@イングランドのグロスター)の取材にいかなければなりませんでした。開幕戦の18日までの間をどうするか悩みましたが、結局イングランドに居続けることを決めました。