週末の雨模様から一転、好天に恵まれ、まさに小春日和となった博多の森陸上競技場。昨年、全国制覇を成し遂げた東福岡高校に挑むのは、今や決勝の「常連」といってもいい筑紫高校。持ち前の「筑紫魂」で最強軍団にどこまで食い下がれるかが注目された。
これまでに4回、花園出場の実績がある筑紫だが、92年にその歓喜を味わって以来、実に20数年の時を経ている。一方、東福岡は15年連続25回の出場を誇り、うち5回は日本一に上り詰めるなど、全国レベルの強豪だ。
今回の花園は記念大会ということで、九州地区からプラス1校、花園への切符が与えられる。東福岡の実績を鑑みて「おそらく福岡だろう」という声は聞こえるが、実際にはまだ決まっていない。発表は少なくとも24日以降になりそうだ。
さて、肝心の試合であるが結果からいうと東福岡の圧勝に終わった。スコアは52−5。
まずは東福岡のディフェンスが素晴らしかったことが挙げられる。
筑紫も果敢に攻めるがゲインを切れず、ターンオーバーやハンドリングミスでリズムに乗れなかった。惜しむべきは開始早々に自陣からビッグゲインを果たしたものの、インターセプトで逆にトライを許し出鼻を挫かれたことだろう。
東福岡はボールを貰う際スピードに乗っており、立ってプレイする機会が多かった。また接点でずらしてオフロードで繋いだり、ラックからのピック攻撃とBKでの揺さぶりを交互に使い分けることで、筑紫ディフェンスのタックルポイントを定めさせなかった。
また、東福岡が勢いのある時間帯で「あえて」FW勝負をかけたところも見どころの一つだろう。これでメンタル面も含め「筑紫FWのフィジカル」という長所は消されたといってよい。後手に回った筑紫を東福岡が包囲する形で後半は特に差が出たように思える。
筑紫も再三チャンスは作るがあと一歩が及ばない。ミスで終える。しかし、そこは修正できる点でもあり仮に福岡にもう一つ花園枠が与えられれば十分戦えるであろう。
試合後、東福岡キャプテンの服部と藤田監督は同じ言葉を口にした。
「連覇を目指します。連覇をする権利はウチにしかありませんので」
No.8の服部の他にもLOアレックス、箸本、FB古賀、WTB廣渡といったタレントが超高校級のプレーを見せており、花園でも十分な活躍を期待できそうだ。今期2冠の東海大仰星に土をつける筆頭候補は東福岡と見てまず間違いないだろう。
(取材強力・NOW RIVALS)