6月中旬、森に囲まれたカナダ・バンクーバーのグラウンドで、人一倍、声を張り上げて練習に取り組んでいたのがCTB中村亮土だった。大学3年時、「エディー・ジャパン」1年目から日本代表に選出され、昨シーズンは主将として帝京大の大学選手権5連覇に大きく貢献した青年は、今シーズンからサントリーサンゴリアスに加入し、さらなる飛躍の時を迎えようとしている。そんな中村選手に3年目となる日本代表としての「今」の心境を聞いた。
――6月の北米遠征が、日本代表として、アジア以外の初の遠征参加になりましたね。
中村 今シーズンのパシフィックネーションズ・カップ(PNC)のメンバーに選出されて、北米遠征に連れてきてもらいましたが、遠征に来ていないメンバーより実力があるとは決して思っていません。ただ日本代表に選ばれて3年目なので、チームのメンバーややり方、戦術などには慣れてきました。
――昨シーズンはキャプテンとして帝京大を大学選手権優勝に導きました。自信になった部分もあるのではないでしょうか?
中村 もちろん、昨シーズン、帝京大で主将を務めて5連覇を達成した過程の中で自信になったことはあります。ただ日本代表の中では一個人として判断されますし、世界を相手に戦っているので、そこまで自信というものはありません。