大学ラグビー開幕直前・夏練習試合レポート、注目の明治対天理の戦いはドロー | ラグビージャパン365

大学ラグビー開幕直前・夏練習試合レポート、注目の明治対天理の戦いはドロー

2022/08/23

文●斉藤健仁


8月21日(日)、長野・菅平高原にあるサニアパークで、ともに大学王座奪還を狙う関東対抗戦の明治大(2018年度王者)と関西大学Aリーグの天理大(2020年度王者)の東西の強豪同士が激突した。

ともに相手のディフェンスの前にゴールラインを割ることができない時間が続く中、先制したのは明治大だった。前半23分、自陣のラインアウトからのアタックを仕掛けて、SO伊藤耕太郎(3年)が抜けだし、最後はフォローしたHO松下潤一郞(3年)が左中間に押さえて5-0と先制する。

明治HO松下潤一郎の先制トライ

明治HO松下潤一郎の先制トライ

天理大も負けじと38分、相手陣奥で得たラインアウトのチャンスからモールを押し込み、PR松野楓舞(2年)が押さえてトライ、5-5の同点で前半を折り返した。

明治LO田島貫太郎

明治LO田島貫太郎



明治FB安田昴平

明治FB安田昴平


後半、先にチャンスを得たのは天理大だった。10分、相手陣奥に攻め込み、FWにこだわり、最後はNO8関口大輔(4年)がねじ込んでトライ、10-5とリードした。

後半10分天理はNO8関口大輔のトライ

後半10分天理はNO8関口大輔のトライ



明治大も20分、連続攻撃から、再びSO伊藤がラインブレイクしてチャンスメイクし、最後はこの試合、ゲームキャプテンを務めたCTB齊藤誉哉が押さえて10-10の同点とする。

ゲームキャプテンをつとめて明治CTB齊藤誉哉

ゲームキャプテンをつとめて明治CTB齊藤誉哉


その後は天理大が相手陣でプレーする時間が長かったが、明治大もゴール前のディフェンスで粘りを見せて12-12でノーサイドを迎えた。

明治・神鳥裕之監督と話をする、田中澄憲前監督

明治・神鳥裕之監督と話をする、田中澄憲前監督




この試合、両キャプテンともにコンディション不良で出場せず、ベンチから見守った。

天理大FL照井悠一郎キャプテン

「ちょっとケガして(試合に出なかった)。しっかりフィジカルで勝負したり、動き出しもできていた部分はあった。ただラインアウトが安定しなかったり、スクラムも後半、安定しなかった。相手の方が反応よくて向こうにボール入っていたことも多かった。そういうところ一つ一つやらないと勝てない。相手より走って、体張るという天理らしさは、今季も変わらない。まずそこをやって、あとはセットプレーやトランジションの反応をもう少し改善しないといけない」

明治大WTB石田吉平キャプテン

明治・石田吉平キャプテン

明治・石田吉平キャプテン

「自分たちのイージーミス、ペナルティーでフラストレーションがたまった。試合の最初から自分たちのミスで苦しい試合となった。ミスの連続はなくしたいし、レフリーの判定とか関係なくどんな状況でも勝てるようにしたい。(夏合宿は特に)前に出るディフェンスのシステムをやっていて、抜かれることはなかったが、その分、ペナルティーが多くなったということもあるかもしれない」

急遽、9番で先発出場した池戸将太郎。非凡なプレーを見せた

急遽、9番で先発出場した池戸将太郎。非凡なプレーを見せた


また、この試合、明治大の先発では、SOとして1年からプレーしていた3年の池戸将太郎が9番をつけて先発した。本職のSHにコンディション不良が多く、急遽、今回の天理大戦に向けて準備したという。それにも関わらず、中学から高校にかけてSHでプレーしたこのある池戸は、SHでもパス捌きなどそつないプレーを見せて、後半途中からはSOとしてもゲームをコントロールした。

明治大の神鳥裕之監督も「(池戸のSHについて)良かったと思います。全然やっていないのに、あのパフォーマンスなので、練習したらもっとすごくなると思った。今後もオプションとしては十分あり得る。今後、SHの選手が(コンディション不良から)戻ってきて池戸はSOがメインになると思うが非凡なものを見せてくれた。両方できてリーグワンにいたら面白いですよね」と手放しで褒めた。



池戸はこのままSHとSOの〝二刀流〟で今季は臨む可能性もあり、もし両方のポジションができるのであれば、FWが強い相手に対しては控えにFWを6人、そしてBKを2人にすることもあり得るだろう。

明治・池戸将太郎

明治・池戸将太郎




池戸本人は、最初、9番として先発を言い渡されたときは「最初は『嘘だろ!』と思ったがチーム事情でやらざるを得なかった。9番のスタメンは今日だけでチャレンジした」と正直に吐露した。「僕の現在のSHのポテンシャルを100%とすると60(%くらい)ですが、目指すSH像に対しては10点、20点くらいでした」(池戸)

SHのスキルに関しては、本職のSHにほとんど聞いたりせず、自己流で、(ビデオなどを)見ながらトレーニングして準備したという。ただ伊藤宏明ヘッドコーチとも「両方できたらいいね」と話しており、自身でも「まだSOの方がフィットしていますし、両方のポジションができたら武器になるが、まだ時間はかかる。もちろん10番目指していきますがSHもSOもできて、チーム事情にあったら両方できたらいい。(今後も)両方できたら幅が広がる」と前向きに捉えている。

大学3年生の池戸は当然、リーグワンのチームでプレーすることを希望しており、今後もSH、SOの二刀流としてチャレンジしていくことになりそうだ。

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