しょっさんこと、大西将太郎氏が2017年日本代表春シーズンを総括する後編。ジャパンに足りなかったものは何か。サンウルブズから休みなく日本代表に招集された選手たちのケアマネジメントは。日本ラグビーが2019年にむけて解決していかなければならない課題を明らかにする。
「戦術」が出来ていなかったわけではなく、ジャパンに足りなかったテストマッチにたいする「覚悟」
戦術の話に戻ると、ジェイミーの目指す「キッキングラグビー」ができていないとは、僕は思いません。キック自体はいいところへ蹴っていたし、コンテストする選手もしっかり追っていて、実際にキャッチした場面もたくさんあった。
ただ、捕った後のサポートの寄りが遅くて孤立してしまうとか、こぼれ球へのリアクションが遅いとかでボールを失う場面が多かった。そういう戦術以前の細かいところで、アイルランドとは大きな差があった。これは技術やフィットネスというよりも「心」の部分、テストマッチに臨む「覚悟」の部分だと思う。
ひとつあげるならタックルです。どんなに優れたディフェンスシステムでも、個々のタックルで抜かれれば崩壊してしまう。ジェイミーも「どんなシステムがあっても、倒してやるという気持ちがなければダメだ」と言ってましたね。今回のシリーズで言うと、1v1のタックルが試合によって波があった。