コロナウィルス感染拡大の影響で、国内のすべての試合が中止されている日本ラグビー界。各カテゴリーの代表合宿等も、取材は完全NGとなり、ラグビーファンは情報枯渇状態……そこに朗報が届いた。
自分のラグビー人生で最大の目標―『金メダルを取りたい、その一員になりたい』と思った」
アメリカで開催されていた「ロサンゼルス・インビテーション・セブンズ」に出場していた日本男子SDS(セブンズ・デベロップメント・スコッド)チームが、見事優勝を飾ったのだ。
日本SDSは「男子エリート」に出場。決勝ではアメリカ代表スコッドを含む「USAファルコンズ」を14-12で退けた。
優勝を飾った日本SDSチームの中心メンバーに、日本協会契約選手として、所属チームも家も持たずにプレーを続ける男・林大成がいた。
人呼んで「さすらいのラガーマン」。昨年末、府中市での合宿でメディアの共同囲み取材を受けた翌日、多数のメディアに、まるで示し合わせたように同じニックネームが踊ったのだ。家を持たず、所属チームも持たず、「100リットルくらいの」大型トランクに着替えとラグビー道具を詰め込んで合宿地から遠征へ、帰ってきたらまた次の合宿地へと渡り歩く生活を続けるユニークなラガーマンに、記者も、見出しをつける各新聞社の整理部も、ズキュンと胸を掴まれたわけだ。
林大成(はやし・たいせい)、27歳。大阪府出身。家を持たない生活を続ける理由はこうだ。
「部屋を持たずに、行く先々で泊まる生活をすると『帰宅』という時間がなくて済むんです。そもそも、セブンズのスコッドは合宿や遠征が年間の3分の2以上ありますから、部屋を借りても、クルマを持って駐車場を借りても、年間の3分の2以上は使わない。効率が悪いんです」