「そうか日本から来たのか。オレの友達の息子が今、日本に行ってラグビーをやってるんだ。ルーク・トンプソンって知ってるか? もちろんか、ははは。あいつの父親はデビッド・トンプソンと言って、古い友達なんだ」
「ずっと昔にカンタベリー代表になったデミ・サカタを知ってるか?家族ぐるみで寄ってもらったことがあるんだ。みんな元気かな?」
「アンドリュー・マコーミックは本当にいいヤツだ。お父さんも名選手だったけど、ヤツは日本に行って、日本の言葉も勉強して喋るようになって、代表のキャプテンもやった。素晴らしいヤツだよ……」
まあ、会う人会う人が、万事この調子だった。
オークランド、ネイピアなど、今回のワールドカップ取材で訪れたNZのいろいろな街で、いろいろな人とラグビー話をしたけれど、日本のラグビーに対する情報量、話題に出てくる固有名詞の数、その新しさでは、このクライストチャーチがずばぬけて最高だった。
ここは、本当の意味の「ラグビーシティ」なんだな……。
ワールドカップ決勝を前に、クライストチャーチまで足を伸ばしてきた。
2月に襲った地震で、街の象徴だった大聖堂が崩壊。エレベータータワーだけを残して倒壊したCTVビルには数多くの語学学校などが入っていて、日本からの留学生ら181人が犠牲になった。