シックスネーションズ開幕節レビュー・今の力、戦術、戦略、全てを出し切った6チーム。ワールドカップに向けてどのチームも仕上げてきた。この大会に対する決意を感じた開幕節。 | ラグビージャパン365

シックスネーションズ開幕節レビュー・今の力、戦術、戦略、全てを出し切った6チーム。ワールドカップに向けてどのチームも仕上げてきた。この大会に対する決意を感じた開幕節。

2019/02/06

文●大西将太郎 構成●大友信彦


将太郎です。いよいよシックスネーションズが開幕しました。
今年はワールドカップイヤー、それも日本で開催されるワールドカップイヤーということで、多くの方が関心をもたれているようで、たくさんの方から「始まるね」「始まったね」と声をかけていただきました。特に、ワールドカップで日本と同じ組にシックスネーションズのアイルランド、スコットランドという2カ国が入っていることで、例年以上に興味を持ってくださる方が多いように感じます。
実際、開幕節の各国の戦いぶりを見ると、各国ともしっかり仕上げてきてるなと感じました。どの試合も見応えがあったし、勝ちにこだわっていた。

ジェフ・パーリング氏(左)と。

ジェフ・パーリング氏(左)と。


僕は開幕前に、イングランド代表29キャップで前回のワールドカップにも出場したサニックスのジェフ・パーリング選手兼コーチとシックスネーションズ開幕展望の対談をさせていただいたのですが、そのときジェフが言っていたことで印象的だったのは、「大切なのは勝つこと。ワールドカップのためにも、勝つためにプレーして、勝って自信をつけること。それがすべてだ。手の内を隠すなんて関係ないよ」という言葉でした。

各国の戦いぶりを見ると、ジェフの言葉通り、自分たちの今の力、戦術、戦略を全て出し切って勝とう、という強い気持ちが伝わってきました。ここで全てを出し切るからワールドカップに向けて、さらに積み上げていけるのでしょう。そういう選手たちの気持ちが伝統のスタジアムの雰囲気と相まって、シックスネーションズ独特の雰囲気を作っていたと思います。

シックスネーションズは5〜8万人収容のスタジアムがすべて満員になる、世界で最も集客力のある大会として知られていますからね。今回、フランス対ウェールズでは少し空席があったのが気になりました。フランスは最近、代表チームの成績が振るわないこともあって、人気はちょっと下がり気味だと聞きますから……(でも、あとでフランスの人から「試合前に大雨が降って、通路に隠れていた人がけっこういたんだよ」と連絡がありました)。

実際、今回もウェールズを相手に前半は16−0とリードを奪いながら、後半32分に逆転されて敗れました。ロスタイムにアイルランドのSOセクストンに逆転DGを決められた昨年と同じようなスタート。こういう負け方もフランスらしいと言えばそれまでですが…。フランスの次の相手はイングランド。厳しい試合になりそうですが、フランスは分かりませんからね。ジェフも「予想不能」と言っていました。

フランスで印象的だったのはNo8ピカモールです。2008年に代表デビュー、73キャップを持つ33歳は、さすがにプレーに安定感がある。フランスのラグビーは「シャンパン・ラグビー」と呼ばれる華麗なプレーで有名ですが、強いときのフランスは、FWに一貫性を持ってハードワークし続けるいい選手がいるんです。以前ならアリノルドキ、ベナジといった選手たちの名前が浮かびます。

オールドファンにとっては、ヌタマックの息子がデビューしたのも感慨深いものがありましたね。これという光ったプレーはなかった気がしますが、何しろ初キャップがシックスネーションズの開幕戦でしたからね。ここからいくらでも化けていく可能性はある。

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