2月18日(土)、埼玉・熊谷ラグビー場で、リーグワンの第8節・埼玉パナソニックワイルドナイツと花園近鉄ライナーズが行われた。ホストのワイルドナイツが41-6で快勝し8連勝で首位を守った。
入場時、先頭でグラウンドに入ってきて1番をつけて先発したのが〝笑わない男〟として知られるPR稲垣啓太だ。
セットプレーだけでなく、パス、ランでチームに貢献し後半9分までプレーした。稲垣はこの試合でトップリーグ時代から数えて通算100キャップを達成。試合終了後には、妻でモデルの新井貴子さんに、花束を贈呈されて表情を崩した。
さらに稲垣は試合後の会見でも「グラウンドでも(ファンに)たくさん祝福していただきましたし、先ほどロッカーでもチームメイトから祝っていただきました。僕はワイルドナイツに入団した時からずっと(会見で隣に座った)堀江(翔太)さんにはお世話になっていて、堀江さんの背中を見ながらプレーしてきたので、こうした節目の試合でまた堀江さんと一緒にプレーすることができて、すごく感慨深いなと思います。
(堀江さんは)すごく選手のお手本となる人間だと思うので、ワイルドナイツだけでなく、日本ラグビー界全員が堀江さんをお手本にしていると思います。そう言った人と一緒にプレーできるのは本当に嬉しかったですし、その試合が自分にとって節目の試合だったということは本当に幸運でした。ただまだリーグ戦はしっかり続いていくので、一つの節目ですけどまだ試合は続いていくので、気を引き締めて、自分のやるべきことをもう一回模索しながら取り組んでいきたい」と話した。
一番印象に残っている試合を問うと、稲垣は少し考えた後に、「個人的な考え方なんですけど、あまり勝った試合は覚えていなくて、負けた試合の方が悔しさとして残る。負けた試合というのは忘れずに、悔しさを忘れないように、自分が何ができていなかったのか、何ができていなかったから負けたのか、そういうことを忘れないために悔しさをしっかり持っていく。勝った試合に関しては、もう自分のことを反省して振り返って終わりなので、負けに関しては忘れないようにしています」と話した。
「ワイルドナイツに所属して10年が経ちましたが、10年間ファンのみなさまにすごく応援していただいて、ホームで妻から花束をもらって100キャップを迎えられたことを幸せに感じます。そして、まだまだリーグ戦も続いていきますのでまた結果を残せるように、今日を節目に頑張っていきたい」(稲垣)
長年一緒にプレーしている堀江は2016年1月のプレーオフ準決勝の神戸製鋼戦で、稲垣が頭を負傷した試合で、「ガッキー立て!」と無理やり動かした試合が印象残っているという。
稲垣は「(堀江さんに)言ってもらったら立たなきゃとなりますよね。そうやって、10年間、(堀江さんに)背中を押してもらいましたし、厳しい言葉もかけていただいた。逆に堀江さんに、試合中僕がイージーなミスした時に、『お前それは絶対にあかん』と言われたことはずっと覚えていて、自分が成長する過程で、いい指導者、いい先輩、いい人たちに囲まれていた、助けてもらった、そんな10年間だったなと思います」と懐かしそうに振り返った。
さらに稲垣は試合後の囲みでも、妻にもらった花束を持ったまま、報道陣に対応した。