19日、ラグビーリーグワン・ディビジョン1、首位を走る埼玉ワイルドナイツは三菱重工相模原ダイナボアーズと対戦、6連戦の5戦目ということでメンバーを大きく入れ替え試合に臨んだ。
前半6分にWTB長田智希のトライから始まり、流れを引き寄せると9分にはCTBダミアン・デアレンデ、16分にはディラン・ライリー、22分、今季初先発のHO島根一磨、30分にはSH内田啓介と5連続トライでダイナボアーズを圧倒。32分にダイナボアーズ、WTB奈良望にトライを許すも、前半さらに2トライを決めて前半だけで7トライの猛攻で8-49とし試合を決めた。後半、ダイナボアーズの反撃を受けるも29-61で大勝。ボーナスポイントを含む勝点5を獲得して首位をキープした。
ワイルドナイツ全9トライ!
主要選手たちを休ませながらも下位チームとはいえ、力の差を見せたワイルドナイツ。連覇に向け盤石の展開。次節は、サンゴリアスに勝利、今節ブレイブルーパスとも僅差の試合を繰り広げ、徐々にチームとして調子が上向いてきたヴェルブリッツと対戦する。
ダイナボアーズは、勝点20で10位。次週は勝点1差の9位静岡ブルーレヴズとの対戦。入替戦回避にむけ一戦必勝の状況が続く。
埼玉ワイルドナイツ ロビー・ディーンズHC
結果については満足しています。すごくいいスタートを切ることができました。これから対戦するどの相手も今日のダイナボアーズのように必死になって私達に立ち向かってくるでしょう。ですが、彼らの思い通りにさせないためにスタートからいい切り返しができたと思います。
後半、ダイナボアーズが巻き返してくることは想定していましたが、逆転を許さなかったことは良かった。前半のようにうまくいかなかったところもありますが、結果的に点差も保っていましたし、勝点5も獲得することができました。
今日は6連戦の5戦目ということで、いろんな選手を起用してマネジメントしなければなりませんでした。その中でもフロントローのPRダニエル ・ペレズ選手や、HO島根一磨選手が素晴らしいパフォーマンスをみせてくれました。
来週はフィジカルな戦いになるトヨタ戦ですが、それに向けて準備していきたいと思います。LOマーク・アボット、ヴァルアサエリ愛、マリカ(コロインベテ)は、息子さんが生まれてから復帰戦になったんですが、彼らのプレータイムができたことはとても良かった。またゲームキャプテンの福井翔大はすごくいい仕事をしてくれました。
――福井選手をキャプテンに選んだ意図は
(福井選手をキャプテンに選ぶことは)私にとってすごく簡単な選択でした。福井翔大選手自身、チームからリスペクトを勝ち取っていますし、この試合はいいスタートを切れたと思います。すごく視野が広がったなと思いますし、どれだけチームが試合にむけた準備をするのに苦労するのかということを学んでくれたと感じます。選手としても、これからはリーダーとして未来にむけてドライブしていってほしい。リーダーとしてのキャラクターも持っていますし、いい先輩もいるのでそれを見習っていってほしいですね。
すごく正直なところというのはリーダーに必要な素質だと思います。さきほど緊張したと言っていましたが、本当に緊張していたと思いますし、ワールドクラスの選手たちが揃っているようなチームでリーダーとなることはすごく恐怖に感じると思うんですが、それを正直に言える彼はすごく(キャプテンとしての)素養があると思います。
埼玉ワイルドナイツ 福井翔大ゲームキャプテン
試合についてはロビーさんが言われた通りで、後半相手はすごく勢いがあったし、新しいコンビネーションで難しいところもあったんですが、一人ひとりが自分の役割をできたかなと思います。僕自身、改めてすごくいいチームに入っているんだなということを感じましたし、自分はもっと頑張らないといけないと感じた試合でした。
(ゲームキャプテンであることを)意識しなくてもいいと、ロビーさんからもメッセージももらい、いつも通りにやろうというのは僕の中でもあったんですが、どこか緊張しているところはありました。
(チームの素晴らしさを感じたのはどういう部分?)僕がキャプテンらしいことをしたわけでもない中で、アタック、ディフェンス、FW、BK、各リーダーが試合に対して準備をしてくれていて、チームの完成を見ることができて、そういう部分ですね。
三菱重工相模原ダイナボアーズ グレン・ディレーニーHC
前半と後半で全く違う試合になりました。前半はチームの15人が参加してなくて、試合をみていたような感じがしました。後半は自分たちのキャラクターが見えたと思いますし、自分たちがずっと作り上げようとしていたことを出すことができていました。
――試合をして感じたワイルドナイツの強さは?
素晴らしいチームですし、彼らの一番の強みは選手層そのものだと思います。誰が出てもいいパフォーマンスを出せるのは、ロビー・ディーンズはじめ、スタッフが長い時間をかけて作り上げてきたその組織が素晴らしいからだと思います。ディーンズとは同じ地元ですし、彼がクルセイダーズでやってきたことをパナソニックでも同じことができています。
そして新しい若いとてもレベルの高い日本人選手がどんどんチームに入ってきて、選手層を厚くしています。そうしたことは自分たちも今後やっていきたいことです。三菱も創業者である岩崎弥太郎が150年前に自分たちのバリューを築いて生き続けてきたので、自分たちも三菱にあったバリューを使いながら、若い日本人をコアにしたチームを作り上げていきたいと思っています。
三菱重工相模原ダイナボアーズ 鶴谷昌隆ゲームキャプテン
前半はやっぱり自分たちの仕事がしっかりできなかった。相手にフォーカスしていたことで、自分たちの仕事ができない、自分たちを追い詰めていたかなと思います。自分たちのラグビーにしっかり集中することがダイナボアーズの戦い方だと思うので、それが後半に入ってからしっかり自分たちの仕事に対して一人ひとりが役割を果たしたことが結果に繋がったと思います。