早稲田が天理の強みを封じ込めて勝利!決勝進出を決めた | ラグビージャパン365

早稲田が天理の強みを封じ込めて勝利!決勝進出を決めた

2020/01/04

文●編集部


2日に行われた第56回全国大学ラグビー選手権準決勝。第1試合は早稲田大学と天理大学が対戦した。早稲田はこれまでケガで欠場していたCTB中野将伍が復帰し、BKに厚みをもたらした。天理大は松永拓朗がSOとして先発、SH藤原忍とともに攻撃を組み立てた。

3度目のスクラム。天理がペナルティをとられ早稲田はピンチを凌いだ

3度目のスクラム。天理がペナルティをとられ早稲田はピンチを凌いだ

最初にチャンスを迎えたのは天理。5分、敵陣22m手前まで前進し中央付近でポイントをつくる。SH藤原は左サイドへ展開。WTB土橋源之助(3年)がゴール前までボールをキャリー。クリーンアウトで藤原がFL岡山仙治(4年)にパスを出す。タイミングがはずれ岡山がノックオン。直後の早稲田ボールスクラム。天理がプレッシャーをかけペナルティーを獲得。天理は再びスクラムを選択。2度目も早稲田がペナルティ。天理は三度スクラムを選択。しかし今度は天理がペナルティ。早稲田はピンチを何とか凌いだ。

前半11分、早稲田WTB古賀のトライで先制。齋藤のコンバージョンも決まり7-0とする。

前半11分、早稲田WTB古賀のトライで先制。齋藤のコンバージョンも決まり7-0とする。

直後の9分、自陣10m付近からFB河瀬諒介(2年)がゲイン。敵陣22m手前までボールをキャリーし、ライン側を並走してきたWTB古賀由教(3年)へボールをつなぐ。古賀がタッチライン側を走りきりトライ。コンバージョンも決まって7-0とする。

さらに19分、敵陣ゴール前のマイボールスクラムから早稲田は、CTB中野にディフェンスをひきつけて、SO岸岡智樹と中野のリターンパスから岸岡が左サイドへロングパス。完全に天理ディフェンスを翻弄しFB河瀬諒介(2年)が左中間へトライ。14-0とリードを広げた。

古賀がこの日2本目のトライ

古賀がこの日2本目のトライ

24分には、早稲田は相手ボールのターンオーバーからチャンスを広げ、ゴール前でCTB中野のオフロードパスを受けたWTB古賀が相手に絡まれながらも体を反転させボールをグラウディングしトライ。21-0と大きくリードした。

天理CTB市川敬太のトライで勢いを取り戻す

天理CTB市川敬太のトライで勢いを取り戻す

前半このままでは終われない天理は31分、FB江本洸志(2年)のビッグゲインからフェイズを重ね、9フェイズ目CTB市川敬太(3年)がトライ。さらに37分、天理はSO松永、CTBフィフィタの二人で敵陣10m付近から一気にゴール前までボールをキャリー。ゴールまで数mまで迫るも早稲田の粘り強いディフェンスを前にトライを決めることができない。

39分、天理ボールのゴール前スクラム。SH藤原がボールをピックすると、早稲田SH齋藤直人(4年)がチョークタックルでボールに絡む。集積する早稲田の選手たち。結局モールアンプレヤブルで前半を終了。早稲田としては、いい形で前半を締めくくり、天理としては流れを引き戻すタイミングだっただけに悔やまれる前半の終わり方となった。

ピンチを凌いだ早稲田とチャンスを活かしきれなかった天理。

ピンチを凌いだ早稲田とチャンスを活かしきれなかった天理。

 

突進する天理FL岡山キャプテン

突進する天理FL岡山キャプテン

後半最初にチャンスを得たのは天理。44分、敵陣ゴール前でPKを獲得。天理はショットではなくトライを選択。松永がタッチへ蹴り出しマイボールラインアウト。しかし、早稲田LO三浦駿平(4年)に阻まれ、ものにすることができない。天理はこの試合を通じてラインアウトが安定せず苦しんだ。

CTBフィフィタと中野のマッチアップ

CTBフィフィタと中野のマッチアップ

 

すると51分、早稲田は敵陣22m内側の攻防でSO岸岡が絶妙なフラットパスを通し、ボールをキャッチしたPR久保優(3年)が相手ディフェンダー2人を引きずりながらトライ。28-7とリードをさらに広げた。

天理はようやく後半にフィフィタがトライ

天理はようやく後半にフィフィタがトライ

それでも55分、天理は敵陣ゴール前でラインアウトのチャンス。手前のショートスローでボールをキープ。LOアシペリ・モアラ(2年)がボールをキープしモールになる。藤原がボールを出すとフィフィタへパス。フィフィタがねじ込みトライ。14-28とし食らいつく。

早稲田NO8丸尾の突破

早稲田NO8丸尾の突破

天理の追い上げムードを打ち消したのは直後の早稲田の攻撃。SO岸岡が高く蹴り上げたボールを天理NO8ジョネ・ケレビ(2年)がキャッチできずノックオン。敵陣22m手前での早稲田ボールスクラム。NO8丸尾崇真(3年)のサイドアタックで一気にゴール前5mラインまで前進。SH齊藤は右サイドへ展開するサインを送って相手をひきつけ、後方の左サイドから走り込んできたFL相良昌彦(1年)へパス。不意をつかれたディフェンス陣は反応できず相良がトライ。再び早稲田が流れを引き戻した。

FL相良のトライが一度相手に傾いた流れをもう一度引き戻した

FL相良のトライが一度相手に傾いた流れをもう一度引き戻した

 

HO森島のトライで早稲田が勝負を決めた

HO森島のトライで早稲田が勝負を決めた

60分すぎ、天理はラインアウトが安定せず、チャンスをものにすることができず迎えた67分。早稲田は敵陣22m内側のラインアウトからドライビングモール。ジリジリと押し込んで最後はHO森島大智(4年)がグランディングしトライ。40-14とし勝負を決めた。

SO岸岡がダメ押しのトライ

SO岸岡がダメ押しのトライ

早稲田はその後も手を緩めることなく、73分にはWTB梅津友喜(4年)がトライ決め47-14とすると、試合終了間際にはSO岸岡がダメ押しのトライを決め試合終了。

52-14で早稲田が天理大に快勝し、11日の決勝に駒を進めた。今シーズンの大学選手権決勝は、26シーズンぶりの早明対決となった。

早稲田大学 相良南海雄監督


正月にラグビーすることは幸せのことで、大観衆の下でゲームができて嬉しく思います。昨年の今日、準決勝の壁に跳ね返されて終わってしまった。昨年を超えようとゲーム臨んだ結果、しっかり勝つことができて嬉しく思います。


――ラインアウト スクラムの準備はしっかりしていた?


日大さんが終わって、天理まで約10日間、本当にいい準備できた。いい準備だけでなく最高の準備しようとできることはすべてやったという中でゲームに臨めました。今日のゲームは、攻防、アタックにおいてもディフェンスにおいてもしっかり出せました。相手のラインアウトへのプレッシャーはできすぎくらい。メンバー外の選手が仮想天理となって、今日は上手くはまったなと思います。


――夏に天理とやって勝ったことは


夏の天理戦はそんなに気にしていなかった。スクラムでは手応えをつかんだが、我々がスクラムプレッシャーをかけられたからこそ、今日は天理さんが相当くるかなと思った。夏に勝ったとかを抜きに、今日の天理に向けてしっかり準備しようということと、去年超えられなかったのがここ(準決勝)だったので、今日できること。ここに勝たないと先はない。すべて出し切るつもりで臨みました。

久々の実戦復帰の中野。早稲田には大きな存在だ。

久々の実戦復帰の中野。早稲田には大きな存在だ。

――中野選手の復帰について


中野の力強いプレーというのが、我々の他のプレイヤーのオプションを増やしたところもある。彼は5試合ほどずっと休んでいましたので、5試合分、取り戻そうなんて思うなよ、とにかく、今日できれることだけでいい、入れ込み過ぎるなと伝えました。非常にリラックスして、彼なりにやっていいパフォーマンスだった。


――決勝に向けた意気込み


11日まで9日間あるので、ずっと一歩一歩成長し続けたチームだと思うので、一日一日、成長して悔いのないように。まずはチャレンジだと思うので、チャレンジャー精神で早稲田の集大成、齋藤キャプテンのチームとして集大成を見せたい。(新国立という)巡り合わせに感謝したい。ラグビーとしてはじめての試合なので、良いパフォーマンスをしたい。

早稲田大学 齋藤直人キャプテン


1月2日にもかかわらず、これだけ多くのファンの方が会場に足を運んでもらい、試合ができたことを嬉しく思います。監督同様、この舞台で負けて、新チームがはじまるころに、去年のチーム超えようと(言ってきた通り)、まず去年のチームを超えることができて嬉しく思います。


――トライ、外のスペースでとれていた。


天理大は本当に勤勉なチームでポイント周辺、しっかりセットしてアタックしてくる。あそこは前を見ながら スペース空いたので外に回しました。

――前半最後、相手スクラムからの攻撃を止めた場面について


あの場面、たぶんフィフィタ選手が来るとある程度わかっていたので、できる限り、相手の強みを出したくないという意味でも、ボールを渡さないで、自分のできる最適なことをやった結果。あのオフサイドのところ、レフリーとコミュニケーションは取れていたので、要所要所、流れを断ち切るプレーになっていたのかなと思います。



――決勝に向けて


準決勝から決勝までの時間は1~4年生まで誰も経験したことのない。全員で楽しみながら、気を抜くのではなく、去年のチームを超えましたが目標はあくまでも日本一。残り8日、楽しみながら最高の準備したい。経験したことないのでわからないですが、嬉しい。試合に集中したい。

STATS

1 久保優 51'TRY 68'OUT
2 森島大智 67'TRY 76'OUT
3 小林賢太 68'OUT
4 三浦駿平 68'OUT
5 下川甲嗣 77'OUT
6 相良昌彦 58'TRY
7 幸重天
8 丸尾崇真
9 齋藤直人 11'20'26'43'49'59' G 76'OUT
10 岸岡智樹 79'TRY
11 古賀由教 10'24'TRY
12 中野将伍 76'OUT
13 長田智希 63'OUT
14 桑山淳生
15 河瀬諒介 19'TRY
16 宮武海人 76'IN
17 横山太一 68'IN
18 阿部対我 68'IN
19 中山匠 68'IN
20 大崎哲徳 77'IN
21 小西泰聖 76'IN
22 吉村紘 76'IN
23 梅津友喜 73'TRY 63'IN


天理大学 小松節夫監督


天理大は昨年度、決勝に明治大に敗れました。今年のチーム、決勝の舞台に戻ることをテーマに1年間やってきました。(新しい)国立競技場でしたいと思っていました。だが警戒していたBK、中野くんが入ったことで一つ楔となって、早稲田さんの理想とするような形となり、それをうちが止められなかった。そこから上手く流れもあったが、ラインアウトのところで安定せず、アタック時間をふやせず、早稲田さんのアタック時間が多くなって最後まで修正できなかった。選手たちもよくやったが、残念な結果。久しぶりに大敗で、この点差の悔しさを糧に強いチームを作り頑張っていきたい。

――関西が同志社大学以来、(選手権で)優勝していない


ベスト4に上がってくるチーム、3チームは関東の大学ですし、関東が切磋琢磨している。昔でいえば同志社大。今はうちですが、はじめて経験して戸惑うこととかあると思います。しっかりとした力をつけて乗り越えないと関西のチームが優勝するのは関東のチームに比べると少し難しいかなと思います。


天理大学 岡山仙治キャプテン


僕たちは決勝に戻るということを目標に、自分たちの力をしっかり出すことを心がけたが、そこを封じこめられたという早稲田さんの強さと、流れに乗れなかった自分たちの弱さが出た。周りのチームメイトは身体を張ってくれたので自分の中では楽しいゲームとなりました。結果はついてこなかったが、来年に今回の経験がつながると思うので、まだまだ天理大の応援してもらいたいと思います。よろしくお願いします。

――セットプレー、スクラムについて


前半、スクラムしっかり押せた部分があったが、後半、相手の前列が低く入って自分たちの押しやすい姿勢がとれなかったのが後半(の失点)につながった。(前半最初のスクラムについては)前半、スクラムは押せる感覚があったが、スクラムにこだわって真正面から勝負しようと思って、最後はペナルティーをとられてしまいましたが負けてのペナルティーというより、勝ちながらコラプシングで取られた。そこまで選手の中ではナイーブになることはなかったです。スコアしなければ、流れをもっていけなかったが、選手のメンタル的には影響なかった。


――ラインアウトについて


自分たちが上げるところ、同じタイミングであげられていた。早稲田さんの上手いところでした。


――ボールが手に付かなかったか


自分も前半で2本ノックオンしてしまった部分あって、確かにちょっと固くなっていた部分がみんなありました。それをちょっと修正するのが遅くなってしまった部分(があった)。プレッシャーを受けたというより自滅という感じです。

――1年間、後輩たちに残せたものは?


すべてですね。僕らが作ってきたよりも今までOBの方がやってきたことをと繋いできたつもりだが、新しくスタートというより、試合に出ているメンバーも多く残っているので、こういう経験、自分たちの力を出せなかったことが悔しい結果として残っているので、そういう部分は来年にもつながっていくと思います。

STATS

1 谷口祐一郎
2 北條耕太 69'OUT
3 小鍛治悠太 69'OUT
4 ナイバルワガセタ
5 アシペリ・モアラ
6 岡山仙治
7 松岡大和
8 ジョネ・ケレビ 61'OUT
9 藤原忍
10 松永拓朗 32'46'G
11 土橋源之助
12 市川敬太 31'TRY
13 シオサイア・フィフィタ 45'TRY
14 荒川浩二郎
15 江本洸志
16 谷口永遠 69'IN
17 高橋虎太郎
18 山川力優 69'IN
19 中鹿駿
20 奥長凌太 61'IN
21 臼井礼二朗
22 林田拓朗
23 内村祐介

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