2月7日、埼玉パナソニックワイルドナイツは雪の駒沢でリコーブラックラムズ東京に勝利し開幕7連勝を果たした。後半から出場したPR稲垣啓太は、エディー・ジョーンズ体制下の「代表候補選手リスト」に選出された。2年間の怪我を乗り越え今もなお進化を追求。2年後に控えたワールドカップに向け、生き残りをかけた戦いに挑む意気込みを聞いた。

稲垣啓太
――代表候補に選出されました。
僕はこの2年間大きな怪我を続けてやっていたので。エディーさんともコンタクトも取ったりしていましたけど。やっぱり怪我をするという時点で、選手としては良くないので。イコール、怪我をするようなパフォーマンスだったと言わざるを得ないので。自分の落ち度ですよね

2年という長い期間ピッチでのプレーができなかった稲垣
怪我を治してただ戻ってくるのでは、以前と同じなので、怪我をした部分を強化しながらよりパフォーマンスを高いところへもっていかないとセレクションの対象には入ってこないということですね。なので、僕は、今シーズンちゃんと復帰するにあたって、自分の中で制約をしっかり決めて、こことここだけは差別化をしていこうとしていました。

タックルへのこだわり
――例えば?
ディフェンスの部分で、結構皆さんの前でお話していると思うんですけど、今タックルの成功率や精度という部分、それらだけでなく、『威力あるタックル』を目指していきたいと思っています。
それは外国人相手に、インターナショナルの勝負では、相手に乗られるようなディフェンスをしてしまうと日本が目指すラグビーってやっぱり難しいと思う。
世界各国ではそんな複雑なプレーってあんまりしてこないんですよね。みんなが集まって割と時間がタイトなことが多くて、だからよりシンプルなプレーが増えていく。(インターナショナルな試合で)何が大事になるかというと、ブレイクダウンでのコンタクトのフィジカリティー、強度という部分。
そこで相手に食い込ませないようにするというのが僕はすごく大事だと思います。アタックもディフェンスも一緒なんです。日本が掲げる『超速ラグビー』。僕はまだ一度も経験してないんで、何とも言えないですけど、スピード出すためにはやっぱりブレイクダウンで前に出る必要があるので。前に出ないでただ置いて、ボールを出すだけだとディフェンスからするとやっぱり楽ですよね。なので、そこを僕はこだわって取り組んでいます。
ディフェンスで取り組んでいるのは、何よりも早くポジショニングに入る。早く入れれば
ディフェンスの70%くらいは決まっているんじゃないかなと。あとの残りの30%はフィジカリティーやテクニックで、それが乗っかってくれば良いシチュエーションを作ることができる。これって、結構僕が最初からずっと言っているんですけど、結構課題ですよね。早くポジショニングをするということが、どれだけ難しいか。毎回毎回シチュエーションも変わるのもありますし、毎回いいタックルがずっと重ねられているってあり得ないので。食い込まれる時もあるし、逆に自分たちが押し込まれる時もある。だから、できる限り、食い込まれている時間を減らしていくというのが全選手の課題だと思います。

選手兼ディフェンスコーチの布巻峻介を「どんな選手にもはっきりと接することができる。僕にもそう接してくるのはあいつくらい」と評する。
――代表に選ばれたことをどう感じている?
シーズン中なんで。あんまり考えたことないですよね。だって、発表日、僕は知らなかったですからね。奥さんから「何か(名前が)あがっているよ」って言われて「俺もわからないけど」って。でも、発表してもらった以上、名前が入ったということは今、見られているんだなという気持ちと同時に、見てくれているんだなというのを自分で汲み取らないといけないので、しっかりやりたいですね。

2023年ワールドカップでの稲垣
――ワールドカップの組み合わせも試合日程も決まって、動いてきたなと感じる?
今年はトータル15試合くらいですかね。我々がやっていた時からしたら倍近いボリュームになるので、それは本当にチームにとって、代表にとってすごくいいことだと思います。これからテストマッチのキャップ数をどんどん重ねていく選手が増えていきますよね。
僕の勝手な考えですけども、ワールドカップまでの2年でおおよそのメンバーが固まるんじゃないですか。最後プラスアルファ、いわゆるXファクターと言われる選手がはいってくるのかもしれないですし、そこは僕も全然わからないですし、何も氣にしていないです。
でも15試合は魅力的ですよね。しかも相手はクオリティのあるチーム。素晴らしいチャレンジになると思いますし、結果を求められる。2年前なんで、どの大会でも結果は求められますし、結果を出すことがどれだけ大変なのかも分かっていますし、選考に残ってフィードに立っているのがどれだけ大変なことも分かっているので、僕はキャップ数多い方ですけど、一戦一戦、また生き残りをかけたやり合いが始まるかなと思っています。

――これから、イタリア、フランスと強豪との対戦がありますが、試してみたい気持ちはありますか?
まあ、フランス、イタリアも今は強いし、アイルランドもあるし…。FWがフィジカル面でブレイクダウンで圧倒されるとゲームにならないと僕は思っています。極端に言うと、スクラム、特にテストマッチでは、セットピースとブレイクダウンさえ制圧してしまえば絶対に負けることはないんですよ。
逆にそれを制圧されてしまうと絶対に勝てないと僕は思っているので、日本代表にとってはそこはすごいチャレンジになっていくると思います。特にヨーロッパのチームは、フランス、(シックスネーションズでの戦いを)見ましたが、べらぼうに強い。最後までミスしなかった。

どんなメンバーでフランスが来るか次第ですけど、かなりタフな戦いになることは間違いない。メンバーについてはコントロールできないですし、氣にしていないですし、テストマッチというのは国と国とが代表して戦う場なんで、結果が全てですし、しっかりやりたいですね。そこまで残れるかは全然僕もわからないんで、自分がやることをしっかりやる。そういったマインドもチームに与えられる部分もあるんじゃないかと思っています。僕とリーチさんは『ジジイ組』ですね。リーチさんが37歳、僕は今年36歳…。

