明治が2点差で東海に勝利。U20代表組も出場―伊藤龍之介「1試合でも出たかった」 | ラグビージャパン365

明治が2点差で東海に勝利。U20代表組も出場―伊藤龍之介「1試合でも出たかった」

2024/06/18

文●編集部


6月16日、熊谷ラグビー場では関東大学春季大会Aグループ明治大学対東海大学の一戦が行われた。

Aグループは昨シーズン対抗戦、リーグ戦上位3チームが総当り戦を行う。互いに新チーム同士の戦い、大学によっては教育実習などなかなか練習できない中で秋の本番にむけていろいろな選手たちにプレータイムが与えられチームの方向性をつくっていく状況。今シーズンはU20日本代表の世界大会もあり、流動的なメンバーの中で戦っているチームが多い。勝敗に関係なくチームの現在地を探ることができる。




明治大は木曜日にU20宮崎合宿から帰ってきたSO伊藤龍之介とFB竹之下仁吾がリザーブ入り。PR山口匠は先発出場した。22日から行われるU20の直前合宿までの貴重な時間をチームでのプレータイムに充てた。

試合の方は、序盤から明治の連続トライで進行した。開始1分、11坂本のトライで明治が先制すると。直後のキックオフ、東海がプレッシャーをかけてペナルティを獲得するもタッチキックはゴールラインを越えチャンスを活かせない。

前半1分・明治WTB坂本公平の先制トライ

前半1分・明治WTB坂本公平の先制トライ


明治は、NO8最上ブレイクしゴールに迫るが、東海もディフェンスで止める。9分、WTB安田が裏スペースへボールを蹴り込むとSH柴田が素早く反応しボールを確保するとそのままトライ。12-0と明治がリードを広げる。

直後のキックオフ東海がプレッシャーをかけてペナルティ

直後のキックオフ東海がプレッシャーをかけてペナルティ


NO8最上大尊のブレイク

NO8最上大尊のブレイク


前半8分WTB安田昂平のショートパント

前半8分WTB安田昂平のショートパント


反応したSH柴田竜成がトライ

反応したSH柴田竜成がトライ


11分、東海は敵陣ゴール前でスクラムペナルティ。ラインアウトからモールを押し込み、バックスへ展開するも攻めきれず。それでも14分、敵陣ゴール前でFWにこだわり最後は4マフィがトライ。SO奥田のゴールも決まり12-7とする。

23分、明治はゴール前ラインアウトから13山田がトライをきめ19-7とリードを広げると27分にも高速パスで相手ディフェンスをきると、アウトサイドを抜けて11坂本が2本目のトライ。ゴールも決まって26-7。

山田歩季のトライ

山田歩季のトライ


坂本公平のトライ

坂本公平のトライ



35分、東海はゴール前でモールを組むも、ここは明治が素晴らしいモールディフェンスを見せて相手のノックオンを引き出した。

前半ロスタイムの41分、明治は6利川が明らかなオフサイドでシンビン。東海が数的優位の中、ラインアウトモールからポイントを作り、11堀田がトライ。26-12として前半を終えた。

前半ロスタイム東海大はWTB堀田倭

前半ロスタイム東海大はWTB堀田倭がトライ





前半ロスタイム東海大はWTB堀田倭

前半ロスタイム東海大はWTB堀田倭


後半、明治は6名を入れ替える。BKにはSO伊藤龍之介、FB竹之下仁吾がピッチに入った。

最初にスコアしたのは東海。自陣ゴール前まで攻め込まれるも相手のノックオンでこぼれ球を活かし一気に敵陣まで攻め込むと、ラインアウトモールからHO下江がトライ。26-17と追い上げる。

後半4分HO下絵康輔のトライ

後半4分HO下絵康輔のトライ




さらに48分、東海は50-22でチャンスを迎える。明治は自陣ゴール前でペナルティを犯すと東海はスクラムを選択するが、逆に東海はプレッシャーを受けノックオンでチャンスを活かせず。

58分、明治はSH利根のトライで追加点をあげ、33-17。65分、東海はオフロードパスで繋いで敵陣に入ると、明治がハイタックル。東海はラインアウトモールからFBトンガがトライ。33-24。

58分モール横から利根がスペースを突いてトライ

58分モール横から利根がスペースを突いてトライ



68分、東海はスクラムでペナルティ。セブンスターのロングタッチで再びチャンスを迎えるも取り切れない。ピンチを脱した明治は、伊藤のブレイクから13山田がトライ。伊藤のゴールも決まり40-24とリードを広げた。

伊藤龍之介のブレイク.

伊藤龍之介のブレイク.



白井瑛人

白井瑛人




WTB大沼隼人のトライでリードを広げる明治

WTB大沼隼人のトライでリードを広げる明治



東海も敵陣ゴール前のマイボールスクラムから押し込んでSH辻がトライ。残り時間は2分、逆転するには厳しい点差だったが、「最後1本とろう!」東海大はハドルは最後のワンプレーで再びトライを狙いにいった。すると、自陣からボールを繋いで再び辻がトライを決めて試合終了。40-38と東海大は最後まで追い上げて2点差として試合が終了。

SH辻がトライ

SH辻がトライ



後半ロスタイム利根のトライで東海大の意地をめせた

後半ロスタイム利根のトライで東海大の意地をめせた

東海大学 木村季由監督

東海大学・木村季由監督

東海大学・木村季由監督



今日は最終戦だったので、対抗戦の明治大学さん相手にチャレンジングなゲームをしようということで、春からやってきていることを現時点で自分たちが出せるベストのものをぶつけていこうということで臨みましたが、大事なところで取り切れなかったり、ちょっとずつほころびが出てしまった部分とか、焦っちゃうところとかまだまだ課題はたくさんあるんですけれども、今日出た課題というのは我々にとって良い学びになった。


――今年のチームについて


今日の試合を見ていただいてもわかるようにまだ形というものはないですが、思い描いている2割、3割くらいしかできていないので、春はとにかくベース作りと時間がかかるところをとにかくブレずに鍛錬していくというところにエネルギーを注いでいるので、形になるにはもうちょっと時間が必要かな。

ただその中でも粘り強くなってきたところとか、基本的なことがだいぶ身についてきたなと言う部分は感じるシーンもあるので、その辺は学生たちがそれを感じて次のレベルにあげていかなきゃいけないところかな。

特にタックルのところに時間をかけてやっているので、そういう中ではゲームが動き出して自分たちの形ができるといいディフェンスできるんですけど、エアポケットみたいなところが未だに治らないというところがあります。その辺はチーム全体の改善しなきゃいけないところで時間は必要かなと思います。


――最終戦に明治と戦うことで特に意識したことは


具体的にこのゲームに特化して何かをということは全くなくて、今いるメンバーで、練習やってきていることをとにかく本当に100%できるかやろうとしているか。今日選手たちに言ったのは、秋に我々が成長するには、今日の時点でテーマに掲げたことを本当に100%やろうとしているかどうか、何か違う判断をしていたり、ブレていたりすると結局秋には繋がらないから今日はそういうゲームだけは絶対にしないでいこうということです。

東海大学 汐月佑心キャプテン

汐月佑心キャプテン

汐月佑心キャプテン



本日のゲームは自分たちの力を100%出し切ってハードワークし続けようということを話してこの試合に臨みましたが、前半簡単に相手に強力なランナーに走られてしまったり、自分たちが取るべきところで取れないということが敗因になったのかなと考えております。


――今日の最終戦で目指したところ


この春の大きなテーマとしてハードワークということを掲げてきました。言葉の通り、自分たちのもっている力を全部出しきる、試合が終わっても走れなくなるくらい出し切ろうと臨みました。細かいところ、ブレイクダウンのところであったり、ディフェンスのところでもテーマを持ってこの試合に臨みました。


――ポジティブだったところ、ネガティブだったところ


モールでトライを取り切れたところと後半のメンバーが頑張ってくれてすごい良い形でゲームが運べたところです。ネガティブな面としては、前半の前半に簡単にタックルミスをして、そこでトライを許してしまったり、自分たちが相手陣に押し込んだ時に、判断ミスをしてしまい、逆にトライをとれなかったところをこれから直していかなければならない。

東海大学 PR川村航平

川村航平

川村航平



自分は後半から出場しましたが、前半、スターティングメンバーの人たちがいい形で繋いでくれたので、後半途中メンバーが出場して絶対勝ちきろうと思っていました。スクラムではうまくいったところもありましたが、小さなミスで簡単に取られてしまって一歩及ばなかったのでとても残念です。

2試合春シーズン出させていただいて、まだ大学ラグビー経験値が少ない分、1試合1試合、リザーブからの出場だったのですが、全部出しきろうと。アピールする場をいただけたので、自分の持ち味を出して、何か失敗しても一喜一憂せず、もっともっとろいう感じで毎試合挑んで、そこで得られたものだったり、今回の試合でもスクラムでいい感触をつかめた場面もあったので、春シーズンは実が大きかったと思います。

僕はこの大学に日本一になるために来たので、東海大学が日本一になれるように貢献できる選手になっていきたいと思います。


明治大学 神鳥裕之監督

神鳥裕之監督

神鳥裕之監督



今日は厳しいコンディションだったと思いますが、しっかり80分間において最後スコアを上回ったというところは良かったと思うんですけれどもまだまだシーズンに向けてたくさん課題ももらえた試合だったんでそのあたりは見ていきたい。来週もまだ試合がのこっているんで、その試合もそうですし、夏合宿にむけてしっかりまたレベルアップしていきたい。


(後半からメンバーを6人入れ替えた意図は)チームとしても競争力を高めるということで、いろんあ選手をしっかり試してチャレンジさせるということと、U20のメンバーが限定的なんで、今週のみスケジュール上使えるタイミングだったので積極的に彼らのパフォーマンスを見ようということで少し早めにリザーブを投入しました。

明治大学 福田大晟ゲームキャプテン

福田大晟

福田大晟


今日の試合は基礎の部分を意識しようということで、すごく良かった部分もあるんですけど、後半結構悪い部分も見えていてそこは課題として見えたかなと思います。点数的には上回ったんですけど、まだまだ自分たちの課題が残った試合なんで、来週一戦残っているんでこの一週間しっかり準備してやっていきたいと思います。


明治大学 萩井耀司

萩井耀司

萩井耀司



今日の試合を振り返って前半はすごくいい形で終わることができたんですけど、後半いい部分はあったんですけど、取り切れないという自分たちの弱みのところがすごく出てしまって、前半後半通して、規律の部分が悪くてそこから相手に得点されるということがあったんでそこは練習から意識して直せるところだと思います。来週一試合のこっているんで練習から意識して本当に成長できるように頑張っていきたいと思います。



――3試合先発が続いていますが、入学してこのレベルの試合を経験することで学べていることは?


学べていることはわからないですけど、春シーズンを通して少しずつですけど成長できているなという時間を持っています。シーズン初戦から出場させてもらえる機会をいただいて、はじめはすごく緊張した中で自分の思うようなプレーが出来ない状態が続いていたんですけど、試合を重ねていくうちにすごく冷静に試合をすることができるようになってきていると思います。



――後半からは伊藤龍之介選手が10番でプレーしましたが、感じることは?


やっぱりさすがだなと思いました。すごく前も見えているし、チームをしっかりまとめているし、そういうところは僕もまだまだだなと思って負けないように頑張っています。




明治大学 伊藤龍之介



木曜日に(宮崎から)戻ってきました。コンディションは別に問題ないです。1試合でも試合に出たいという気持ちがありました。40分出させていただいてそれは大きかった。


――スコットランドではどんなプレーを


自分たちよりでかい選手だったり、重い選手がたくさんいるんで、それを速いラグビーで、フル代表が掲げる「超速ラグビー」に少しでもおいつけるような速いアタッキングマインドでどんどんせめていきたい。



――フル代表と試合形式の練習ができたのは大きかった?


そうですね。すごくみんないい経験になったと思います。やっぱり同世代の選手とやっていると自分たちの足りないところが見つからないんですが、今回は悪いところが見つかったんで、めちゃめちゃよかったです。


――リーチさんの講義は?


本当にトップレベルで長い間やってきたリーチさんの話を聞いて、高いベーシックでやっていかないということがわかりました。代表に入るのが目標じゃなくて、その先を常にみながら高いレベルでやってきてほしいといっていただいて本当にそのとおりだなと感じました。

大学生の時から、大学のトップを目指すのではなく、日本のトップを目指すということが大事たなと。

――チームでは萩井耀司くんが1年生ながら10番を務めています。伊藤さんから見てどう感じる?


すごくいいSOだと思います。1年生で最初からお手本がない中で入ってここまでやれているのは本当すごいと思う。僕も負けてられないですね。秋に戻ってきてしっかり追い抜いて行きたいです。




――これからの予定は


22日から事前合宿があるので行って、そのままスコットランドへ向かいます。


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