筑波がFWの粘りでBKが躍動―慶應との接戦を制す | ラグビージャパン365

筑波がFWの粘りでBKが躍動―慶應との接戦を制す

2020/10/05

文●編集部


関東大学ラグビー対抗戦は例年のシーズンから1か月ほど遅れて4日開幕した。東京・秩父宮ラグビー場では、開幕節注目の一戦、筑波大と慶應義塾大学の試合が行われた。

受付ではフェイスシールドをしたスタッフが来場者の検温を実施

受付ではフェイスシールドをしたスタッフが来場者の検温を実施

入場者は2試合で4260人。エントランス周辺も密な状態にはなっていなかった

入場者は2試合で4260人。エントランス周辺も密な状態にはなっていなかった


慶應がFWで押し込み先制トライを決める

前半6分、慶大⑦山本が先制トライ

前半6分、慶大⑦山本が先制トライ

慶應は試合開始直後からキックを使って敵陣に入ると、ボールを散らしてフェイズを重ね22m内側まで攻め込む。ノックオンでチャンスを逸したかと思われるも、筑波のミスで再び敵陣22手前でのマイボールラインアウト。ここでもしつこくFWでフェイズを重ね、最後はFL山本 凱(3年・慶應)が先制のトライを決める。

前半15分、筑波大のエース⑪仁熊がトライ

前半15分、筑波大のエース⑪仁熊がトライ

先制点を許した筑波は14分、相手ペナルティーから敵陣でのラインアウトを獲得すると、そのチャンスをしっかり生かして、11 仁熊 秀斗(4年・石見智翠館)のトライで逆転。その後試合は膠着状態となる。

筑波大⑩山田のキックに慶大⑦山本と⑩中楠が2人がかりでプレッシャーをかける

筑波大⑩山田のキックに慶大⑦山本と⑩中楠が2人がかりでプレッシャーをかける

 

慶應のルーキーFB山田響、随所にスケールを感じさせるプレーを見せたが…この場面はスローフォワード

慶應のルーキーFB山田響、随所にスケールを感じさせるプレーを見せたが…この場面はスローフォワード

慶應はフェイズを重ねると確実に前進できるものの、2回のノックオンでリズムに乗れない。それでもスクラムでは筑波に対してプレッシャーをかけピンチを凌ぐ。

開幕前の明大との合同練習でトライを奪った慶大のモールだったが、筑波大は粘り強い防御で対抗した

開幕前の明大との合同練習でトライを奪った慶大のモールだったが、筑波大は粘り強い防御で対抗した

筑波も23分、相手ペナルティーから敵陣に入り、13.谷山 隼大(1年・福岡)の突破から22m内側に入りフェイズを重ねる。12フェイズ目、先程先制トライを決めたFL山本がボールに絡み、筑波はチャンスを活かすことができない。

それでも筑波はハイパントから、素早いボールチェイスで慶應にプレッシャーをかけ、カウンターラックでボールを奪うと、慶應のペナルティーを誘いPKを獲得する。SO10 山田雅也(4年・桐蔭学園)が着実に決めて10-5とリードを広げる。

その後も筑波に攻め込まれる慶應だったが、幾度となく慶應・山本がボールに絡み、チームを救った。35分、ようやく慶應にチャンスが訪れる。敵陣22m内側でのラインアウト。ブレイクダウンで押し込み、筑波はたまらずペナルティー。ゴール前からの攻防。先制トライを奪ったときのようにFWでフェイズを重ねるが、グラウディングできず、5mスクラム。前半終始、優位に立っていたスクラムで慶應はプレッシャーをかける。

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スクラムホイールで筑波がペナルティーを取られると、慶應は再びスクラムを選択。さらに押し込みをかける。しかし、ここは筑波がうまく対応し、逆に慶應がアングルのペナルティーを取られ万事休す。前半の決定機を逃し、10-5と筑波がリードして前半を終えた。

速いランナーにスペースを与えてしまった慶應は後半いきなり失点を許す

後半1分、筑波大は1年生CTB⑬谷山が見事なオフロードパス

後半1分、筑波大は1年生CTB⑬谷山が見事なオフロードパス

後半、リードして折り返した筑波は開始直後のラインアウトから、CTB谷山の見事なオフロードパスが、FB15.植村陽彦(2年・茗渓学園)につながり、ゴール中央にトライ。貴重な追加点を後半のファーストアタックで獲得し17-5とリードを広げた。

鮮やかに抜けたFB植村がトライ

鮮やかに抜けたFB植村がトライ

 

ハイボールに抜群の強さをみせた筑波大の1年生CTB⑬谷山

ハイボールに抜群の強さをみせた筑波大の1年生CTB⑬谷山

わずか2分のうちに1トライを奪った筑波に対し、慶應はゴールラインが遠い。44分から敵陣に入ってアタックを継続するも、結局トライを決めたのは、57分、後半途中から投入された20.アイザイア・マプスア(2年・キングス・カレッジ)。12-17とようやく射程圏内に入ってきたかと思われた。

後半18分、慶大はラインアウトからFWがしつこくせめてFLマプスアがトライ。(*公式記録はPR大山選手となっておりますが、映像を見る限りマプスア選手がトライを決めている)

後半18分、慶大はラインアウトからFWがしつこくせめてFLマプスアがトライ。(*公式記録はPR大山選手となっておりますが、映像を見る限りマプスア選手がトライを決めている)

 

慶大⑩中楠のコンバージョンで12-17と追い上げる

慶大⑩中楠のコンバージョンで12-17と追い上げる

 

20分、筑波大WTB⑪仁熊が右サイドを大きくゲイン

20分、筑波大WTB⑪仁熊が右サイドを大きくゲイン

しかし、直後の60分、筑波は敵陣10m付近から、さきほどトライを決めたFB植村が慶應ディフェンスのスペースを駆け抜けると一気に加速。ステップを外に切ってディフェンダーを一人振り切ると、最後はSO中楠も交わしトライ。理想的な流れで追加点を奪い、24-12と再び慶應を突き放した。

左サイドをFB植村が再び快走。約40mを走りきってトライ

左サイドをFB植村が再び快走。約40mを走りきってトライ

 

慶大の反撃も筑波大は前に出るタックルで防いだ

慶大の反撃も筑波大は前に出るタックルで防いだ

残り20分たらずとなり、勝負どころの時間帯で、慶應は焦りからか規律が統一できず、2回のペナルティーを犯す。ここまで100%の成功率でプレイスキックを決めていた、筑波・山田は2つのPGを決め勝負あり。試合終了間際に慶應は1トライを決めるも追いつかず試合終了。

30-19で筑波が勝利し、昨年に引き続き慶應に勝利を収めた。勝利した筑波は次週、帝京大と対戦する。一方、敗れた慶應は日体大と対戦する。

 

マンオブザマッチは2トライをあげた筑波大FB植村だった

マンオブザマッチは2トライをあげた筑波大FB植村だった

 

「チャンスを作ることができたのはポジティブに捉える」慶應義塾大学・栗原徹監督

試合が開催されるにあたり多くの方にご尽力いただきありがとうございます。
慶應大学としましては試合ができることに感謝し、試合に臨みました。筑波大学さんの素晴らしいタックルをうけてしまいました。結果は残念ですが、選手たちはよくやってくれたと思います。これから試合は続いていきますので次に備えてしっかり準備していきたい。

――チャンスでのミスや反則が続いたこと


ペナルティは多々ありましたが、最後の詰めのところでサポートが遅れていたところはどこか他人任せになってしまったのだと思います。ただ、チャンスが作れたところはポジティブにとらえています。次はスコアにつなげていくことが大切だと思います。


――中6日と例年より過密な日程で、今後の調整やメンバー選考は例年と変化しますでしょうか


今年は春シーズンがありませんでしたが、これまでも春は毎週試合してきましたので、何ら変わらずです。今後は、この一週間厳しい練習をしてメンバー選考をするとともに、メンバー外でも頑張っている選手いるのでチーム間での競争を高めていい準備をしていきたい。



――低いタックルが見えている一方で、簡単にゲインを切られる場面もあったが、ディフェンスの評価について


タックルは良かった。ディフェンス、立ち位置、スペーシング、特に速いランナーにスペースを与えてしまった。筑波大学さんにはいいランナーがいることが知っていましたけどそこはうまくディフェンスできていなかった。


――春シーズンがなく、チーム作りの時間が短かった中で、取捨選択したものがあれば差し支えない範囲で教えてください(例、モールDFを最優先で強化した、スクラムなど)


FWではセットプレーを強化してきました。ラグビーのところでいうとベーシックなスキルに特化してやってきました。

CTB 三木亮弥 バイスキャプテン

試合としては自分たちの準備してきたことを出そうとして挑みましたが筑波大学さんの激しいプレッシャーと気持ちの部分でひたむきなところに受けてしまったことが今日の試合結果になった要因だと思います。次戦、日本体育大戦が続きますので気持ちを切り替えて次にそなえて準備をしていきたい。

――本日初スタメンを果たした安藤選手について


4年生で初出場ということで、本当はもう少し出場時間を与えたかったですが、限られた時間の中で十分にラグビーを表現してくれた。4年生のこういう姿が後輩にとってもいい影響を与えると思います。

SH安藤快(4年生で対抗戦初スタメン)

本日の試合は昨年敗れた相手ということでリベンジしたい気持ちで臨みました。ですが、筑波さんのプレッシャー受けてしまいました。個人としては、自分が出場してから最後、佐々木(隼)のトライがとれたのでそこは良かった。チームとしての課題が明確になったので一週間、しっかりやっていこうと思います。

 

筑波大学 嶋崎達也監督

まず、対抗戦試合ができることが何より感謝しています。試合は、これまで段階的にやってきましたが今日の試合では、本当に準備してきたことを選手たちが出してくれた。よく体をはってくれたなと思います。今日はFWのプレーがあってのBKのトライにつながったと思っています。


――FB松永選手の状態と代わりに出場した植村選手は2トライを決めました。その評価を。


松永については、パフォーマンスが100%できないということで急遽変更となりました。植村は、ランニングスキルについては松永と同等だと思います。若いプレーが今日は前に出ることにつながり本当にいいところを出してくれました。FB嶋田修(4年)も先週まで教育実習ということでメンバーとしてはギリギリな状況でした。


――CTB谷山隼大選手は1年生ながらもいいパフォーマンスでした。今後彼をどのように生かしていきたいですか?


このプレッシャーの中で、今日見せてくれたプレーが彼の最大の強みだと思っています。よく話をして彼と強味がでるようにチームとしても取り組んでいきたい。


――中6日と例年より過密な日程で、今後の調整やメンバー選考は例年とどう変化しますでしょうか?


この3戦をどう戦うか。7月の段階でリーダー陣と共有してきました。昨年もそうですが、強い相手との連戦が続きます。しっかりリカバリーして、プランどおりやるだけ。今日出てきた課題を修正したい。


――ハイパントは慶應大を意識したものだったか?


うちの選手の精度、SH鈴村、CTB谷山のキック。すべてを加味した上で、何が慶應さんに通用するのかというのを考えてそういう(戦術)にしました。

「倒すときはダブルではなく、トリプルタックルで慶應を止めた」CTB 岡﨑航大キャプテン

筑波大学としては、慶應大学さんの厚いディフェンス、そこをいかにこじあけるか、そして自陣に入れないということにフォーカスしていました。それが徹底できて、前半、後半、敵陣でプレーができたのがよかったです。4年生が引っ張って、下級生にできるだけフリーな状況でボールを持たせることができました。

ディフェンスについてはダブルタックルではなく、トリプルタックルを行おうと話をしていました。前半用意していたムーブは、Bチームが「仮想慶應」として練習でいいディフェンスをしてくれたおかげで成功できなかったんですが、そこを修正して、試合ではうまくいったのが良かった。


――CTB谷山隼大選手は1年生ながらもいいパフォーマンスでした。今後彼をどのように生かしていきたいですか?


今日の試合で彼が一番緊張していたと思います。ですが、試合でああいうプレーができるということで彼のプレーをリーダー陣全員でいかしていきたい。

「メンバーだけでなく、部員全員が『ハード』にできた」LO 中原健太

この状況下で試合ができたことがとても嬉しく思います。チーム目標である「ハード」。今日の試合に向けてメンバーの全員だけでなく、控えもメンバー外含め、全員が「ハード」にできたことがこのような結果になったと思います。


――要所でいいカウンターラックがありました。

チームとして、タックルしてラックを超えていくことにフォーカスしてきた。今日は各々がいい判断をしてカウンターラックができたと思います。


 

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