9月22日(日)、東京・秩父宮ラグビー場では昨年対抗戦2位の明治大学と5位の慶應義塾大学の伝統の一戦の一つ「慶明戦」が行われた。
なお例年11月の第1週に行われていた「慶明戦」だが、両校の昨年の順位や開催場所の確保など総合的に判断され、今年は9月の対戦となったという。
昨年は明治大学が66-40と乱戦を制したが、今年6月の練習試合でも明治大学が56-45で勝利した。
序盤からFWの圧力に勝る明治大学が優勢となり、前半4分、WTB安田昂平(4年)が裏にボールを蹴って自ら押さえて先制トライ。10分にはSH柴田竜成(3年)がグラバーキックを蹴り、1年のWTB白井瑛人が押さえて12-0と先制した。
さらにスクラムを起点にCTB平翔太(3年)がトライを挙げて19-0とリードした。慶應義塾大学も相手陣に攻め込むが、明治大学が粘り強いディフェンスの前に得点を挙げることができなかった。
すると38分、明治大学ゴール前でモールのチャンスを得て、10mを押し切って、そのままHO西野帆平(3年)が押さえて26‐0とリードして前半を折り返した。
後半の序盤は、慶應義塾大学の時間帯だったが、トライを挙げることができなかった。17分、明治大学のCTB平が相手のパスをインターセプトして80mを走りきって右隅にトライして33-0とした。
その後は慶應義塾大学も1トライを返したが、明治大学がさらに3トライを挙げて52-7で快勝。POMは2トライ&6ゴールの22得点を挙げた明治大学のCTB平が選出された。
明治大学 神鳥裕之監督
伝統の慶明戦ということでたくさんのお客さんの中で、しっかりしたラグビーができたことは良かった。すごく勢いを持ってやってくると準備していたが、そういった慶應さんを1トライに抑えることができたことが非常に良かったと思います。
1つ次のレベルにいけるような試合ができた。まだまだ今年のチームは成長する伸びシロがあると思っていますので、今日の結果に満足せずにしっかりとレベルアップしていきたい。
(慶應と良い試合ができたが)春シーズンはケガ人や代表活動で選手が抜けていたりチーム作りが難しかった。今年のチームの成長を感じ始めたのは夏合宿でした。結果は出なかったが、やろうとしていたことが浸透し始めていたと手応えを感じ始めていて、その中で、慶應戦で次のレベルにいける試合ができた。成長過程と感じているが、次の試合に進める試合だったかなと思います
(例年より慶應との対戦が早かったが)例年だと11月とシーズンが深まった試合で、難しさは多少あったかもしれないが、対抗戦のチームと並べたときに、骨のある相手と前半戦で対するというスケジュールでやっていた。明慶戦ということで選手は緊張していたが、骨のある相手ということで準備していました。
(WTBやSOなどポジション争いが激しいが)昨年は100周年で4年生が中心だったが、競争力という言葉を使いながら、全員にチャンスがあるとスタートしてきた。BKは特に競争力が激しい。新しく来た高野コーチの評価を受け入れながら、最終的に誰かがそこのポジションに座る。最後までチーム力を上げることができるように競争させていきたい。
明治大学 NO8木戸大士郎キャプテン
伝統のある一戦ということで僕たちもすごい気合が入っていた。春も苦戦した相手だったし、先週の試合を見て、まったく違うチームでやってくると思って準備して、良い準備をしてそれが出たかなと思います。今週、『ネクストレベル』をテーマに準備してきて、奪還に向けて、自分たちに向けて次々と準備して、それを試合に出せて成長につながった。
(1トライで抑えたが)今日は全員でディフェンス、ハンティングと呼んでいる全員でディフェンスすることができた。夏合宿で、筑波にやられて成長することができた。今日、僕もホンマに緊張していた。『今年は早いな、慶應戦』、という感じだったが、今年の慶應は一体感ある強いチームという認識があったが、良いゲームができたことは成長につながった。
慶應義塾大学 青貫浩之監督
先週の筑波大戦は、なかなか慶應らしい激しいディフェンス、セットプレーがなかなかできなかったので修正して、格上の明治大学にチーム一丸で臨んだ。ディフェンスは前節より、前に出るタックルが随所に見えたと思っていますが、全体的として組織、個人として少し明治大学との差を実感した。通用することはあったと思うが特にセットプレー、BKでミスが多く起きたことは大いに反省したい。10月20日の帝京大戦に準備していきたい。
(エラーが多かった要因は)比較的若いメンバーが多く、秩父宮が初めての選手も多かった。試合前からそうなるかなと織り込んでいた。筑波大戦でもそこは織り込んでいたが、①週間でそこを改善できなかったのが反省点です。残り1ヶ月しかないと思って帝京大戦まで改善していきたい。
慶應義塾大学 HO中山大暉キャプテン
今日の試合は明治大と試合するにあたって自分たちはコンタクト、特にブレイクダウンのファイトを前でやっていこうというテーマで準備してきた。すごくブレイクダウンで通用した部分があったが、自分たちのミスや強い個に対して飛び込んでしまったりとスキルの高い相手にやられてしまった。
(1トライに終わったが)ラインアウトモールは力を入れてきたが、前に出られなかったり、アタックで受けてしまったことが7点に止まってしまった要因かなと思います。(連敗してしまったが)自分たちやるべきことは22mに入ったと後の得点力の向上だと思うので、ユニットとFWとBK今後のアタックを向上させて、次の1ヶ月、王者(帝京大学)に対戦するマインドを忘れずにやっていきたい。